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今日入手した本 R・クーパー「精神医学の科学哲学」

 偶然書店で見つけたものだけれども、まだ発売されたばかりの本らしい。
 題名通りの本のようで、科学哲学という見地から精神医学の問題を論じたもののようである。
 まずポパーの「線引き問題」から入り、クーン、ウィトゲンシュタインR・D・レインフーコーというようにわたくしでも知っている人々の主張を簡潔に紹介してたどりながら、著者の見解を述べていくというオーソドックスな書き方がされている(まだ30ページほどしか読んでいないが)。
 ポパーの「線引き」論が現実の場において科学と非科学をわけるものではないという著者の主張はその通りであろうが、ポパーは理想論をいっているのであって、科学と非科学をもし分けうるとすれば「反証」ということがその鍵になるはずであるということを述べているのではないだろうか? いずれにしてもポパーは反証不可能の例として精神分析フロイトのものより最近はやりのアドラー)を挙げているのだから、精神医学と科学ということを論じる場合にポパーを入り口にするというのはきわめて正当な行き方であろう。
 モノとこころ、心身二元論といった問題は永遠に解決されるはずのないものだから、本書での著者の主張はあくまでも著者の主張にとどまるしかないのであろうが、問題の整理という点で、よく出来ているいる本ではないかと思われる。
 
R・クーパー「DSM−5を診断する」

 上記の本の解説をみていたら、クーパーの本はもう一冊翻訳されているとあったので、手にとってみた。DSM−5の問題はA・フランシスの「〈正常〉を救え」も読みかけになっているが、わたくしのような昔の医者は疾患の診断は病理組織診断を最終根拠とするという思い込みを持たされているので、学生のころにアメリリュウマチ学会のリューマチの診断法(大項目2つと小項目が1つあればリューマチといったやりかた・・症状だけで診断する行き方)に違和感を感じて以来、そういう方向にはずっとなじめずにいる。それで、何と何と何があればうつ病といったDSMのやりかたにもなじめないものを感じていた。アメリカの医療というのは浅薄だなあ!といった感じかもしれない。
 しかしいつの間にかDSMは世界を席巻してしまったわけで、産業医として「うつ」とは無関係ではいられない以上、その背景などについても知っていなければいけないという思いがあり、DSM改訂と製薬業界とのかかわりといった問題も論じられているらしい本書を買ってみることにした。
 
笠原嘉「新・精神科医のノート」

 笠原氏の「精神科医のノート」で「メランコリー親和型」というのを知ったときはとても驚いたもので、それ以来、馬鹿の一つ覚えで、「うつ」といえばメランコリー親和型と思ってきたのだが、最近産業医をはじめてみると、「メランコリー親和型」は激減していて「新型うつ」といわれる奇妙なタイプが主流になっている現実に直面して戸惑っている。
 中井久夫氏の「「つながり」の精神病理」の解説で、春日武彦氏は、中井氏が「本職患者を作らないということは精神科医の仕事である」といっているのを受けて、「たしかに新型うつ病の患者を扱っていると、「自宅療養を要す」と記された診断書の枚数と薬の量ばかりが増えていって埒が明かず、やがて当人は本職患者のようになっていき、いっぽう医師は困惑と無力感とで「しろうと」のような気分に陥らされていく」と書いている。春日氏のような精神科のプロがそうであるならば、わたくしのような本当のしろうとは完全にお手上げで、相手のほうが精神疾患のプロでこちらはしろうと以下というような気持ちになってしまう。
 「新型うつ」というのはどこかで「スチューデント・アパシイ」あるいは「登校拒否」と同じ基盤のうえにあるのではないかと感じるところがあって、「スチューデント・アパシイ」や「職場のメンタルヘルス」などを論じている本書を読んでみることにした。
 
坂本薫「うつ病の誤解と偏見を斬る」

 「新型うつ」などを論じてあるので買ってきた。
 著者は東京女子医大の神経精神科の教授であるが、趣味として、スキー、シュノーケリング、テニス、早朝ジョギング、ピアノ演奏、チェロ演奏、芋焼酎賞味、冬ソナ鑑賞、全国講演の準備、などと書いてある。付されている写真を見ても、変わった方なのかもしれないが、書いてあることはきわめて真っ当であるように思う。




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