
『スノーグース』ポール・ギャリコ作 矢川澄子訳 王国社
今年は暖冬だなあと思ってたら、今日から突然寒波が来ましたね。鎌倉でもちらちら雪が舞ってきて、ちょうど読み終わったこの本の表紙がぴったりな日です(え、ギャリコなら『雪のひとひら』読めって?)。
ポール・ギャリコの本は児童書コーナーにも一般コーナーにも置かれていて、線引きが難しいと言われている作家。『スノーグース』はギャリコの初期の代表作(短編)で、動物との関わりを描いた短編が他に二篇入っています。詩情溢れる美しい文章で綴られ、静かな感動を誘います。純粋な愛、ひたむきな愛。
≪『スノーグース』あらすじ≫
見かけの醜い孤独な画家のラヤダーは、大沼のそばの燈台小屋に住み、野生の鳥たちだけを友だちにひとりっきりで暮らしていた。そこへ傷ついた白いグースを抱いた少女フリスが燈台を訪れ、ラヤダーとひそやかに交流していく。しかし、ある日、ラヤダーはドイツ軍に包囲されたイギリス軍を砲火から救うために、小さなヨットで海峡を渡り、海へと散っていく・・・。
本って出会いの時期ってあるよなあ、とつくづく思うのです。多分、この本は学生時代に読んでいたらとても感銘を受けていただろうな。「え、スノーグースみたいな名作な良さ分からないの?それで、児童文学好きとか言っちゃう!?」と言われそうですが、正直“今の”私には内にまで響いてこなかったんですよね・・・。頭では分かるんです。あ、名作だな。本好きにはたまらないだろうな、胸を打つ人たくさんいるんだろうな、って。でも、悲しいかな、字面を追ってるだけで、私自身は心かき乱されるところまでいかなかった。
ところで、絵本版も出ています↓

アンジェラ・バレット絵 片岡しのぶ訳 あすなろ書房
暗くも美しいこの物語の世界観がよく表れている絵本だと思います。翻訳の違いを楽しむのもいいかも。ところがですね、図書館だとどこにこの絵本置かれてると思います???鎌倉の場合は、なんと一般コーナー芸術・漫画の棚です!最初からこの本目当ての人以外には手に取られにくい=出会いにくい場所!こういう分類になるんだ・・・。確かに子どもの絵本の棚に並ぶ本ではないかもしれないけれど・・・うーむ。
心かき乱されるところまではいかなかった、と感じたのですが、不思議なことに時間がたつとジワジワきています。人間の誰もが心の中に持つ、美しい部分に訴えかけてくる物語。