
今日は多くの人の意識を変えたあの3.11から6年。
色々思うところはあるけれど、やっぱりうまく言語化できない。
昨年は、3.11を描いた震災文学『岬のマヨイガ』(そのときの記事はコチラ)を紹介しました。そして、熊本の震災のときは『ルピナスさん』(そのときの記事はコチラ)を思い、今日も『ルピナスさん』のことばかり思い出していました。
自然災害はね、これはもうある意味受け入れるしかないです。
でも、原発は別。あれは、人災。人災は食い止めて行かなければ。
今日ご紹介する『はなはなみんみ』はシリーズ全3巻で、原発ではなく核戦争のことを扱っているのですが、人災を思うときいつもこの本を思い出すんです。大好きな物語。

『はなはなみんみ物語』『ゆらぎの詩の物語』『よみがえる魔法の物語』
わたりむつこ著 岩崎書店
核戦争で唯一の生き残りと思われていた小人たちが、鳥たちからほかにも小人が生き残っていると聞いて、彼らを探す大冒険にでかけるというストーリー。
前半はね、純粋にワクワクします。森での生活が『大草原の小さな家』みたい。子どもが読めば、冒険物語として楽しめる。
でもね、これ大人が読むとびっくりするほど深い。どんな風にして戦争に発展していったのか、どうやって小人たちの意識が麻痺していったのか、極限状態に置かれたときに出てくるエゴ・・・etc.etc.
とても重いテーマを取り扱っているのに、決して暗くないんですね。はなはなの若さや無鉄砲さに希望があるんです。性善説で動いているから希望がある。
最初に読んだときは、なぜこれ小人にしたんだろう?って思ったんですよね。小人の世界に核戦争なんて持ち込んでほしくなかったな、そんな愚かなのは人間だけにしてほしかったな、なんて。
でも、これ、もし動物が主人公だったら、大人は感情移入しづらい。じゃあ、人間にしたら?・・・人間にしてしまったら、動物たちとの等身大のイキイキとした交流もなくなっちゃうし、人間そのものだったら生々しすぎて問題から目をそらしたくなるかも、って気付いたんです。
小人が主人公だと、責められている気はしないので、素直に自分から人間の愚かさを反省させられるんだな。
未来に負の遺産を残すとどういうことになるのか、それを教えてもらうには小人の力を借りなければらななかった。だから、小人の物語である必要があった。愚かな人間にメッセージを届けるために。
児童文学がすごいなと思うのはココなんです。大人の文学で直接的に主張してしまうと反発や言い訳、あきらめの言葉が返ってくるところを、素直に考え直させてしまう。
大人もぜひ読みたい物語です。