
『霧のむこうのふしぎな町』柏葉幸子著 竹川功三郎絵 講談社
(現在あるのは杉田比呂美絵の新装版、でもこの旧版のほうが好き~)
昨日の朝晩、そして今朝と家の周りには濃い霧がたちこめていてとても神秘的でした。霧に包まれるのはとても不思議な気分。あの白いベールの向こうには本当にいつも通りの景色があるのかしら?ひょっとして今は異界につながっていたりして・・・?そんな思いにかられるのです。
大人になった今でも霧が出るとその向こうは・・・とちょっとドキドキしちゃうのは、やっぱりコレの影響。『霧のむこうのふしぎな町』。著者の柏葉幸子さんがまだ大学生のときに書いた物語だったんですね!うちにあるのは第4刷りのものですが、挿絵を書いた竹川功三郎さんの自宅の住所まで書いてあるのに時代を感じますね~。
ジブリの『千と千尋の神隠し』に影響を与えたとも言われファンも多いこの物語。私にとっては面白いけれど、でもうーんうーん、なんだろ、この複雑な気持ち!?というのが残る物語でした。そう、ちょうど『雨ふる本屋』読んだときと同じような感じかな。
≪『霧のむこうのふしぎな町』あらすじ≫
夏休み。お父さんのすすめで6年生のリナは一人『霧の谷』というところで過ごすために旅に出た。迎えもなく、不安に思う中たどりついた霧の谷。霧が晴れると、そこには赤やクリーム色の洋館が立ち並ぶ、きれいでどこか風変わりな町が現れた。そこでリナはピコット屋敷という屋敷に下宿をしながら様々な店で働くことになった。魔法使いの子孫と言われるへんてこりんな人々との交流をへて、リナの夏休みはあっという間に過ぎて行く。
面白いです。竹川功三郎さんの挿絵もとてもいい。ただね、私がこれを読んだのは小学校3年生のときでしたが、面白いんだけど面白いんだけど・・・だけどだけどぉ~~~、「なんだかなあ」という思いもぬぐえなくて。
当時の私は海外の児童文学に慣れ親しんでいたんですね。だから、リナが迷い込んだ町が異国風だったのがどうしても引っかかって。日本人なのにいいの!?って。反則じゃない!?
これが外国の物語だったらすんなりと楽しめたんだと思います。ただ、変な言い方だけど日本人が書いていて、日本人が主人公なのにまるで海外のお話の中に迷い込むのは・・・これじゃあ、まるで私が書くようなもんじゃないか(←おいっ)、って小学生のころの私は感じちゃったんですねえ。当時海外のを真似して物語いっぱい書いていたので。そこがどうも引っかかって、イマイチ登場人物たちに感情移入できなかった。ストーリー的には面白いんですけどね。
日本人が海外のもの真似してもダメなんじゃないかなっていう思いがずっとあったので、梨木香歩さんや高楼方子さんの物語に出会ったときには、日本人でも外国の香りを取り入れても自然に読ませる人がいた!!!って興奮しました(あくまでも個人的な感想です)。
もっと素直に登場人物たちと友だちになれたら楽しかったんだろうにな、なんて思いが残ったものの、霧が出るたびに思い出す物語です。