
今日の一冊は、コチラ!ですが、一冊じゃなく、今日は二冊。大人にはむしろこっちを読んでほしいというのが同じ著者によるコチラ↓

『あわいの力』は、私の中では、これこれこれこれ!!!!!まさに知りたかったのはこれー!と昨年興奮した一冊。
でも、響くポイントが多すぎて、どう紹介していいか迷い、ここで紹介するのをすっかり放置してました。これまた興味深かった『都市と野生の思考』という本とリンクするところも多く、いやあ日本人に生まれてきて誇らしい!と感じさせてくれました。

こういうのを読むと、だから児童文学なのよね、って勝手に嬉しくなるんです。子どもって野生だから(いま本来の子どもらしさがない子が増えてきてるのが問題だけれど)。人間だけが世界じゃない、異世界ともつながれるのが児童文学だから。
さて、安田登さんは、ワキ方能楽師。そもそも安田登さんに興味を持ったのは、藤井風の歌詞解説を書いたこちらの記事を読んだのがキッカケでした↓
ここ数年、今の人は“心の問題”にとらわれ過ぎてて、“身体性”を忘れてるなあと感じていたので、安田さんのおっしゃることにとても惹かれたのです。心の問題か、思考しすぎる頭でっかち問題。身近でも心の病になってしまった人が何人かいて、ずっとこのことを考え続けてきました。
もう一つ、ここ数年私の興味を引いていたのは、日本人って一体なんなんだろう?ということ。海外文学の方が好きで、海外に留学して、日本の良さに着目してこなかった私。この年齢になって、神社や日本の伝統文化への興味がムクムク。日本人独自の感性や感覚をもっと知りたい!と思っていたので、安田さんの『あわいの力』は、まさに知りたかったことがたくさん書かれていて、個人的には興奮しちゃうくらいドンピシャだったのです。
『魔法のほね』は、『あわいの力』の中でも“文字が生み出したもの”について書かれている部分を、子どもたちに分かりやすく伝えるために物語という形にしたものです。心が生まれる前の古代に現代の子どもたちがタイムスリップする冒険ファンタジー。なので、大人は『魔法のほね』と『あわいの力』を同時に読むと、なるほど!とより自分の中に落とし込める気がしています。
心って、すごく大事だけれどすごく不安定だし、そこだけにフォーカスしすぎるとおかしな方向にいきがちだな、ってなんとなく感じてはいたんです。安田さんは、“文字”というものが”心“を生み出したのでは?という仮説を立てています。”文字“誕生以前は人は身体の感覚に従って生きていたのに、誕生以降は脳で思考することが増え、脳化することで”心“が肥大化し、現代社会ではその副作用が増加しているのでは、と。副作用というのは、自殺や精神疾患の増加。
古来の日本語って、“脳”だけではとても捉えきれない、豊かな広がりと奥行き、彩りや香りがあり、身体的な感覚を使って、はじめて感じ取ることができるようなものだったんですって。
ところが、文字はたくさんの素晴らしいものをもたらしたけれども、“時制”という抽象概念を生み出したことで、未来を変える力を手にしてしまった。すると心の副作用として、過去に対する後悔や悲しみが、未来への不安や恐怖が生まれる。“時間”を知った人類が感じるようになった不安と向き合うために、孔子、釈迦、イエスの思想が生まれたというんですね。そして、心の副作用が蔓延しているいま、“文字”に代わる“何か”が必要になってくる、と。
ほかにも興味深いことがたくさん書かれていて、ぜひみなさまお読みになって~、と声を大にしていいたいです。能にも興味がわいてきました!でも、寝ちゃうのよね、と思ったらそれでいいとおっしゃるではありませんか。なので、能の世界に浸りに行ってみようと思います。ぜひ。