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12月に入りましたね。先週1週間は、絶賛寝込んでおりました。みなさまもお気をつけください……。
何もできなかった、する気が起きなかった病気期間中、私を見守っていてくれたのは夫……ではなく(笑)、たくさんの幸せな児童文学たちでした。子どもにうつしてはいけないと、一人別室で寝ていたのですが、そこが本に囲まれた部屋でして。幼き頃に繰り返し親しんだ『床下の小人』シリーズ、『長くつしたのピッピ』シリーズ、『大草原の小さな家』に『メアリー・ポピンズ』などなどに囲まれていたら、とてつもなく幸せな気持ちに包まれたんです。本は読まなくてもいい!置いているだけでいい!そう再確認したひと時でした。
さて、病み上がりにはお粥からというのと同じで、いきなり小難しい物語は読む気になれなくて。今回手に取ったのはコチラです。
『マンディ』(2008年)ジュリー・アンドリュース作 青柳祐美子訳 小学館
ジュリー・アンドリュースってあの!?ええ、そうです。サウンドオブミュージックのマリア。あの女優のジュリー・アンドリュースです。物語も書いていたんですね、シラナカッタ。病み上がりにはぴったりの、いい人しか出てこない安心安全☆王道の物語でした。
個人的にはちょっと翻訳が合わないところもあったのですが(←何様目線?)、安心して読めるっていいなあとしみじみ。みんな大好き、孤児が幸せをつかんでいく物語です!
この物語を知ったきっかけは、本とは縁が薄そうなあるママ友。昔読んで大好きだったけれど、絶版になってた物語を探し続けていたら復刊した!と喜んでいたことが印象的で覚えていたんです。旧訳は岩谷時子さんだったんですね。ちなみに私が読んだのは、復刊版新訳のほうです。
主人公の孤児のマンディは、ある日偶然森の中に貝殻の素敵な部屋がある庭付きの小さな家を見つけます。自分だけの居場所!孤児院では、当然一人になれる空間はないので、マンディはこの秘密の場所に夢中になります。
イギリスの児童文学を読んでいて、いつも感心するのは、イギリス人ってみな庭仕事やDIYの才能がDNAに刻まれてる!?誰に教えられなくても、修復、再生できちゃうからすごい。古い家や荒れ果てた庭を前にしたら、私なんて茫然とするだけなのに。どの草刈ったらいいとか、なんで分かるのー!?どんどん庭がよみがえっていくさまは楽しい楽しい。『秘密の花園』やこちらを思い出します。↓
この物語には、いい人しか出てこないと書きましたが、仲良しだったはずの同室のスーとのすれ違いはリアルです。仲が良いから何でも知りたい、でも、マンディとしてはいまは自分だけの秘密が持ちたくて、だんだんとスーが疎ましくなってくる。あるある。
人って成長するあるひとときは、ひとりの時間や自分だけの場所、秘密がとっても大切になってきますよね。でも、ある時点を超えると、それを共有できる仲間がいるほうが楽しくなってくる。
確かに自分だけの場所が、ひとりの時間がほしかったマンディでしたが、本当にほしかったものは何だったのでしょうか?広大な地所とお屋敷を管理するフィッツジェラルド家との交流が始まる後半も、これぞ児童文学といった感じでワクワクします!
秘密の通路に隠し扉、隠しボタンを押すとあらわれる秘密の場所。こういうのが、本当に存在するのがイギリスのお屋敷。たまりません。ところで、このフィッツジェラルド家、一度手放さざるをえなかったお屋敷と地所を何とか買い戻して戻ってきた一家なんですね。イギリス人の土地や建物への愛情もしみじみと感じられます。
夢見がちでいいじゃない。安心安全☆王道の物語が読みたくなったら、ぜひ。