
今日の一冊のご紹介の前に、こちら今週末日曜日の読書会、迷ってる方はぜひお早めにお申し込みください。初めましての方大歓迎。こじんまりとした会です♪ ↓
はい、今日の一冊は、コチラ。こういう家族の形が現実にもあってもいいなあと思わせてくれる、希望の形を示してくれる物語です。さらっと読めるのに、気付きも多かったです。
いとうみくさんといえば、よく課題図書に選ばれてる作家さん。こちらは、河合隼雄物語賞受賞作と聞いて、手に取ってみました。
家族とは。常識とは。“こういうものだ”と凝り固まっている考えに、風穴をあけてくれるような物語でした!ドラマ化してもらいたいなあ。
変わった家族の形という点では、大ヒットした瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』と重なるところもありますが、個人的には『あしたの幸福』のほうが好き。
物語は、シングル家庭だった雨音(あまね)の父親の突然の死から始まります。どうしても、親戚の家で暮らしたくなかった雨音は、幼い頃以来音信不通だった産みの母親を「利用する」と割り切って同居することに。
ところが、この産みの母親国吉さんがもう変わり者というか、相手の気持ちが、空気が読めない人なんです。どうしてそういうこと聞く?そういうこと言う?って感じで。多分ね、書かれてはいないけれど、自閉スペクトラムなんだと思います。こちらの常識が通じないし、感情が読めないから、実際身近にいたらイライラしてしまいそう。でもね、食から愛情が伝わってくるし、裏表ないから、慣れたらかえって分かりやすい。物語を通じて、国吉さんみたいな人に出会えてよかった!気付いたら、国吉さんのこと大好きになってました。ただね、物語として見せてもらったから国吉さんのこと理解できたけれど、実際身近にいたら、「とっつきにくい人、距離置こう」で私の場合は終わっていたかもしれない、とそんなこともつきつけられました。
さて、そんな二人のところに、さらに転がりこんでくるのが亡くなった父親と再婚予定だった帆波さん。この奇妙な関係の三人は“歩み寄る”というよりも、“思い合う”。“補い合う”。そこがいいんだなあ。
また、雨音の友だちの廉太郎くんも気になります。彼は、いわゆるヤングケアラー。鬱病の母の面倒をみていて、もうやりきれません。そんなときにね、「守られなければいけないのは、子どもです」って、国吉さんがハッキリ言ってくれるんです。涙が出た。
私も、子どもを守れる大人でいたい。
タイトルの意味が明かされるラストシーンは秀逸。
最後まで読んだからこそ分かるタイトル。最近、「〇〇が△△したので、××しました」みたいなあらすじまとめみたいなタイトルが若者向けには増えているけれど、これぞタイトルのつけかたよ!と思わせてくれた物語でもありました。重いテーマのわりに、さらっと清々しく読める物語なのでぜひ。