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【私たちのおやつの時間】あらすじと感想

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1日3食しっかり食べていたら、おやつは要らないと言われています。

そんな事分かってる。

それでも食べたくなるのがスイーツなんです。

今日はそんなおやつのお話。

【私たちのおやつの時間】あらすじ

第一章 リコとマドのガジャルハルワ~インドのおやつ~

他人よりもテンポが遅いのんびり屋のリコと親友キリコの会社に派遣されてきた日本大好きインド人、マドとの恋の行方のお話。

 

リコとキリコの会話を読んでいると、私もキリコと同じでじれったくて仕方ない。

 

好きって気持ちを親友のキリコに言う所は、キリコのセリフが読者をスッキリさせてくれます。

 

「あたしがどう思うてるか訊いてもしゃあないやん。リコの気持ちはリコにしかわからへん。マドの気持ちもマドにしかわかれへん。本人にきかな」

 

前に進みたかったら自分の気持ちをしっかりと伝えるべしというキリコに思わず、うんうんと頷いてしまいます。

 

2人の恋の行方はどうなるのでしょうか!?

 

1章で出てくるおやつは、インドのニンジンスイーツ「ガジャルハルワ」

ガジャルハルワ(ニンジンを使ったインドのおやつ)

おろし金で皮のついたニンジンを下ろし、温めておいたフライパンにバターオイル、ギーを入れ、とろりと溶けだしたところでニンジンを加えます。

 

焦がさないように、弱火でじっくりとニンジンを炒め、ニンジンから甘い香りが漂いだしたら、ミルクを入れてかき回す。

 

ミルクが沸き上がるまで、ゆっくりゆったりかき混ぜる。

 

水分がとんで、混ぜる手にもったりとした感触がでたら、カルダモンと黒蜜を入れ、黒蜜が混ざり切ったところで火を止める。

 

レーズンを入れてさっくり混ぜたら出来上がり。

 

第二章 スミレのポルボロン~スペインのスイーツ~

息子を亡くしたシングルマザーのスミレと友人のアマリアとで行くアンダルシア。

初めてできた自分よりも大切だと思う存在と失ってしまった時の自分を責めてしまう感情が読み手にも痛いほど伝わってきました。

アンダルシアを想像しながら、2人が出会ったものすべてが美しい。

そこで出会ったルシア。

今まで生きてきた人生のその長さぶんの強さを蓄えたような手を握りしめながら、人がどんな風に歳を取っていくのかを考える主人公。

 

人は悲しみと苦しみを背負って生きていかなければならない。

それは決して消えることはないけれど、残りの人生を笑って生きていくのとはまた違う。

どうせなら、元気で笑って生きていくほうが良いと思う。

 

ポルボロン

自分を責め、幸せになってはいけないと思い込むスミレ。

そんなスミレに寄り添う周囲。ポルボロンは幸せになれるお菓子です。

クッキー生地のようなものをめん棒できれいに伸ばしていきます。

のばした生地をクッキーの方でまるく型抜きしていきます。

焼きあがったポルボロンに真っ白な粉砂糖を振りかけて冷めるまで待ちます。

口に入れてポルボロンポルボロンポルボロンと3回唱えることができたら、幸せになるのだそうです。

 

悲しみは消えてはいない。癒えたりもしてない。

世の中にはどんなに時間が経っても決して消えも癒えもしない悲しみがあるということを知った。

スミレと同じ境遇にあるルシアさんから聞く言葉にスミレは、いたたまれない気持ちになります。

第三章 鶴子とアマリアの湯丸~香港のスイーツ~

鶴子とアマリアの出会い。

几帳面で曲がった事が嫌いで、他人にも自分にも厳しいマダム鶴子。

そんな鶴子と一緒にいることで、アマリアも次第に何事にもキチンと丁寧に心を込めて生きていきたいと思うようになっていきます。

優しさと強さの両方で大切な人を守るってカッコいい。

 

香港でのスイーツは湯丸(トンユン)

湯丸は、冬至のためのスイーツを家族円満を願いながらみんなで食べるスイーツ。

生姜スープの中に黒胡麻餡が包まれた白い団子が入っています。

家族を何よりも大切に思って一緒にお祝をする香港の人たちの料理です。

シンプルだけど、1つ1つを丁寧にすることで、出来上がりの味が変わってくるというスイーツです。

ボウルに入れた餅米粉をゆっくりとかき混ぜながら、ダマにならないようにぬるま湯を何度かに分けながらそろそろと加え、ひとまとまりに出来る柔らかさにする。

湧いたお湯の中へ、混ぜ終わった団子のタネの中から少しだけスプンですくって、平に押しつぶし、湧いたお湯の中へといれます。浮き上がってきたタネを氷水につけ、元のタネのボウルに戻して、残りのまだ茹でられていないタネと混ぜながらしっかりと捏ねる。

茹でたタネと茹でていないタネをまぜることで、割れたり破けたりしないのだそうです。

胡麻餡より少し大きく丸めた団子のタネに黒胡麻餡を入れ、クルクルと丸めて、団子を作り、沸かしたお湯に入れ茹でる。

器に団子を入れ、生姜スープを注げば湯丸の出来上がり。

 

本を読んでいると、おやつが食べたくなってきました。

 

外は風がビュンビュンと音を立てているので買い物には行かず、家で簡単なおやつを作りたくなって、冷蔵庫にあったサツマイモで大学芋を作りました。

 

読んでいると必ず何かしらおやつが食べたくなる本です。

第四章 キリコと淳平のヴォルカンショコラ~バヌアツのスイーツ~

物語には何人か主人公がいますが、行動力があるキリコの性格が好きです。

食べることが好きで、旅行が好きで、食べた事ない料理にもまず試してみたいという好奇心旺盛な所は読んでいてこちらもワクワクします。

彼氏の淳平が住む、天国から二番目に近い島のバツアヌへ行ってからのキリコの気持ちに私も同じ態度をとってしまうと思いました。

 

自分が思っていた言葉ではなく、淳平が作るチョコレートと彼の言葉は私も嬉しかったです。

ヴォルカンショコラ

チョロレートを作るために、バツアヌのカカオに魅せられそこに住む淳平。

彼が作るチョコレートを食べてみたいものです。

ビートルズファンという所も、インドに旅行するところも読んでいて自分と似ていてうれしくなりました。

第五章 香夜子とモーニャの鳥のミルク~ポーランドのスイーツ~

ポーランド人のモーニャは、キリコたちが好きなインド料理店でアルバイトをしています。

まだ学生の彼女は、大好きなおばあちゃんに日本のおみやげとして、自分が作る竹籠を編むのに、香夜子の父が営む工房に通っているのでした。

 

もどかしい気持ちを、文章にする。

読みながら、(そうそう、私もあの時こう言いたかったんだ)そんな気持ちが本には沢山書かれてあります。

 

香夜子に好意を寄せる楓斗君の気持ちも切なくて、橋でこすった制服の擦り切れた部分が彼の思いを物語っていました。

鳥のミルク

そんなモーニャから、ポーランドでおばあちゃんが作ってくれた鳥のミルクを事を聞き、鳥のミルクを作る香夜子。

幻の国に住む幻の鳥のミルクを手に入れたものがお姫様と結婚できるという物語からつけられた鳥のミルク。

チョコレートでコーティングされた白くてプルンとしたケーキのようなスイーツ。

レモン汁を加えた生クリームと卵白を泡立ててゼラチンを入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やしたのち、チョコレートでコーティングするポーランドの伝統おやつ。

 

どの章のおやつも食べたくなるものばかりです。

 

第六章 アイラと鶴子の麦代餅~京都のおやつ~

アイラと鶴子の出会いも、それぞれの辛い過去も書かれてあり、美味しそうなお菓子と彼女たちのつながりが(そういうことか)と分かってページをめくれます。

もう何年も使われていない竈を使うことで、よりおいしい料理を作ることができる。

手間を惜しまず作る姿に、(私にはできないな)と思いながら、けど食べてはみたいと読んでいました。

 

麦代餅(むぎてもち)

半月の形に二つ折りされた白いもっちりとした餅、その間には粒餡が挟まれています。

上には薄い褐色の粉がまぶされたそのお餅は、田植えの時期のおやつだったそう。

頑張って農作業した後のねぎらいのお祝い餅。

当時を思い出しながら語る鶴子さん。

口当たりがふわふわとした柔らかいお餅は、口に含むとしっかりした弾力があって中の粒餡が優しい甘さを引き出してくれる。

誰かの想いがつまったそのお菓子は、最高に美味しいんだろうなぁ。

そう思い、明日は小豆を炊いてみようと考えるのでした。

最終章 ル・トレゾール~みんなの宝物スイーツ~

今まで出てきたおやつの総まとめといった感じ。

それぞれ持ち寄った思い出の詰まったお菓子と親しい人たちとの食事は楽しいものです。

誰かの宝物になるようなスイーツ。

お菓子にはそんな不思議な力もあるんだなぁと思います。

健康の事を考えると、毎日のようには食べられないけれど、幸せな気持ちになるおやつ。

そんなおやつの時間はこれからも大切にしていきたいなと思いました。

 




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