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【ウエルカム・ホーム】老々介護を見聞きして思うこと 幻冬舎 丸山正樹

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老夫婦にとって、お互いの介護が必要になったらどうするか?ということはとても大切なことです。

身体が元気なうちはなかなか想像がつきにくいことですが、毎年年齢を重なる度に出来ることが1つずつ減っていき、同居人も介護が必要な場合どうしたらいいのでしょうか。

【ウエルカム・ホーム】あらすじ

派遣切りに遭い、やむなく特養老人ホーム「まほろば園」で働く康介。
体に染みつく便臭にはまだ慣れない。
それに認知症の人や言葉が不明瞭な人相手の仕事は毎日なぞなぞを出されているかのようだ。
けれど僅かなヒントからその謎が解けた時、康介は仕事が少し好きになり……。
介護する人される人、それぞれの声なき声を掬すくうあたたかな連作短編集。

『ウェルカム・ホーム!』丸山正樹 | 幻冬舎

【ウエルカム・ホーム】感想

自宅で老々介護

※エピソードはすべて私の経験を基に、旅先や知人の話風景などを交えて、再構成したフィクションになります。

 

身近な人に介護を必要とする人がいるか、介護の仕事に携わったことがないと、歳をとっても介護と言われても何をどうすればいいのか、分からないのではないでしょうか。

 

今まで当たり前に出来ていたことが、だんだんと出来なくなっていく恐怖。

 

本人はもちろん、それを目の当たりにする家族も不安でしかありません。

 

要介護が必要な80代の夫婦。

 

2人とも介護支援制度を受けています。

 

そんな2人の自宅での老々介護について考えてみます。

 

要支援2の妻

腰の手術と脊柱管狭窄症を患う80代の妻は、自身が歩くのに精いっぱい。

 

介護保険の申請し要支援2の状態です。

 

普段は外に出る事も少なく、歩く時は歩行器を利用し、介護保険は、買い物を頼んだり、お風呂の掃除や自宅でのリハビリに使用されています。

 

モットーは死ぬまで自立できること。

 

他人に迷惑をかけたくない気持ちで、出来るだけ自分の足で歩くことと、出来ることは自分ですることを心掛けています。

 

要介護2の夫

頸椎を怪我し、手足にしびれが残る。

 

お酒に目がなく飲んだ後そのままお風呂に入るため、今までに何度も救急や病院へ運ばれている要介護2。

 

自宅介護を希望と矛盾(妻の想い)

あ~今日も夫は、隠れてお酒をラッパのみしている。

 

こちらが、いくら注意しても四六時中監視しているわけではないのだから。

 

このままお酒を飲んだ後、また前みたいにお風呂で倒れられたら。

 

あれ以来、介護と看護の両方で来てもらっているけれど、相変わらず部屋に閉じこもり一日中椅子に座っている。

 

そんな状態で、また部屋で転んでもしたら…

 

前の晩も部屋でこけた夫を起こすため、こっちもふらふらになりながら、約3時間かけて起こすことが出来たところなのに。

 

自分もこけてしまってそのまま倒れたら…

 

本人に、救急車は呼ぶなと言われても、呼びたくなってしまう。

 

施設に入りたくないと言い張るなら、そうならないように自分の健康を考えてくれたらいいのに…

 

妻は思います。

 

あ~わたしより先に亡くなってしまったらいいのに。

 

他人に迷惑をかけてでも自然死がいいという夫。

 

最期まで自分の事は自分でしておきたい妻。

 

自立希望の妻と治療する気ゼロの夫のズレ。

 

妻はもし自分が先に亡くなったら…夫はホームに入れられる。

 

それだけはしたくない気持ちが分かるけれど、自分ではどうすることも出来ないやるせなさ。

 

夫がこれまでに倒れた回数、数しれず。

 

自分に厳しく、他人のために尽くしてきたのは良かったのだろうか。

 

人は理性だけでは動かないのは分かってる。

 

出来ることはやってもらいたい。

 

なのに…

24時間ヘルパーがいてるわけじゃない

ケアマネジャーさんがいても、困った時に駆け付けてくれても、仕事ではない時間やすぐに駆け付けることが出来ないことがほとんどです。

 

生活している限り介護に休む時間はありません。

 

【ウエルカム・ホーム】は特養老人ホーム「まほろば園」で働く康介が仕事を通して成長していくストーリーでした。

特別養護老人ホームとは

サービス計画に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護、その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行ってくれる所です。

 

要介護認定された方(要介護3以上)は、ケアマネジャーを通して、申込することができます。

利用施設料金が安いのに加え、施設の人手不足から受け入れはかなりの日数がかかると言われています。

 

この本を読んで印象的だった場面がいくつかあります。

 

印象だった場面:同じ光景でも

我慢強く、弱音を吐かなかった患者さんが、あえて注文したのには理由があったから。

 

担当でもないのに、患者さんの症状や状態を把握している職員と同じ光景を見ながら違うものを見ていたんだという所に気づく主人公に成長する姿があり、自分にはそういった内容に気づくだろうかと思いました。

 

忙しいとつい、機械的に言ったり行動したりするのではと思いました。

印象だった場面:からかい

職員たちが入居者たちをからかう場面。

 

お菓子を食べる時に、わざと取って食べてみたり。

 

冗談だよ。おやつのことになるとマジになるんだから。食い意地張ってんなぁ。

 

要介護3以上と言われる方々なので、認知症の方も多いです。

 

例えばおむつ交換の時に、

今日もいっぱいウンコしたなぁ

 

相手が分かっていないと思っているのか、わざと大きな声で平気で人がされて嫌なことを言ったりします。

 

私は介護をしたことがないので、介護をすることが、どれほどのストレスなのか想像がつきません。

かなりストレスが溜まる仕事ではあると思っています。

 

けれども弱者に対して優位に立つといった感じがして、読んでいて嫌な気持ちになりました。

 

安藤なつさんの解説にもありましたが、実際にもそういったことがあるそうです。

 

たとえ認知症であっても嫌な事を言われたり、されていることは、分かっていると思うのです。

 

人にはその人の生きてきた道があって人格があって、話せなくてもいろいろと考えている、羞恥心もあるということを、私自身忘れないでおこうと思いました。

 

印象だった場面:ターミナル

ターミナル・ケアは「看取り」ともいい、余命いくばくもないと医師に診断された方に安らかに最期を迎えてもらうための特別ケアのこと

 

家族が来てくれないときついよな。職員にだけ押し付けられてもなぁ

 

最期が近くても、すぐには駆け付けない家族。

 

遠方に住んでいる等、それぞれの事情があるけれど、そういうものとはなかなか割り切れないものもあって、難しいなと思いました。

 

老々夫婦や独り身になった時、状況によって最期を家で住みたいということは難しいかもしれません。

 

私にも80代になる両親がいます。

 

父親は家事が出来ません。

 

人それぞですが、私は出来るだけ本人の希望を叶えたいと思っています。


ですが本当に困った時は、特別養護老人ホームへの入居も検討にいれないといけないとも思います。

 

家族だから出来ない介護もあるからです。

 

いま、周りの人たちを見てきて思うことは、出来るだけ自分の事は自分でする。という気持ちでした。

 

どうしても仕方がない時は、他人の力を素直に借りるけれど、排泄処理や自分の足で歩くということ、自分の意見を相手に伝えること。

 

そういった当たり前と思われるようなことを、しっかりと出来るようにするには、日頃からの心がけなのだと思うのでした。

 

ウエルカム・ホームの本

 

 




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