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【ロンドン・アイの謎】あらすじと感想 シヴォーン・ダウド東京創元社

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閉ざされた観覧車のカプセルから、少年はどうやって消えたのか?

見知らぬ男にチケットを一枚譲り受けたテッド、その姉のカット、そして従兄のサリム。

テッドとカットは下で待つ事にし、まだ乗った事がなかったロンドン・アイに1人で乗り込んだ従兄のサリム。

一周しておりてきたカプセルにサリムの姿はなかった…

【ロンドン・アイの謎】あらすじ

*第3位『2023本格ミステリ・ベスト10』海外篇
*第7位『このミステリーがすごい! 2023年版』海外編
*第9位〈週刊文春〉2022ミステリーベスト10 海外部門

12歳のテッドは、いとこのサリムの希望で、巨大な観覧車ロンドン・アイにのりにでかけた。テッドと姉のカット、サリムの三人でチケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男が話しかけてきて、自分のチケットを一枚ゆずってくれると言う。テッドとカットは下で待っていることにして、サリムだけが、たくさんの乗客といっしょに大きな観覧車のカプセルに乗りこんでいった。だが、一周しておりてきたカプセルに、サリムの姿はなかった。サリムは、閉ざされた場所からどうやって、なぜ消えてしまったのか? 
人の気持ちを理解するのは苦手だが、事実や物事の仕組みについて考えるのは得意で、気象学の知識は専門家並み。「ほかの人とはちがう」、優秀な頭脳を持つ少年テッドが謎に挑む。カーネギー賞受賞作家の清々しい謎解き長編ミステリ! 
訳者あとがき=越前敏弥

ロンドン・アイの謎 - シヴォーン・ダウド/越前敏弥 訳|東京創元社

 

【ロンドン・アイの謎】作:シヴォーン・ダウド

1960年、ロンドン生まれ。オックスフォード大学卒業後、国際ペンクラブに所属し、作家たちの人権擁護活動に長く携わった。2006年、A Swift Pure Cryで作家デビューし、ブランフォード・ボウズ賞とエリーシュ・ディロン賞を受賞した。2007年に『ロンドン・アイの謎』を発表したが、わずか2か月後の8月、乳癌のため47歳で逝去。この作品はビスト最優秀児童図書賞(現・KPMGアイルランド児童図書賞)を受賞した。死後に『ボグ・チャイルド』が発表され、2009年のカーネギー賞を受賞している。遺された構想をもとにパトリック・ネスが執筆した『怪物はささやく』も、2012年にカーネギー賞を受賞した。

【ロンドン・アイの謎】訳:越前敏弥(エチゼントシヤ )

1961年生まれ、東京大学文学部卒業。英米文学翻訳家。ダン・ブラウンダ・ヴィンチ・コード』『オリジン』、エラリイ・クイーン『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』、フレドリック・ブラウン『真っ白な嘘』『不吉なことは何も』など訳書多数。主な著書に『翻訳百景』『文芸翻訳教室』『この英語、訳せない!』などが、共著に『シートン動物記で学ぶ英文法』などがある。

ロンドン・アイとは

ビッグ・ベンや国会議事堂などの名所を大観覧車で周ります。

一周約30分。32個あるカプセルには約25人の搭乗が可能。

カプセルはガラス張りで、頂上から下に降りる際北東にある記念写真用の自動カメラにて写真撮影があります。

晴れた日にはどの方角からでも40キロ先まで見渡せる。

夏季(6月~9月)10:00~21:00

冬季(10月~5月)10:00~20:00

年中無休

料金:大人17ポンド

The lastminute.com London Eye: The Official Tickets Website

【ロンドン・アイの謎】登場人物

テッド

12歳。

人の気持ちを汲んだり理解するのが苦手。

物事の仕組みについて考えるのが天才的で気象学の知識は専門家並。

カット

テッドの姉

テッドの事を想ってはいるけれどついきつく当たってしまう事が多い。

 

サリム

13歳。もうすぐ14歳

テッドとカットの従弟

父親はインド系で医者。名前はラシッド。両親は離婚している。

 

グロリアおばさん

サリムの母親でテッドとカットの母の妹

夫と離婚しシングルマザー。

転職を機にサリムとニューヨークへ行く予定。

 

【ロンドン・アイの謎】感想

最後にサリムがいた場所はなるほどと思いました。

 

テッドの話を聞いてあげて~と思いましたが、読者だから思うことで、きっと私がテッドのママでもパパでもカットでもグロリアおばさんでも誰であってもテッドに耳を傾けることなんて出来ないんじゃないかと思いました。

 

12歳のテッドは、はっきりとは書かれていませんが、訳者あとがきにてアスペルガー症候群ではないかと推察されています。

人の気持ちを考えるのは苦手ですが、観察力がするどい。

物事をよく見て深く考える天才肌。

そんなテッドの事を家族は温かく見守ってはいるものの、サリムが行方不明になった事で誰もテッドの話を聞こうとはしませんでした。

 

サリムが行方不明になって警察から連絡が入った。

その連絡とはアジア系の少年で、安置所にいるという…

 

テッドの父親が確認のため家を空ける54分についてテッドの心の中。

その54分は恐ろしかった。(中略)僕は、自分の人生のすべての日々が鎖のように長くつながっている様子を想像した。その鎖のどれぐらいまできているんだろう。まだはじまったばかりなのか、半分ぐらい来たのかそれとも終わりに近づいているのか。

私が印象に残ったのはこの部分。

行方不明になってから見つかるまでの時間はとてつもなく長くて家族それぞれの気持ちに胸が痛み苦しかったです。

テッドの気持ちがとてもよくわかる文章だなぁと思いました。

テッドだけではなく、家族皆が安否確認するまでは生きた心地がしないものです。

光が見えてこないトンネルの中で鎖につながれている姿を想像するテッドの頭の中を想像できた気がしました。

 

サリムに会うまでのテッドは生きづらさと孤独を感じていたのが、事件を解決していくにあたってカットの協力もあり、お互いに心が通じる所はいつもの親目線で嬉しい気持ちになりました。

親というのは、子供のどちらが可愛いというのではなく、それぞれが愛おしく、そして子供たちが仲が良いと嬉しいものだと私は思います。

 

自分達だけで行動するのは、親として恐ろしかったですが、思春期の娘と母親との対立場面は娘を持つ母親としてとてもよくわかりました。

父親の立ち位置は微妙ですが、しゃしゃりでる事なく、陰で支えている感じがしました。

イギリスでもある学校でのいじめや人種差別。

いつの時代になってもなくならないんだなぁと残念な気持ちになりました。

離婚した両親とのサリムの関係も微妙で、夫婦間、父と子、母と子、それぞれが向き合わないといけない事が今回の出来事によって見えてくるのでした。

それは、物語だけではありません。

「向き合う」ということに人は逃げてしまいがち。

すれ違いの連続や、相手の事を考えて言い出せなかったり、忙しくて周りを見ていなかったりと理由はさまざまです。

それでも、向き合える時間がある時は逃げずにしっかりと話し合うこと。家族だからと遠慮することなく、言いたい事を言う様にすること。

これが大切なんだと思います。

特に家族や親しい人の場合はお互いを思うことによって、相手に確認もせずに決めつけてしまってる部分があるかもしれません。

家族であっても1人の人間であって、親も夫の事も子供の事も自分と同じではないということ。

相手の立場にたって寄り添いながら生活する。

つい自分目線でみてしまうけれど、これは毎日意識しようと思います。

 

 




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