
月10万で暮らす。
会社を早期退職し、楽しく過ごしているキョウコですが、他人の目からするとなかなか快適には見えないようです。
色眼鏡はどこに行ってもあるものなのですね。
【おたがいさま】れんげ荘物語:あらすじ
有名広告代理店を早期退職したキョウコは、貯金を切り崩し、おんぼろアパート「れんげ荘」で、相変わらず月十万円で暮らしている。元住人で旅人だったコナツさんの新しい恋人とその子どものことを心配したり、折り合いが悪かった母親が倒れたり……といろいろ心配はあるものの、時には銭湯に通ったり、お隣さんとゆっくりお茶を飲んだりと、穏やかで自由な暮らし。そんなキョウコの一番の楽しみは、心の恋人・猫のぶっちゃんと散歩の途中で出会うこと──大ロングセラーシリーズ、第五弾。
時代が変わるにつれて、考え方も変わっていきます。
子持ちの男性と事実婚したコナツさんは、子供の戸籍が分かれた女性のままになっている事に対して無頓着。
こどもの事を思うとついつい色々と考えてしまうキョウコなのでした。
【おたがいさま】れんげ荘物語:作者群ようこ
1954(昭和29)年、東京都生れ。六回の転職を経て、本の雑誌社勤務時代にエッセイを書き始め、1984年『午前零時の玄米パン』を刊行、独立する。『トラちゃん』『鞄に本だけつめこんで』『膝小僧の神様』『無印おまじない物語』『ネコと海鞘(ほや)』『またたび回覧板』『飢え』『ヤマダ一家の辛抱』『ビーの話』『小美代姐さん花乱万丈』『きもの365日』『平林たい子伝 妖精と妖怪のあいだ』『かもめ食堂』『しいちゃん日記』『ぢぞうはみんな知っている』『おんなのるつぼ』『れんげ荘』『パンとスープとネコ日和』『おとこのるつぼ』『ゆるい生活』『じじばばのるつぼ』『うちのご近所さん』『子のない夫婦とネコ』など著書多数。
【おたがいさま】れんげ荘物語ネタバレ感想
キョウコはモヤモヤした気持ちになると、気持ちにケリをつけるため、隅から隅まで綺麗に掃除をします。
掃除の仕方
キョウコの掃除の仕方をご紹介。
ホウキでざっと履いたあと、半分濡らした雑巾で畳を拭きます。
その後から拭きよう雑巾で拭き上げる。
小さな部屋なので、これだけですが毎日でも小さな埃はつくのでした。
自立
コナツさんはアルバイトは続いているようですが、家賃は実家の義父に支払ってもらっているみたいで、まだまだ自立としては出来ていないようでした。
他人に対して、あの人はこうするべきだと考えるのは、大きなお節介である。どうしてそっちのほうを選択する?と首をかしげても、当人がそう決めたので仕方がない。冷たい言い方だが、「私の知ったことじゃない」と考えたほうがいいような気がしてきた。
実際には、コナツさんがなるべく平穏に過ごせるようにと願っているのだけれど、キョウコが描いたシナリオどおりに、コナツさんは動かせない。
これは、親子間であってもそうだと思います。自分の思うようにはならないものです。
会社や近所のおばさんなど、自分には何も関係がないのに、他人の話に首を突っ込み、「あの人はあんなことをしているから。こうすればいいのに」と噂話をする人はどこにでもいますよね。
キョウコは以前勤めていた会社にもそんな人がいることを思い出し、心苦しくなってしまうのでした。
そして、そういう事はしてはいけないと自分に言い聞かせ、外に気分転換しにいくのでした。
ダーニング
ダーニングという意味が分からなかったのですが、服にしみや穴が空いた部分を修繕する事をいうのだそうです。
修繕というと、野暮ったい感じがしますが、ダーニングと聞くとちょっとカッコよくオシャレに聞こえるのが不思議です。
母親になるということ
コナツさんからの連絡で子どもの籍の事を考えていることが分かりホッとするキョウコでしたが、夫の別れた元彼女の子どもに対しての考え方に対し怒りがこみあげてくるのでしたが、気持ちを落ち着かせることに精一杯でした。
私もキョウコと考えが似ているので、小説なのにキョウコと同じように腹がたっていました。
キョウコの母の死
施設で生活していたキョウコの母親が倒れそのまま亡くなります。
慌ててタクシーで病院へ向かうキョウコ。事情を察した初老のタクシーの運転手は違反ではないギリギリのスピードを出して走っていく姿を想像し、(こういう気遣いはいいなぁ)と思いました。
キョウコを思う兄夫婦をみていると、キョウコの事を心配しているのがよく分かり、改めてキョウコは幸せだと思いました。
母親が亡くなり、一緒に住もうと提案してくれるのでしたが、2人ともキョウコの本音を知る事までは出来ないのだと思いました。
人の気持ちというのは、言葉にしても態度によっても捉え方は違うので、難しいものだと思います。
それでもその人の事を四六時中観察しているわけにもいかないし、話たところで、本音を言ってくれなかったらよほどの人でないと、気持ちを分かってくれる人はいないのだと思います。
キョウコの思い
もしも施設に入って、キョウコを認識し、認知症でありながら、「今までごめんね」などと謝られたり、逆に罵られたりしたら、いったいどうしていいか分からない。自分に対してよくも悪くも角な態度をとられると当惑しただろう。母の頭の中では、娘のキョウコでない誰かになっているほうが、はるかに気が楽だった。
キョウコは、母親の思い通りにならなかったので、母親と距離をおきましたが、最期に母親が自分の事を分からなくなったままで良かったと思っています。
これも、人によってさまざまだと思います。自分の事を分かってもらいたかったと思う人もいれば、謝ってほしかったと思う人もいます。
どちらにせよ、後悔のないようにお互い生きている間に出来る事があるならば、自分の思うようにするのが大事なんだと思いました。
チユキさんの結婚
お隣に住むチユキさんも事実婚をします。れんげ荘と山での生活で大変そうですが、本人同士が良くても周りの目というのは難しいものです。
じっくり話してみないと、本当の事は分からないし、都会や田舎だから良い悪いとかではなくキョウコたちのように、困った時はおたがい助け合うけれども、土足で上がり込むのではなく、自分の生活を楽しむという事はなかなか難しいものだと感じました。
マンションのオーナーもたいへん
両親を早くに亡くし祖父と暮らしていたチユキさんの為に祖父が残してくれたマンションの一室。その家賃の収入やアルバイトでれんげ荘に住んでいるチユキさん。
そのマンションですが、最初は友達に貸していたら、家賃滞納のまま夜逃げされ、次に借りた住人は子どもが大きくなるにつれて、そこいらじゅうの壁へのいたずら書き、物を投げたりぶつけたりしたときに出来た壁の破損や床の傷がひどすぎる状態となっていました。
あまりにひどいので、不動産屋さんからの連絡により次の契約更新の件やマンションの修復工事などの件で戸惑うチユキさん。
お金が絡むことなので、ここはプロに任すと同時に大切な祖父が残してくれたマンションをしっかり守るべく言うべき事ははっきり言うようキョウコは思うのでした。
不動産経営も簡単そうに見えて結構ドロドロのようで嫌だなと思いました。
幸せなキョウコ
お隣のクマガイさんがキョウコに幸せそうだと言います。
理由は、「うん、私は見ていてそう思う。ここにくるまではいろいろな事があったのだろうけれど、それをすっぱり切り離せたじゃない。世の中の多くの人は、いやだと感じていても、切り離せないのよ、ふつうは。いやだいやだと思いながら、毎日を過ごしていて、それが溜まって顔つきに出ちゃうのよね。あなたはそれがないもの。私も会社を辞めたいとか離婚したいとか、何人もの人に相談されたけれど、その後、会社も結婚もやめた人は1人もいなかったわね」
本気で思う人は、相談なんかしないで、スパッと思い切る。結局ぬるま湯に浸かりすぎてそこから抜け出せないでいるんですよね。いつもでもぬるま湯に浸かって文句を言い続け、一生を終えてしまう…
今の生活水準をどこまで絞れるか。生活水準を落とすという事はなかなかできるものではないのかもしれません。
子どもが邪魔と思う母親
コナツさんは事実婚である夫の子どもが夫の籍に入ることが出来た事をキョウコに報告します。
キョウコ「それにしても彼をうんだ元カノは、よく平気でいられるわねぇ」
コナツさん「自分の生活のなかで、今の恋人がいちばん大事だからじゃないんですか。私も気持ちは分からないでもないですけど」
キョウコ「えっそうなの?」
コナツさん「もちろん私はそんなことはやりませんけど、ヨシヒロくんが邪魔なんだろうなとは思います。(中略)」
キョウコは母とうまくいっていなかったけれども、少なくとも、小さくころは自分を可愛がってくれたことは分かっています。成長するにつれて母からの要求が強かったからです。
キョウコは出産した経験はないが、それでは母としての子どもに対する気持ちなはいのだろうかと不思議でならなかった。
(中略)
考え方を変えれば、母はキョウコを自分の所有物のように考えて、思い通りにしようとしていた。無視をするのとは逆で、子供に期待と執着を持ち過ぎていた様な気がする。しかしタカダさんの元カノは、自分の産んだ子供を無視しようとしている。
その感覚はキョウコには理解できなかった。
子どもを思う母親の気持ちも人によって違うということなのですね。
ぶっちゃんとの再会
飼い主さんとのお散歩するぶっちゃんを密かに待ち望んでいるキョウコ。
ついにその時がやってきて…
「もしよろしかったら遊びにいらしてください」
キョウコにとって最高の言葉が飼い主さんから発せられたのでした。
次回はどうなるのでしょうか。
「れんげ荘」との出会い☟
jibunnnoikikata.hatenablog.com
なぜ働かないのかその理由とは☟
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