
何でもできる母親に育てられるとちょっとしんどい。
させてもらえない、やってもダメだし。そして諦め。
無意識にそう仕向けられてていたのに、それに気づかないまま結局「やっぱり私がいないと」って思わせる。
そんな風にはなりたくない!!
そう思ってしまうあなたへ
【今日からお料理はじめました】あらすじ
読んでいるとお腹がすくけれど、お仕事とお料理小説は面白い。
苦手な料理をがんばってみたら、知らない自分が見えてきた。
社会人2年目で独り暮らしを始めた渚は、完璧な母親にいつも先回りされてきたからか、ゆで玉子すらおいしく作れない。職場でも機転の利かなさを実感するばかりで、仕事人間になれるとも思えない。そんな中参加したBBQで「鍋の中を覗いてみたら?」と言われ衝撃を受ける。
そうか、料理も仕事も、実際になにが起きているか自分の目で確かめなくちゃ。
迷える女子が自分なりの生き方を見つける、お仕事×お料理小説!
【今日からお料理はじめました】感想
なんでも器用にこなす母親に大切に育てられた渚(なぎさ)は食べることが好きだけれど、料理ができない。
そんな自分が嫌で、1人暮らしを始めたものの、手料理が食べたくて時々実家に帰ってくる。
そんなことまでお見通しの母を疎ましく思う渚。
勇気を出して自分の気持ちを言ってみるものの、感情に流されず、秒速で処理されるのでした。
恐るべしAIマザー。
勤務先の郵便局では、仲のいい先輩たちと料理ダメ女子の会話で盛り上がる。
少々や一つまみの意味が分からないとか、お好みの量が分からないとか。
そして渚は何でも出来ちゃう鍋「ポットマジック」を買ってしまったのでした。
ところが、使用したのは最初の2回のみ。あとはコンビニや外食。
実は、料理出来ない女子全員がポットマジックを買ったことがあるのでした。
料理ができない人に必要なのは「道具」じゃない。
ポットマジックは高い勉強代にはなったけど、分かったことで良しとする渚。
本社の社員食堂が閉店したから研修時の社員食堂に行く渚。
私なら、そこまでして社員食堂にはいかないなと思ってしまう。
けど、それがきっかけで誘われたBBQ。
そこで見た物全てが渚にとってプラスになることばかりでした。
カレー好きの私は、ルーを使わず、スパイスを潰すところから作る本格的カレーがとても気になりました。
肝心の相談事も、渚なりに考えていくところも私だったらどうするかと一緒に悩みました。
そういえば、この小説には嫌な相手がいないホワイトな会社だなと恵まれた環境にいる主人公はラッキーだと思いました。
料理小説を何冊か読んでいますが、料理を作る人は相手に喜んでもらいたかったり、体に気をつけていたりと、相手を思いやる気持ちが出あるので、人に対して嫌な感じにはならないのかなとも思いました。
ここでは母親の支配下にある娘のあのなんとも言えない気持ちはありますが。
母親というものは、結局何歳になっても子供のことを心配するので、扱い方は違いますが、現実も小説も、子どもの気持ちはよく似たものだと思います。
渚はとてもしっかりしているので、早くに気付き母親と勝負にでる。
それは周りの協力があり頼りながらも、しっかりと向き合い自分の道を進むところが渚の良い所だなと感じます。
「私にできることはないですか」
この言葉をかけられたらうれしい。
自分でも考えながら、相手にも聞けるところも素直にいいなと思いました。
普段何気に見ている風景も、良く見て考える。
それは、人にも食べ物にもすべてに共通していることで、忙しさを理由に見て見ぬふりをするのを辞めたら見えてくるものが多い気がします。
ママの価値観から逃れられない。ママに認められたいと思う自分がいるのは結局自立していないということ。
こうやってもがく姿は自分や自分の子どもを見ている様に思いました。
育ててくれたことには感謝するけど、それとこれとは別。親子でも価値観、人格、言論の自由は守らなきゃ
参加したBBQで「鍋の中を覗いてみたら?」と言われてから自分なりの生き方を見つけることができるのでしょうか。