
人生、仕事、結婚に迷った時、こんな食堂があったらつい入ってしまいたくなる。
そんなお店のお話です。
牛スジ、ねぎま、トマト、蟹面や牡蠣のカレー煮。
自分で作れるように、巻末にレシピも付いています。
様々な悩みを聞いてくれる聞き上手の女将はいつの時代にも必要なんですね。
【婚活食堂】あらすじと感想
牛スジ、葱鮪、トマトといった名物おでんや牡蠣のカレー煮、蒸しイチジクの甘味噌がけなどの季節の小料理……東京・四谷の「めぐみ食堂」は、女将の玉坂恵が一人で切り盛りするおでん屋だ。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は"見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客らと接するうちに、"男女の縁”が見えるようになって――。心もお腹も満たされる、大人気人情小説シリーズ。
【婚活食堂】おでん屋の女将
四谷のしんみち通りにあるおでん屋「めぐみ食堂」の女将。
実は、昔名の知れた占い師として活躍していました。
事情があり、見えていたものも見えなくなったのですが、新たな力が芽生えて、人との縁を大切にしていくよう、そっと見守っています。
「婚活食堂」での様々なカップルたち
医療事務31歳女性×貸しビル業会長70歳男性
男性はセレブ、女性は美人ばかりの結婚相談所で出会った2人。
恵には男性の背後に不吉な影が見えてしまうのでした。
シングルマザー50代後半女性×医学療法士30代前半男性
めぐみ食堂で出会った2人。
常連客でシングルマザーの娘の結婚が決まり、そこから男性の背後にオレンジの光が見え始めて…
オレンジの光は幸せが見えるということ。
相手はなんと…
コミュ障美女27歳女性×2人の子持ち&母親付男性50歳
めぐみ食堂の常連の母親が娘のコミュニケーション能力を向上させたい為、恵のアドバイスで銀座クラブのホステスに。
そこで出会った男性は…
【婚活食堂】感想
「愛とか欲とか執着とか、情が濃すぎると邪魔をして視界が遮られる。」
占い師が自分の身の周りのことは分からないのはそんな理由があるのだとか。
そういわれたら、家族等、大切な人を見失ってしまうのは、情が深すぎてかえって大切な事を見失うのかもしれません。
おでん屋を始めた恵はたくさんの人から、日頃のグチや話を聞いています。
私だったら、思わず「やめとき」などと言いそうになりますが、そこはグッと思いとどまる恵。
そういう聞き上手な人ってどうやってストレスを発散しているんだろう。
恵の場合は食事を提供し、人と人とのつながりを大切にしているので、その人が幸せになると嬉しくなるのがストレス発散なのかもしれません。
私に必要なのは、待つ事。
人間関係すべてに共通するのは、聞き上手、褒め上手。
相手との会話でどう答えれば相手が喜ぶのか、どうやって相手の良さを見つけられるのか。
人間関係で大切なことだなと思います。
母に愛された女という章では、シングルマザーに育てられた1人娘が母を思う気持ちと母が娘を大切に思う気持ちが描かれていました。
咲子は芽子から注がれる愛情を堪能し、遂には食傷してしまったのではないだろうか。
愛情はあればあるほど良いと思っていたのですが、実はそうではないのかもしれないと思いました。
大人になれば本人の意見を尊重し、1人に人間として対等に接すること。
それが大切なんだと思います。
そして1人で悩まないこと。
誰かが発するちょっとした言葉が響くこともあります。
自分の居場所は複数持っておくといいということも大切だと思いました。
あなたは自分が努力して愛する人を幸せにしてあげたい人なのよ。そうすることに生きがいを感じる人だったのよ。ところがあまりにも恵まれた環境に生まれ育ったので、自分の真の姿に気づく機会に恵まれなかった。
お金持ちの家に生まれ何不自由なく育った美人女性。
結婚が決まらない理由を当てられ腑に落ちます。
こんな風に自分の胸のうちをズバリ言葉で当ててくれる人、それが「めぐみ食堂」なんです。
人は何かを手に入れるためには、何かを諦めないといけないの。
あれもこれも欲張って手に入れることは出来ないんですね。
何かを手に入れるためには、何かをあきらめる。
覚えておきます。
めぐみ食堂の女将は自分の力をお金儲けではなく、人の幸せに使っています。
それを応援してくれる周りの人も素晴らしい。
こんな食堂、やっぱりあったらいいな。そう思いました。