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【地獄の底で見たものは】あらすじと感想

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タイトルとイラストから(面白そう)と思い手にとりました。

どん底まで落ちたら怖いものはなくて、何でも出来てしまうのかもしれません。

どん底に落ちた女たちの、新たな人生の切り開き方が気になりませんか?

 

【地獄の底で見たものは】あらすじ

離婚、クビ、収入ゼロ……。
もう、だめかもしれない。
そこからも、人生は続く。
日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる!

『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。

長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。
新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。
ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。
22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリーアナウンサー

 

 

『地獄の底で見たものは』桂望実 | 幻冬舎

 

【地獄の底で見たものは】感想
【地獄の底で見たものは】1章 53歳で専業主婦をクビになる

伊藤由美(いとうゆみ)は28年間専業主婦で趣味は家庭菜園。

子どものころから争いごとが苦手な彼女は、ことあるごとに我慢することを選んで生きてきました。

1人娘の遥(はるか)は結婚し、夫と子どもの3人で隣県で暮らしています。

夫の雅規(まさのり)は結婚当時から無口で仕事から帰ってもほとんど会話なし。

キャリアウーマンの友人には、「老けたね」と言われ、夫との会話もなく悶々とする中、ある日突然夫から、「離婚して欲しい」と告げられるのでした。

どん底に落ちたものの、その後が思っていたよりもトントン拍子に上手くいきすぎて、(そんなにうまくいくかなぁ)と思う部分もありますが、周りの人々が良い人たちでもう仕事ってそれだけで、天国か地獄か決まったようなもんだなと思いました。

それでも、出会う人たちや考え方を少し変えるだけで、人って変わるものだなと言う事は分かります。

グチや誰かのせいにするのではなく、自分が変わらないといけない事は、どの本を読んでも同じですが、人の本音が作者によって書き方も違うし、色んな人の心の中の気持ちを読むのが、自分の中の1人に当てはまって楽しめます。

 

【地獄の底で見たものは】2章 51歳でこれまでの働きぶりを全否定される

足立英子(あだちひでこ)51歳ウエルカムトラベル第三事業部部長。

イデアと丁寧な仕事で取引先や部下からも慕われています。

一方、英子の二期下の内田輝昭(うちだてるあき)は社長に媚びまくり、英子を出し抜いて第一事業部長から取締役に就任。

納得いかない英子でしたが、夫や娘に背中を押され、会社を辞め起業することに。

訪日客を相手に体験ツアーのアイデアを出していく姿がワクワクさせられました。

人生には困難が降りかかってばかりですが、その先には必ず幸せになるチャンスがあるという所はポジティブになれます。

 

私がいいなぁと思った所は、娘の結婚の際、娘とその夫との考え方の共通点は多いけれど、全く違う点もあるところ。

特に努力すれば夢がかなうと思っている相手と頑張ってもどうにもならないことはあると思っている所は、相手を全て理解するものではなく、そういうものだと思うのが一番だと思います。

 

そしてラスト。

パターンとしては、途中散々イライラさせながら、最後にスカッとさせてくれます。

 

【地獄の底で見たものは】3章 46歳で教え子の選手に逃げられる

大野邦子(おおのくにこ)はオリンピックでメダルを逃し4位で終わってしまいましたが、現在オリンピックを目指す君島鉄平(きみじまてっぺい)をスイミングスクールで指導しています。

 

鉄平は大学二年生。小学1年生から、教えてもう13年になります。

 

ですが、邦子の熱心な指導は鉄平には届かず、ライン1つで別のコーチの元でやっていくと言われてしまいます。

 

自分が思う以上にショックだった邦子。

実は邦子は10歳の時に、両親が離婚。

父親についた邦子は母親が亡くなるまで会う事はなく、35年ぶりに対面した母親を見てこんな風に老けていくのかと母親の若い頃の記憶しかなく、母親との関係は自然消滅だったのに、鉄平の別れはそれ以上に応えてしまったのでした。

 

ショックを受ける邦子でしたが、得たものもありました。

 

相手に合った指導の仕方、人にはそれぞれ個性と才能があるということなどを学びます。

そんな時、糖尿病を患う水泳選手拓也と出会い…

 

相手に何かを伝えたい時、一番いい方法

相手を知ろうとする。なにが好きで、なにが嫌いで、物事をどういう風にみて、どう考えて、どう感じるのかを探る。そうすればどういう伝え方だったら、その子に届くかを推測できるようになる。そうやって見つけた伝え方を試してみて、ダメだったら別の伝え方を探してみる。その繰り返し。

このセリフは好きだなぁ。

私は相手の事を知ろうとせず、自分の価値で相手を決めつけていたかもしれません。

邦子と同じように、気づけて良かったですが、気づいたのが遅かったのでとても難しいです。

【地獄の底で見たものは】4章 52歳で収入がゼロになる

田尻綾子(たじりあやこ)はラジオ局のパーソナリティーを22年勤めているベテラン。

 

彼女の難点は、正直すぎて嘘がつけないこと。

真面目すぎるんですよね。

 

そんな彼女は、番組のチーフディレクター菅家博政(すがやひろまさ)からある日突然クビを告げられショックを受けます。

 

しかし、実際は彼がそう仕組んだことなのでした。

 

真実を知る綾子。仲間だと信じていただけあって、ショックもありましたが、立ち上がっていく所は女性としてカッコいい。

人あたりが良い綾子は、周りの協力もあり、自分で道を切り開いていくのですが、ウグイス嬢でのアドリブが入ったその言いかたは思わず、(ふふふ)と思えるくらい。

 

そして、言葉で人は良いも悪いも胸に突き刺さり、受け取り方でまた印象が違うということも改めて思いました。

 

あと、社長や弁護士の方たちは多くの人と会い、いろんな人の話を聞く機会が多いですが、みな沢山の経験をし、私だけじゃないと思うということ。

 

そしてそれで心が軽くなるということ。

 

話す。誰かに話しを聞いてもらうというのは改めて大切だと思いました。

 

ただ聞いてもらいたいこと、正論だけでは商売は上手くいかないこと、したたかになること。

 

ちょうど、友人が正論で論破する夫にイラつくと言っていたので、ものすごく友人の気持ちが分かりました。

 

こちらも、最後はスッキリします。

 

したたかに頑張ることは決して悪ではありません。

 

 




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