
暑い季節になると、思い出す本があります。
オレンジ色の表紙に白で描かれた沢山の花の真ん中に振り返ってこちらを見ている牛。
口には花をくわえています。
その牛のなんともいえない目がとても可愛らしい。
【はなのすきなうし】
こちらの主人公「ふぇるじなんど」くんは闘いよりも花が好きな子牛のお話です。
世間の風潮に流されない主人公のお母さんのような大人がいると、こどもたちはのびのび出来るのかもしれません。
【はなのすきなうし】のあらすじとネタバレ感想
マンロー・リーフ 文/ロバート・ローソン 絵
光吉夏弥 訳 岩波書店 1954年
はなのすきなうし
オレンジ色の表紙の真ん中に一頭の牛。
その牛がひょいっとこちらを向いてるのがとても愛らしいです。
よ~く見てみると、一輪のお花を加えてるんです。
おなまえ?
「ふぇるじなんど」くんです。
スペインの牧場でのんびり暮らしてる「ふぇるじなんど」くん。
ほかの子牛たちは、やんちゃでまいにち飛んだり跳ねたり戦いごっこをしています。
あれ?
「ふぇるじなんど」くんは?
ちゃんといますよ!
ほら!
花の香りを嗅いでうっとりしているあの子です。
ひとりぼっちの「ふぇるじなんど」くん
あ~いた!いた!(良かったぁ)
なんか気になるんですよね。
独りいつも座ってて、大丈夫?って思ってしまいます。
「ふぇるじなんど」くんは、いつもひとりくさのうえにすわって、しずかに花の匂いを嗅いでいるのでした。
彼にはお気に入りの場所があっていつもそこにすわりに行きます。
大きなコルクの木の下は木陰になって涼しくて気持ちが良いんですよね。(きっと)
母さん牛はそんなわが子(牛)を心配します。
ひとりぼっちで寂しくないのかなと心配なのでした。
(友達もいないし大丈夫と親なら心配しますよね)
お母さんは彼に「どうしてほかのこどもと一緒に飛んだり跳ねたりしてあそばないの?」
そう聞きます。
「ふぇるじなんど」くんのすきなこと
なんのことはない、彼は一日中ひとり、花のにおいを嗅いでいるのが一番「好き」なんです。
「ふぇるじなんど」くんは自分が好きな事が分かっていました。
自分が好きな事ってなかなか見つけられないのかもしれませんね。
どうしても周りと比べたり、周りが楽しそうだと自分は好きでもないのに、無理に好きな振りをして楽しんでいるふりをしているだけなのかもしれません。
お母さんは、彼がさびしい思いをしていないと分かりました。
そして彼を好きな様にさせていました。
お母さんの対応が素敵ですよね。
年が経ち、「ふぇるじなんど」くんはどんどん大きくなりました。
同じ牧場で一緒に暮らしていた他の牛たちも大きくなり、一日中頭をぶつけあったりして暮らしていました。
彼らは「マドリードの闘牛」で戦ってみたいからです。
けれでも「ふぇるじなんど」くんはあいかわらず大好きな木陰の下で大好きな花の匂いをかいでいました。
闘牛なんて興味が全くないからです。
そんなある日牧場に5人の男たちが、マドリードの闘牛に出す牛を選びにやってきました。(なんか嫌な予感がします)
牧場の牛たちは、自分が一番強いんだ!!と思われるように、男たちの前でかっこよく暴れまわっています。
自分が選ばれるために必死です。
「ふぇるじなんど」くんは自分には関係がないと思っていましたので、いつものように木陰でのんびりと過ごしていました。
そしたら。
「ふぇるじなんど」くん刺される
下をよくみていなかったので、くさの上にくまんばちがいると気づかないで座ってしまったのです。
さぁ、大変。
くまんばちは、これでもか!!という位に「ふぇるじなんど」くんめがけておしりを刺したのです。
「いたい~!!」
私はくまんばちに刺された事はありませんが、何もしてないのに、いきなりおしりに大きな注射を打たれたイメージになりました。
そして「ふぇるじなんど」くんもあたまをふりたて、じめんを蹴散らせて暴れます。
闘牛にえらばれる
5人の男たちはその様子をみていました。
そして「彼」こそが闘牛にピッタリだと思ったのです。
こうして「ふぇるじなんど」くんはマドリードへと旅立ったのです。
いよいよ大闘牛の日。
闘牛場にはこの日の為におめかしをしたり、楽しみにしている人達でいっぱいです。
ラッパの合図とともに、まずは闘牛士たちの入場です。
するどい剣を持った人達が入場します。この件で牛をついて牛を怒らせるのです。
次にやってきたのは、長い槍を持った人たち。
この槍で牛をついてもっと、牛を怒らせるのです。
最後は大闘牛士の登場。
赤いマントを羽織ってあとから少年が剣を持ってついてきます。
とどめを刺す剣です。
そして牛の登場。
「ふぇるじなんど」くんの登場
そう、あの「ふぇるじなんど」くんです。
誰よりも苦手な争いと戦いの場です。
さぁ、この後「ふぇるじなんど」くんはどうなってしまったのでしょう。
「ふぇるじなんど」くんの最後(ネタバレ)
「ふぇるじなんど」くん、闘牛場の真ん中に来て座ると、見物客のご婦人たちが飾りにつけた花の匂いをゆっくりとかいで、うっとりとしています。
いざ、戦いとなると最初はビビッていた闘牛士たちですが、「ふぇるじなんどくんの」うっとりとした姿にイライラします。
どうなに煽っても、「ふぇるじなんど」くんはびくともしなかっのです。
ただ自分が好きな花のにおいをかいではうっとりしていたのですから。
こうして「ふぇるじなんど」くんはものいた牧場に戻されることになりました。
そして、また大好きな木陰の下でのんびりゆっくりと大好きなはなのにおいをかぐことができたのでした。
「ふぇるじなんど」くんはとてもしあわせでした。
どこに行ったって「ふぇるじなんど」くんは「ふぇるじなんど」くんなんですね。
自分の好きなことを好きなようにする「ふぇるじなんど」くんがなんともかわいいです。
スペイン・マドリードってどんな所?
そんな「ふぇるじなんど」くんが一度は行った事があるマドリード。
そんなスペインのイメージがどうしても闘牛とひまわりの花になってしまいます。
だからこの本は暑い夏の感じなんです。(あくまでもわたしのイメージです)
スペインの中心に位置する首都・マドリードは、ピカソのゲルニカやゴッホ、ダリなど著名な作品を有する美術館が数多くあります。
歴史ある建物に囲まれた絵本の世界のようなマヨール広場に、スペインの国技である闘牛を観戦することもできます。
闘牛士は、勇敢なスペイン男性という意味なんだそうです。
ラス・ベンダス闘牛場
ラス・ベンダス闘牛場では、スペインの国技「闘牛」を観戦することができます。
チケットは窓口でも購入できますが、インターネットでの事前予約がおすすめです。
座席は日向、中間、日陰の3つに分かれていて、料金もそれぞれ異なります。
闘牛は、リハーサルなしの命を懸けた一発勝負。
時間内に闘牛を仕留めようとしますが、時に牛の攻撃を受け負傷することもあります。
生死をかけた迫力のある戦いは、ぜひ間近で体験したいエンターテイメントです。
マヨール広場
マヨール広場は15世紀の終わり、町で最も賑わっていた市場に建設されました。
広場の中央には、スペイン芸術が躍進した黄金時代を築いた、フェリペ3世の銅像が鎮座します。
広場への道を繋ぐ見事な9つの門も必見。
隣のサンミゲル市場では食べ歩きも楽しめます。
アクセス方法は地下鉄ソル(Sol)駅から徒歩5分です。
闘牛のシーズン
闘牛の開催シーズンは、3月から10月中旬までです。
各地でお祭りがあるときには、国技でもある闘牛が行われるんですね。
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