
他人と過去は変えられません。
どうしようもできないのです。
今、自分を救ってくれる人は目の前にいる。
幸せの青い鳥のように探していたものは、いまここにあるものだと思います。
【ありか】あらすじ
「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」
主人公の美空は、化粧品工場でパートをしながら5歳になる娘ひかりを育てている26歳のシングルマザーです。
母との関係に悩みながら、ひかりとの日々を大切にしていました。
離婚した後も美空の力になろうとする義弟颯斗、ママ友との関係。
生活の変化を描いた美空とひかりの1年間の物語です。
【ありか】感想
表紙から優しい温かい感じがする本だなと思いました。
登場する周りの人たちが温かい。
彼らを見ていると人っていいなと思います。
今、子育てに苦しんでいるママ達に届けたい希望の本。
美空の母親は育てたことを恩に着せ、美空にお金を要求してきますが、そんな美空を義弟の颯斗は、そんな美空とひかりに週に一度、ひかりを保育園に迎えにいったり、夕飯を準備し一緒にご飯を食べるといったことで、寄り添います。
以前の私は(本当に親が子どもにお金を請求なんてするのかな)と思っていました。
それが、実際にそういった人たちの話を聞いているうちに、彼らと価値観が全く違うということ、人は価値観、育った環境がいかに人生を左右され、自分軸が大切かを学びました。
例えば知人の場合、若くして結婚した相手はまだ安定した職がありませんでした。
義両親は働かず、彼女の収入をあてにしていました。
彼らに毎月仕送りをし、生活を切り詰めながら1円でも多く貯金をしている間、義両親は働かず、旅行ざんまい。
亡くなるまでお礼の1つもなく、挙句の果ては、必死に働いている彼女の前で「俺ら、日本で行ってない所ないよな」と平気な顔をして言われたそうです。
「あの時はどんな気持ちで聞いたか分からない」と言った彼女の気持は、計り知れません。
【宙ごはん】にも寄り添ってくれる男性がいました。
ただ、颯斗の場合、恋愛対象は女性ではないので、2人を純粋に義姉と姪として見てくれています。
jibunnnoikikata.hatenablog.com
3人のいい関係はひかりが小学校入学する前の冬まで続き…
子どもは誰にとっても大切な存在です。
血がつながっていなくても、親じゃなくても、見守ってくれる人がいるということが大切だと思いました。
「ありか」というタイトルも自分の居場所について考えさせられます。
理想の母親って何だろう。
これは子育てだけではないと思いますが、1人で悩まず、抱え込まず、誰かに頼ることって大切なんだよって思いました。
【ありか】の好きなセリフ
大人になってから、母親はマイペースで自分が大事な人なのだと気づいた。
自分が年を取れば取るほど、母親がどんな人間なのかがわかっていく。
本当にそう。
あの時の母は、こんな気持ちだったのだとか、こういう性格上、当時あんな事を言われたのかなど。
子どもの頃分からなかったことも、今では母の性格を理解したうえで、適当に流しています。
今までのモヤモヤも、腹が経っていた事も全部自分がやってみて理解出来、受け入れ感謝出来る。
そしてまた、自身も同じように子どもたちにやってしまっている自分がいます。
ひかりは私を一番不安にさせ、そして、一番私の心を和ませてくれる。
人生は誰のものでもなく、自分のもの。
そして、大切で守る人がいるから心配で不安になり、また一緒にいるから楽しくて、人生を豊かにしてくれている。
そんなしあわせを改めて感じられる本でした。