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終わった勉強会は、きっちりと畳もう

もう半年も前のことだが、ひとつの勉強会を畳んだ。

PaaS勉強会というもので、2011年に始まって13年ほど続けた勉強会だ。

paas.connpass.com

これほどまでの期間続けた勉強会を、何故クローズすることになったのか。

先に書いておくと、モメたなどのネガティブな理由でクローズしたわけではない。なんならクローズする必要もなく、ずっと箱を残しておく選択肢もあった。にも関わらず、あえてクローズするという選択肢を取ったのは、きちんとクローズする意識を持った方が何かとメリットが多いのではないかと考えたからだ。

どういう勉強会だったのか

PaaS勉強会がどういう勉強会だったのか、せっかくなので軽くまとめておきたい。

PaaS勉強会は、その名の通りPaaS(Platform as a Service)に関する勉強会だ。元々はオープンソースのPaaSであったCloud Foundryのソースコードを読むという「Cloud Foundry輪読会」として2011年に発足した。

togetter.com

当時はPaaSの黎明期で、HerokuやGoogle App Engineなどの商用プラットフォームだけでなく、Cloud FoundryやOpenShiftなどのオープンソース実装も生まれつつあった。その後、paas.jpというドメインが偶然にも取れてしまったことをきっかけに、PaaS関連技術について幅広く取り扱うPaaS勉強会と改名した。

参加者数は10人から20人程度とそれほど規模が大きい勉強会ではなかったが、2014年の9月に日本で初めてKubernetesを取り上げて以降は注目されることも増え、100人を超える回も出てきた。

www.publickey1.jp

活動の収束

しかし2018年頃、PaaSの要素技術であったコンテナのほうに注目が集まるようになってからは、主催・参加者ともに興味の先が変わってきた。

技術面においてもKubernetesのような広く支持されるプラットフォームが登場したこと、使う側も必要な機能についての解像度が上がってきたことから、従来のPaaSのようなOpinionatedな仕組みよりも、柔軟にカスタマイズできるBuilding Blockのほうが好まれるようになってきた。

技術の推移は最終回の資料にまとめてあるので興味のある方は読んでいただきたい。

speakerdeck.com

このような興味や技術面の変化により、勉強会の開催頻度もだんだんと落ちていった。そしてコロナ禍でオンライン回を何度か行ったもののかつての盛り上がりを取り戻すことはできず、自分の中での優先順位も下がっていった。

活動が落ちた勉強会をどうするべきか

このような経緯を辿る勉強会は特に珍しくないだろう。特にデータはないが、世の中の9割5分の勉強会はだんだんと開催頻度が落ちて、過去の存在になっていく。

だが、多くの勉強会は「終わった」わけではない。「誰もやらなくなった」状態なのだ。

終わりを宣言しないので、単に長期休止中なのか、開催スパンが変更になったのか、それとも本当に誰も関与しない状態なのか、外からは判断が付かない状態なわけだ。

終わらせないことによる弊害

自分は2023年から、Platform Engineering Meetupという勉強会を開催している。PaaSに代わって現在注目を浴びている技術分野だ。ハイブリッド形式で開催しており、毎回数百人を集める人気の勉強会となっている。

こちらのほうに力を割きつつも、関連カテゴリであるPaaS勉強会のことをふと思い出すこともあった。そして、何となく思ったのが「この勉強会を放置することが何らしかの弊害をもたらしてはいないだろうか?」ということだ。

PaaS勉強会を放置していること対して特に苦情は上がっていなかったし、おそらく誰も気にとめていないだろう。弊害なんてのもおそらく大げさすぎる表現だ。

でも、世の中は広い。もしかすると自分以外の人がイベントをやりたいと考えている可能性はゼロとはいえない。もしそうなったとき、やるのかやらないのか分からない箱のが残り続けていることが、邪魔になったりはしないだろうか。

誤解されないように書いておくが、誰がどんな勉強会をやろうとも自由だ。仮にアクティブな勉強会があったとしても、気にせず内容が被るイベントやっていい。誰もそれを邪魔する権限は持ってない。商標を取るなんてナンセンスなことをするやつが居ない限りは

そうはいっても、やはり内容が被るイベントが存在すると遠慮してしまうところはあるだろう。そうなると、放置している箱がマイナスの影響を及ぼしているということになる。

また、主催者としても、ことあるごとに思い出しては「そういえばあの勉強会どうするかな・・・でもネタも無いし、今は無理かな・・・」なんて考えて、再び心の中に押し込む。微々たる物ではあるが、ムダに脳のリソースを使っているわけだ。

じゃあ、スッパリと終わらせよう。

終わらせるためにやったこと

終わらせるために、次のようなことをやった。

関係者への共有

この勉強会はそれほどしっかりした運用体制ではなく、自分の気分で開催してきたことが多かった。が、自分と近しい人たちにコアメンバーとして参加してもらい、運営を助けてもらっていた。

そういった人たちに勉強会を終わらせる旨を話し、了承をもらった。 Inactiveであっても、無用なトラブルを避けるために話は通しておいた方がいいだろう。

最終回の企画

13年も続けてきた勉強会なので、いきなり「この勉強会は終了しました、もう開催されるとこはありません」と告知を出すのは寂しい。

なので、最終回として、これまでの歴史を振り返る回を実施した。自分としても当時のことを思い出しながら、どういう想いでイベントをやってきたのか再確認することができてとても良かった。

paas.connpass.com

残すものと残さないものを決める

終了した後、残すものと残さないものを決めた。

残したもの

  • Connpassのグループ
    • これまでの開催の歴史が残っているのがConnpassグループだ。いつどういうイベントが行われ、誰が登壇したのかがここに記録されている。過去回の情報が将来の誰かを救うかもしれないし、過去の歴史まで消してしまう必要はないと思い、こちらは残すことにした。
    • Connpassグループ側に、活動終了した旨を記載した
  • YouTubeチャンネル
    • コロナ後に作ったチャンネルだが、オンライン開催回のアーカイブが残っている。こちらも、もしかすると誰かの役に立つ可能性があるので残すことにした

残さないもの

  • Slack workspace
  • Google Group

コミュニケーションの場を消してしまうのは勇気が要るが、思い切って消してしまうのが良いと思う。もともと無償版Slackだったので過去の会話は残っておらず、それほど支障はなかった。

もし消えてしまっては困る情報がある場合は、他の場所に書きだしておくのがいいだろう。

まとめ

ということで、勉強会を畳んだ話をした。

畳むのも、残すのも、主催者の好きにして良いと思う。

が、意図して残しているのではなく、単に忘れているだけであれば、明示的に畳んだ方が自分も周りもスッキリするかもしれないよ、というのが本記事で話したかった点だ。




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