ゆっくりしていってね!!!
📘 第1章 財務モデリングとは何か
🎙️ 導入
霊夢「ねえ魔理沙、財務モデリングって結局なに?Excelでなんか難しいことやるやつでしょ?」
魔理沙「ざっくり言うと、“未来のお金の動きをシミュレーションする装置”だな」
霊夢「装置って言い方、ちょっとプログラマーっぽいわね」
魔理沙「実際かなり近いぞ。入力があって、ロジックがあって、出力がある。ほぼコードだ」
🧠 1. モデルの目的
霊夢「で、その装置って何のために使うの?」
魔理沙「主に3つある」
① バリュエーション(企業価値評価)
魔理沙「まずは“この会社いくらの価値があるの?”を計算するためだ」
霊夢「株を買うかどうか判断するやつね」
魔理沙「そうそう。将来どれだけキャッシュを生むかを予測して、それを現在価値に割り引く」
霊夢「未来のお金を今の価値に直すってやつね」
② 意思決定
魔理沙「次に“どう動くべきか”を決めるため」
霊夢「例えば?」
魔理沙「こんな感じだな👇」
- 新規事業をやるべきか?
- 採用を増やすべきか?
- 値上げするべきか?
霊夢「なるほど、未来を予測して“どっちが得か”を見るのね」
③ シミュレーション
魔理沙「最後は“もしこうなったら?”を試す」
霊夢「ゲームみたいな感じ?」
魔理沙「かなり近い。例えば」
- 売上が10%落ちたら?
- 広告費を2倍にしたら?
- 為替が円高になったら?
霊夢「未来をいじって試せるのが強いわね」
⚖️ 2. 良いモデル vs ダメなモデル
霊夢「でもさ、Excelでそれっぽいの作ればいいって話じゃないでしょ?」
魔理沙「そこが一番大事なところだな」
❌ ダメなモデル
魔理沙「ダメなやつはこんな特徴がある」
- 数式がぐちゃぐちゃ
- どこに何が入ってるか分からない
- ちょっといじると壊れる
- 作った本人しか触れない
霊夢「うわ…“属人化の塊”ね」
魔理沙「しかもそういうモデルに限って“なんかそれっぽい数字”は出る」
霊夢「一番危ないやつじゃん」
✅ 良いモデル
魔理沙「いいモデルはこうだ」
- 入力と計算が分離されている
- ロジックがシンプル
- 変更に強い
- 誰でも理解できる
霊夢「完全に“良いコード”の条件と同じじゃない」
魔理沙「その通り。財務モデリングは“Excelで書くプログラム”だと思った方がいい」
🔑 3. 「正確さ」より大事なもの
霊夢「でも財務って正確さが命じゃないの?」
魔理沙「ここが初心者が一番ハマるポイントだ」
❗ 正確な予測は不可能
魔理沙「まず前提として、未来は当たらない」
霊夢「いきなり身も蓋もないわね」
魔理沙「だってそうだろ?3年後の売上なんて誰にも分からない」
🎯 本当に大事なもの
魔理沙「だから重要なのはこれだ👇」
① 一貫性(Consistency)
- ロジックが破綻していない
- 前提が整合している
- 数字のつながりが自然
霊夢「“嘘はついてない”状態ね」
② 更新可能性(Updatability)
- 前提を変えたらすぐ結果が変わる
- データ更新が簡単
- 継続的に使える
霊夢「“育てられるモデル”って感じね」
💡 重要な考え方
魔理沙「いいか、霊夢」
財務モデルは“当てるためのもの”じゃない “考えるためのもの”だ
霊夢「あー、それちょっとしっくりきた」
🎬 まとめ
霊夢「まとめるとこんな感じね」
- 財務モデリングは未来をシミュレーションする道具
- 目的は「価値評価」「意思決定」「シナリオ検証」
- 良いモデルは“シンプルで壊れない”
- 正確さより「一貫性」と「更新しやすさ」が重要
魔理沙「次は三表連動だな。ここから一気に“それっぽく”なるぞ」
霊夢「来たわね、本番感」
📘 第2章 財務三表のつながり
🎙️ 導入
霊夢「魔理沙、三表連動ってよく聞くけど、正直よく分かってないのよね」
魔理沙「ここが分かると“財務モデリングできる人”になるぞ」
霊夢「逆にここ分からないと?」
魔理沙「ただのExcel職人だな」
🧾 1. 損益計算書(PL)
霊夢「まずPLって何だっけ?」
魔理沙「“どれだけ儲かったか”を表すものだ」
💰 PLの基本構造
魔理沙「シンプルに言うとこうだ👇」
売上 - 費用 = 利益
📊 もう少し細かく
- 売上高
- 売上原価
- 売上総利益(粗利)
- 販管費
- 営業利益
- 最終利益(当期純利益)
霊夢「なるほど、“フロー(流れ)”の世界ね」
魔理沙「そう。一定期間のストーリーだな」
🏦 2. 貸借対照表(BS)
霊夢「次はBSね。これはなんか難しいイメージある」
魔理沙「でも実は一番シンプルだ」
⚖️ BSの基本構造
資産 = 負債 + 純資産
🧱 中身のイメージ
- 資産:持っているもの(現金、在庫など)
- 負債:借りているもの(借入金など)
- 純資産:自分のもの(資本金、利益の蓄積)
霊夢「これは“ストック(状態)”ね」
魔理沙「その通り。ある時点のスナップショットだ」
💸 3. キャッシュフロー計算書(CF)
霊夢「PLで利益出てるのに倒産する会社があるって聞くけど」
魔理沙「それを説明するのがCFだ」
💧 CFの役割
魔理沙「“実際に現金がどう動いたか”を見る」
🔄 3つの区分
- 営業CF(本業で稼いだ現金)
- 投資CF(設備投資など)
- 財務CF(借入や返済)
霊夢「つまり“お金のリアルな流れ”ね」
魔理沙「PLは“帳簿上の利益”、CFは“現金の事実”だ」
🔗 4. 三表連動のロジック(ここが本番)
霊夢「で、結局これらってどうつながるの?」
魔理沙「ここが“財務モデリングの心臓”だ」
🧠 全体像
魔理沙「ざっくり言うとこういう流れだ👇」
PL(利益) ↓ BS(純資産に反映) ↓ CF(現金の増減) ↓ BS(現金に反映)
🔁 具体的な流れ
① 利益が出る(PL)
魔理沙「まず会社が儲かる」
→ 当期純利益が出る
② 利益が貯まる(BS)
魔理沙「その利益はどこに行くか?」
→ 純資産(利益剰余金)に積み上がる
霊夢「あー、“会社の貯金”になるのね」
③ でも現金とは限らない(重要)
魔理沙「ここが超重要だ」
霊夢「出た、重要ポイント」
❗ 利益 ≠ 現金
例:
- 売掛金 → まだ回収してない
- 減価償却 → お金は出てない
霊夢「つまりPLは“嘘ではないけど現金でもない”」
魔理沙「いい表現だな」
④ CFで調整する
魔理沙「だからCFでこうする」
利益 ± 現金じゃない項目を調整 = 現金の増減
⑤ 現金がBSに反映される
魔理沙「最後にこれ」
→ 現金残高がBSに乗る
🔄 まとめると
PL:儲けた ↓ BS:利益が積み上がる ↓ CF:現金に変換する ↓ BS:現金が増減する
霊夢「循環してるわね」
魔理沙「そう、これが“連動”だ」
💥 よくある理解ミス
霊夢「ここでつまずく人多そう」
魔理沙「あるあるを挙げるぞ」
❌ ミス①:PLだけ見る
→ 黒字だから安心 → 実はキャッシュ死んでる
❌ ミス②:BSを暗記で覚える
→ 意味分からず詰む
❌ ミス③:CFを軽視
→ 倒産の本質を見逃す
🧩 モデリング的な視点
霊夢「これをモデルにするってどういうこと?」
魔理沙「つまりこうだ👇」
- PLを作る
- BSにリンクさせる
- CFで橋渡しする
- 現金が合うようにする
魔理沙「そして最後にこれをチェックする」
資産 = 負債 + 純資産
霊夢「これ崩れたらバグってるのね」
魔理沙「完全にバグだな。デバッグ開始だ」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- PLは“儲け”
- BSは“状態”
- CFは“現金の流れ”
- 三表はすべてつながっている
魔理沙「ここを理解すると“数字が生きて見える”ようになるぞ」
霊夢「次は設計ね、いよいよエンジニアっぽくなってきた」
📘 第3章 モデル設計の基本思想
🎙️ 導入
霊夢「三表のつながりは分かったけど、実際にどう作ればいいの?」
魔理沙「ここからが“設計”の話だな」
霊夢「設計ってことは…」
魔理沙「そう、“センス”じゃなくて“ルール”で作れる」
🧠 1. 入力・処理・出力の分離(超重要)
霊夢「なんかITっぽい話きたわね」
魔理沙「というかそのまんまだ」
🧱 基本構造
Input(入力) ↓ Calc(計算) ↓ Output(出力)
🎯 役割の違い
| 層 | 内容 |
|---|---|
| Input | 前提条件(売上成長率など) |
| Calc | 計算ロジック |
| Output | 結果(PL / グラフなど) |
霊夢「これ分ける意味あるの?」
魔理沙「めちゃくちゃある」
💥 分離しないと起きる悲劇
- 数式の中に手入力が混ざる
- どこを変えればいいか分からない
- 修正すると全部壊れる
霊夢「それ、地獄のExcelね」
✅ 分離するとこうなる
- 入力だけ触れば結果が変わる
- ロジックが見える
- バグの場所が特定できる
魔理沙「つまりこういうことだ」
財務モデルは“関数型プログラミング”に近い
霊夢「純粋関数っぽい…!」
🧩 2. モジュール化と再利用
霊夢「でもモデルって毎回ゼロから作るの?」
魔理沙「それやってたら一生終わらん」
🧱 モジュールとは
魔理沙「“部品”だな」
例:
- 売上モデル
- 人件費モデル
- 減価償却モデル
霊夢「あー、関数とかクラスみたいな」
魔理沙「完全にそれ」
🔁 再利用のメリット
- 開発スピードが爆速
- バグが減る
- 精度が安定する
💡 具体例:人件費モデル
人数 × 平均給与 × 12ヶ月
これを1回作れば👇
- スタートアップでも
- 上場企業でも
- SaaSでも
全部使える
霊夢「確かに、毎回書き直す意味ないわね」
⚠️ モジュール化のコツ
- シンプルに作る
- 入力を明確にする
- 他と依存しすぎない
魔理沙「依存地獄になると終わるぞ」
霊夢「それ完全にソフトウェア開発の話…」
📐 3. スプレッドシート設計原則
霊夢「で、Excelでどう実装するの?」
魔理沙「ここで“プロっぽさ”が出る」
🎯 原則①:1セル1役割
魔理沙「1つのセルには1つの意味だけ持たせる」
❌ 悪い例
=A1*1.1+1000
(何やってるか分からない)
✅ 良い例
- 成長率 → 別セル
- 固定費 → 別セル
- 計算 → 分離
霊夢「可読性が段違いね」
🎯 原則②:ハードコード禁止
魔理沙「数式に直接数字入れるな」
❌ 悪い例
=A1 * 1.08
✅ 良い例
=A1 * 税率セル
霊夢「変更できるようにするのが大事ね」
🎯 原則③:左から右、上から下
魔理沙「計算の流れを自然にする」
入力 → 計算 → 結果
霊夢「人間が読みやすい順番ね」
🎯 原則④:色分けルール
(実務ではほぼ必須)
- 入力:青
- 計算:黒
- 外部リンク:緑
霊夢「視覚的デバッグね」
🎯 原則⑤:チェックを入れる
魔理沙「これ超重要」
例:
資産 = 負債 + 純資産
霊夢「一致しなかったら即バグ」
魔理沙「むしろ“壊れたことに気づける”のがいいモデルだ」
💻 エンジニア視点まとめ
魔理沙「まとめるとこうだ」
| 財務モデリング | プログラミング |
|---|---|
| Inputシート | 引数 |
| Calcシート | 関数 |
| Outputシート | 戻り値 |
| モジュール | クラス / 関数 |
| チェック | テスト |
霊夢「完全にソフトウェア開発じゃない」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 入力・計算・出力を分ける
- モジュール化で再利用する
- スプレッドシートにも設計原則がある
魔理沙「ここまでできれば“壊れないモデル”が作れる」
霊夢「次はいよいよ実装ね」
📘 第4章 モデリング環境構築
🎙️ 導入
霊夢「設計は分かったけど、実際にどのツールでやるのがいいの?」
魔理沙「まずそこだな。“戦う場所”を間違えると全部キツい」
霊夢「ゲームでいうと装備選びね」
魔理沙「しかも序盤で固定されるやつ」
🖥️ 1. Excel vs Google Sheets
霊夢「で、結局どっち?」
魔理沙「結論から言うとこうだ👇」
⚔️ 比較表
| 観点 | Excel | Google Sheets |
|---|---|---|
| 速度 | ◎(重いモデルに強い) | △(遅くなりがち) |
| 機能 | ◎(高度な関数・アドイン) | ○ |
| 共同編集 | △ | ◎ |
| クラウド | △ | ◎ |
| 実務(金融) | ◎(ほぼ標準) | △ |
🧠 結論
魔理沙「ガチな財務モデリングならExcel一択」
霊夢「じゃあGoogle Sheetsはダメ?」
魔理沙「いや、用途次第だ」
🟢 Google Sheetsが向いているケース
- 軽いモデル
- チームで共有
- ダッシュボード用途
🔵 Excelが向いているケース
- 三表連動
- 大規模モデル
- 投資・バリュエーション
魔理沙「迷ったらExcelで作って、共有はSheetsでもいい」
霊夢「開発と公開を分ける感じね」
🏷️ 2. 命名規則(これで“プロ感”が出る)
霊夢「セルとかシートの名前って適当じゃダメ?」
魔理沙「むしろここが“読みやすさの9割”だ」
🎯 命名の基本思想
魔理沙「“見ただけで意味が分かる名前”にする」
❌ ダメな例
- Sheet1
- A1
- 売上1
✅ 良い例
- Revenue_Growth_Rate
- Headcount_Engineer
- Marketing_Cost
霊夢「英語なのがポイント?」
魔理沙「実務ではほぼ英語だな。理由は3つ」
🌍 英語命名のメリット
- チームで共有しやすい
- プログラミングと親和性高い
- 長くても崩れない
🧱 命名ルール例
魔理沙「これテンプレとして使えるぞ👇」
📌 ルール
- スネークケース(_で区切る)
- 単位を含める(Rate / Amount)
- 略さない
🧾 具体例
| 意味 | 名前 |
|---|---|
| 売上成長率 | revenue_growth_rate |
| 従業員数 | headcount_total |
| 平均給与 | salary_average |
霊夢「これだけでかなり“読めるコード”になるわね」
🧩 3. シート構成(Input / Calc / Output)
霊夢「いよいよ構造ね」
魔理沙「ここで“素人モデル”と“プロモデル”が分かれる」
🧱 基本構成
Input(入力) Calc(計算) Output(出力)
🟦 Inputシート
魔理沙「ここは“全部ここで変えろ”という場所」
📥 入れるもの
- 売上成長率
- 人件費単価
- 投資計画
- 割引率(WACC)
🎯 ポイント
- 青色で統一
- 手入力はここだけ
- 他シートから参照しない
霊夢「ここ触れば全部変わるのね」
🟨 Calcシート
魔理沙「ここが“エンジン”」
⚙️ 内容
- 売上計算
- コスト計算
- 三表連動
- 中間変数
🎯 ポイント
- 手入力禁止
- ロジックはシンプルに
- モジュールごとに分ける
霊夢「完全にバックエンドね」
🟩 Outputシート
魔理沙「ここは“見せる場所”」
📊 内容
- PL / BS / CF
- グラフ
- KPI
- 投資指標(IRRなど)
🎯 ポイント
- 見やすさ重視
- 計算は書かない
- ストーリーで見せる
霊夢「フロントエンドだ」
🔄 全体の流れ
Input → Calc → Output
魔理沙「この一方向が超重要」
❌ やってはいけない
- Output → Calcに戻る
- Calcに手入力
- Inputが分散
霊夢「スパゲッティ確定ね」
💥 実務レベルの構成(強い)
魔理沙「もう一段レベル上げるとこうなる」
01_Input 02_Assumptions 03_Revenue_Model 04_Cost_Model 05_Financials(PL/BS/CF) 06_Output 07_Check
霊夢「完全にアプリケーション構造じゃん」
🧪 チェックシート(必須)
魔理沙「プロは必ず入れる」
例:
- BSが一致しているか
- CFが正しく流れているか
- エラー検知
霊夢「テストコードね」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- ツールは基本Excel(重いモデルに強い)
- 命名で可読性が決まる
- Input / Calc / Outputを分離する
- 一方向のデータフローを守る
魔理沙「ここまでできると“壊れない・読める・使える”モデルになる」
霊夢「次は売上モデル、いよいよ数字を作るわね」
📘 第5章 売上モデルの作り方
🎙️ 導入
霊夢「ついに売上ね、ここが一番大事そう」
魔理沙「その通り。売上モデルが8割だ」
霊夢「そんなに!?」
魔理沙「コストは割と予測できる。でも売上は“仮説”だからな」
🧠 1. トップダウン vs ボトムアップ
霊夢「まず何から考えればいいの?」
魔理沙「2つのアプローチがある」
🌍 トップダウン
魔理沙「市場から逆算する方法だ」
🧮 イメージ
市場規模 × シェア = 売上
📌 例
- 市場:1兆円
- シェア:1%
→ 売上:100億円
霊夢「めっちゃシンプルね」
👍 メリット
- 大局が分かる
- 投資家向けに分かりやすい
- 成長余地を説明しやすい
👎 デメリット
- 現実感が弱い
- 実行可能性が見えない
魔理沙「“夢の話”になりがちだな」
🔬 ボトムアップ
魔理沙「実際の積み上げで作る方法だ」
🧮 イメージ
顧客数 × 単価 = 売上
📌 例
- 顧客数:1万人
- 月額:1,000円
→ 月商:1,000万円
霊夢「こっちは現実っぽい」
👍 メリット
- 実行可能性が高い
- 具体的な改善ポイントが見える
👎 デメリット
- 小さくまとまりがち
- 市場の大きさを見失う
🎯 結論
魔理沙「両方使え」
霊夢「え?」
魔理沙「トップダウンで“夢”を描いて、ボトムアップで“現実”を検証する」
霊夢「バランス型ね」
☁️ 2. SaaSモデル(超重要)
霊夢「最近よく聞くSaaSってやつね」
魔理沙「現代の財務モデリングの主戦場だ」
💰 MRR(Monthly Recurring Revenue)
魔理沙「まずはこれ」
🧮 基本式
MRR = 顧客数 × 月額単価
霊夢「シンプルでいいわね」
🔄 Churn(解約率)
魔理沙「でもSaaSはここが本質」
🧮 定義
Churn率 = 解約顧客数 ÷ 総顧客数
霊夢「顧客が減るやつね」
🧠 顧客数の動き
魔理沙「これをモデル化するとこうなる」
顧客数(今月) = 顧客数(先月) + 新規獲得 - 解約
📈 MRRの進化
MRR = 既存MRR + 新規MRR - Churn MRR
霊夢「ゲームのHPみたいに増減するのね」
💡 SaaSで重要なKPI
- LTV(顧客生涯価値)
- CAC(顧客獲得コスト)
- Churn率
魔理沙「Churnが低いと“積み上がるビジネス”になる」
霊夢「逆に高いと?」
魔理沙「バケツに穴空いてる状態」
🛒 3. ECモデル
霊夢「ネットショップ系はどう作るの?」
🧮 基本式
売上 = 訪問者数 × 購入率 × 客単価
📌 分解
- トラフィック(アクセス数)
- CVR(コンバージョン率)
- AOV(平均注文額)
霊夢「めっちゃマーケっぽい」
🎯 改善ポイントが明確
- 広告 → 訪問者数UP
- UI改善 → CVR UP
- セット販売 → 単価UP
魔理沙「どこをいじれば売上伸びるか分かるのが強い」
🔁 4. サブスクモデル
霊夢「SaaSと何が違うの?」
魔理沙「ほぼ同じだが、より広い概念だな」
🧮 基本式
売上 = 会員数 × 月額料金
🔄 重要な動き
- 新規加入
- 解約
- プラン変更
霊夢「結局“積み上げ+解約”ね」
📺 5. 広告モデル
霊夢「YouTubeとかは?」
魔理沙「これだな」
🧮 基本式
売上 = 再生数 × CPM(単価)
📌 分解
- 再生数
- CTR(クリック率)
- 広告単価
霊夢「かなり変動激しそう」
魔理沙「だから予測が難しい=モデルが重要」
🧠 モデリングの本質
霊夢「結局、何を意識すればいいの?」
魔理沙「これだ👇」
🎯 売上は分解できる
売上 = 要素の掛け算
💡 良いモデルの条件
- 分解できている
- 改善ポイントが見える
- KPIとつながっている
霊夢「ただの数字じゃなくて“構造”なのね」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- トップダウンとボトムアップを両方使う
- SaaSはMRRとChurnが核心
- ECは「訪問 × CVR × 単価」
- 売上は分解して考える
魔理沙「ここまでできれば“売上を作れる人”だ」
霊夢「次はコストね、利益が見えてくるわ」
📘 第6章 コスト構造のモデリング
🎙️ 導入
霊夢「売上は作れるようになってきたけど、利益ってどうやって作るの?」
魔理沙「コスト次第だな」
霊夢「え、売上じゃなくて?」
魔理沙「売上は“夢”、コストは“現実”だ」
🧠 1. 固定費と変動費
霊夢「まずそこから?」
魔理沙「ここが全ての基礎だ」
🧱 固定費(Fixed Cost)
魔理沙「売上に関係なく発生するコスト」
📌 例
- 家賃
- 人件費(基本給)
- サーバー固定費
霊夢「売上ゼロでも払うやつね」
🔄 変動費(Variable Cost)
魔理沙「売上に比例するコスト」
📌 例
- 商品原価
- 決済手数料
- 広告費(成果報酬型)
霊夢「売れた分だけ増えるやつ」
⚖️ モデル化の基本
総コスト = 固定費 +(売上 × 変動費率)
霊夢「めちゃくちゃシンプル」
💡 なぜ重要か
魔理沙「この違いで“ビジネスの性質”が決まる」
🔥 固定費が高い
- 初期は赤字
- 伸びると利益爆発
(SaaS・ソフトウェア)
🧊 変動費が高い
- 安定する
- 利益は伸びにくい
(EC・物販)
霊夢「ビジネスモデルの違いが見えるわね」
👥 2. 人件費モデル(最重要コスト)
霊夢「やっぱり人件費が一番大きい?」
魔理沙「ほとんどの会社で最大コストだ」
🧮 基本式
人件費 = 人数 × 平均給与
🧱 もう一歩分解
人件費 = 人数 × 月給 × 12
霊夢「これだけでいいの?」
魔理沙「ここからが本番だ」
🧩 ロール別に分ける
魔理沙「プロはこうする」
📊 例
| 部門 | 人数 | 平均給与 |
|---|---|---|
| エンジニア | 10 | 600万 |
| 営業 | 5 | 500万 |
| 管理 | 3 | 400万 |
霊夢「リアルになってきた」
📈 成長との連動
魔理沙「さらに重要なのがこれ」
人数 = 売上に応じて増加
📌 例
- 売上1億 → 5人
- 売上5億 → 20人
霊夢「つまり“スケールする組織”を作るのね」
⚠️ よくあるミス
魔理沙「初心者はこれやりがち」
❌ 人件費を固定にする
→ 成長しても人が増えない → 不自然な高利益
霊夢「ブラック企業モデル…」
📊 3. マージン構造の設計
霊夢「マージンって何?」
魔理沙「“どれだけ利益が残るか”だ」
🧮 基本式
粗利 = 売上 - 変動費
粗利率 = 粗利 ÷ 売上
📈 営業利益
営業利益 = 粗利 - 固定費
霊夢「ここでやっと利益が出るのね」
💡 マージンの考え方
🔥 高粗利ビジネス
- ソフトウェア
- コンテンツ
- SaaS
→ 70〜90%
🧊 低粗利ビジネス
- EC
- 小売
- 製造
→ 10〜40%
霊夢「全然違う…!」
🧠 モデリング的な重要ポイント
魔理沙「ここが“プロの視点”だ」
🎯 マージンは設計できる
例:
- 値上げ → 粗利UP
- 外注 → 変動費UP
- 内製 → 固定費UP
霊夢「戦略そのものじゃん」
📉 損益分岐点(超重要)
魔理沙「これも入れておけ」
損益分岐点 = 固定費 ÷ 粗利率
霊夢「ここ超えたら黒字?」
魔理沙「そう。“勝ちライン”だ」
💥 モデルの完成形イメージ
売上 ↓ - 変動費 ↓ 粗利 ↓ - 固定費 ↓ 営業利益
霊夢「めちゃくちゃシンプルに見えるけど深いわね」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 固定費と変動費で構造を分ける
- 人件費は“人数 × 給与”でモデル化
- マージンで利益構造を理解する
- 損益分岐点が重要
魔理沙「ここまで来ると“利益を設計できる人”だ」
霊夢「次はキャッシュね、いよいよリアルなお金の話」
📘 第7章 運転資本とキャッシュフロー
🎙️ 導入
霊夢「PLで利益出てるのに倒産するって、まだちょっと信じられないんだけど」
魔理沙「その原因が“運転資本”だ」
霊夢「また新しいワード出てきた」
魔理沙「でも中身はシンプルだぞ。“お金のズレ”だ」
🧠 1. 運転資本とは何か
魔理沙「まず定義いくぞ」
🧮 基本式
運転資本 = 売掛金 + 在庫 - 買掛金
霊夢「なんか足したり引いたりしてる…」
🧾 中身を理解する
💳 売掛金(Accounts Receivable)
魔理沙「“まだ回収してない売上”だ」
📌 例
- 商品売った
- でも入金は来月
霊夢「つまり“売上あるけど現金ない”」
📦 在庫(Inventory)
魔理沙「“まだ売れてない商品”」
📌 例
- 仕入れた
- でも売れてない
霊夢「お金は出てるのに回収できてない」
💸 買掛金(Accounts Payable)
魔理沙「“まだ払ってない仕入れ”」
📌 例
- 商品仕入れた
- 支払いは来月
霊夢「これは逆に“得してる感じ”ね」
⚖️ まとめると
魔理沙「こうなる」
- 売掛金 → 現金が遅れる(マイナス)
- 在庫 → 現金が寝る(マイナス)
- 買掛金 → 現金が遅れて出る(プラス)
霊夢「つまり運転資本が増えると?」
魔理沙「現金が減る」
💥 超重要ポイント
売上が伸びるほど現金が減ることがある
霊夢「え、それ怖すぎる」
魔理沙「成長してるのに死ぬ会社の正体だ」
🔄 2. キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)
霊夢「なんか強そうな名前きた」
魔理沙「現金回収のスピードを測る指標だ」
🧮 基本式
CCC = 在庫日数 + 売掛金回収日数 - 買掛金支払日数
🧠 意味
- 在庫日数 → どれくらい売れ残るか
- 売掛金日数 → 回収まで何日かかるか
- 買掛金日数 → 支払いをどれだけ遅らせられるか
霊夢「短いほどいいの?」
魔理沙「そう、現金が早く戻る」
🔥 例で理解
😇 良いケース
- 在庫:10日
- 売掛:20日
- 買掛:30日
CCC = 10 + 20 - 30 = 0日
霊夢「お金出てから回収まで0日!」
😱 悪いケース
- 在庫:60日
- 売掛:60日
- 買掛:30日
CCC = 60 + 60 - 30 = 90日
霊夢「3ヶ月もお金戻ってこない…」
💡 ビジネス別の特徴
🛒 EC
- 在庫あり
- CCC長め
☁️ SaaS
- 在庫なし
- CCCほぼゼロ
霊夢「SaaS強すぎる理由これか」
💧 3. CFモデル構築(ここが実装)
霊夢「じゃあこれをどうモデルにするの?」
魔理沙「PL→CFへの変換だ」
🧮 基本構造
営業CF = 当期純利益 ± 非現金項目 ± 運転資本の増減
🧩 ステップ分解
① 利益スタート
当期純利益
② 非現金を戻す
例:減価償却
- 費用として引かれてる
- でも現金は出てない
→ 足し戻す
霊夢「PLの“嘘じゃないけど現金じゃない”部分ね」
③ 運転資本を調整
🟥 売掛金増加
→ 現金減る(マイナス)
🟥 在庫増加
→ 現金減る(マイナス)
🟩 買掛金増加
→ 現金増える(プラス)
🧮 まとめ式
営業CF = 利益 + 減価償却 - 売掛金増加 - 在庫増加 + 買掛金増加
霊夢「符号ミスりそう…」
魔理沙「ここは全員1回はバグる」
🔗 BSとのつながり
魔理沙「ここも重要だ」
- 売掛金 → BS
- 在庫 → BS
- 買掛金 → BS
霊夢「つまりBSの変化を見てるのね」
💥 実務でのインパクト
魔理沙「これを理解するとこうなる」
📉 売上伸びてるのに現金減る理由が分かる
📈 どこを改善すればいいか見える
🎯 改善ポイント
- 回収を早くする(売掛金↓)
- 在庫を減らす
- 支払いを遅らせる(買掛金↑)
霊夢「完全に経営戦略じゃん」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 運転資本=お金のズレ
- CCCで現金回収スピードを見る
- CFは“利益→現金”への変換
- BSと密接に連動している
魔理沙「ここまで理解すると“倒産する会社としない会社の違い”が見える」
霊夢「次は三表連動の実装ね、いよいよ完成形」
📘 第8章 三表連動モデルの構築
🎙️ 導入
霊夢「ついに三表連動モデル…!なんかプロっぽい!」
魔理沙「ここからは“作り方”がそのまま“品質”になる」
霊夢「怖いこと言うなぁ…」
魔理沙「でも安心しろ。順番とルールを守れば組める」
🧠 1. リンク設計(まずは配線図を描け)
霊夢「リンク設計って、何をリンクするの?」
魔理沙「“どの数字がどこに流れるか”の設計だな。配線図だ」
🧱 基本の流れ(再掲)
PL(利益) ↓ CF(現金化) ↓ BS(現金・純資産に反映)
🔌 主要リンク一覧
✅ PL → BS
- 当期純利益 → 利益剰余金(純資産)
霊夢「利益は貯まるんだったね」
✅ PL → CF
- 当期純利益 → 営業CFの起点
- 減価償却 → 足し戻し(非現金)
✅ BS → CF
- 売掛金・在庫・買掛金の増減 → 運転資本調整
- 固定資産の増減 → 投資CF(CAPEX)
- 借入金の増減 → 財務CF
✅ CF → BS
- 現金の増減 → 現金残高
魔理沙「つまりこうだ」
CFは“PLとBSの通訳”だ
霊夢「言い得て妙」
🧩 実装のおすすめ順番(ここ大事)
霊夢「で、作る順番は?」
魔理沙「おすすめはこれ」
- 売上・コスト(PLの主要行)
- BS(運転資本と固定資産、借入)
- CF(営業・投資・財務)
- 最後にBSの現金を“差分”で合わせる
霊夢「現金は最後でいいの?」
魔理沙「むしろ最後じゃないと地獄を見る」
🔁 2. 循環参照の扱い(地雷)
霊夢「循環参照ってExcelが怒るやつ!」
魔理沙「そう。三表連動で一番出やすい地雷だ」
💣 循環が起きる典型例:利息
魔理沙「例えば借入金があると利息が出る」
- 借入金残高(BS)から利息(PL)を計算
- 利息(PL)が利益を減らす
- 利益が純資産や現金に影響
- 現金が足りないと借入が増える(BS)
- 借入が増えると利息も増える…
霊夢「無限ループじゃん!」
魔理沙「そう、これが循環参照」
✅ 循環参照の解決パターン(実務で使う)
パターンA:平均残高で利息計算(おすすめ)
魔理沙「借入金の期首と期末の平均で利息を計算する」
利息 = 金利 ×(期首借入 + 期末借入)/2
霊夢「いきなり期末使ってるけど大丈夫?」
魔理沙「完全には循環を消せない場合もあるが、“弱い循環”にできる」
パターンB:借入を外生(Input固定)にする
魔理沙「借入金はInputで固定してしまう」
霊夢「モデルの自由度は下がるけど安定するね」
パターンC:現金をプラグ(差分)にする(最も多い)
魔理沙「現金を“最後に合うようにする”」
- 先にPLと他BSを作る
- CFを作る
- 現金 = 前期現金 + CF合計
霊夢「現金が調整弁になるのね」
魔理沙「そう。Excel的にも一番扱いやすい」
パターンD:Excelの反復計算(最後の手段)
魔理沙「Excelの“反復計算”をONにして解く方法もある」
霊夢「なんか危険な匂いがする」
魔理沙「危険だ。収束しないと数字が壊れる。監査も嫌がる」
✅ 基本方針
魔理沙「循環参照は原則こう」
消す or 弱める “反復計算”は最終手段
🧪 3. バランスチェック(デバッグの本丸)
霊夢「バランスチェックって、あの式?」
魔理沙「そう。BSが合うかどうか」
✅ チェック1:BS一致
資産 -(負債 + 純資産)= 0
霊夢「0じゃなかったら即バグ」
魔理沙「即デバッグだ」
✅ チェック2:現金の整合
魔理沙「現金は2つの道から計算できる」
- CFから積み上げた現金
- BS上の現金
この差が0か見る
BS現金 - CF積み上げ現金 = 0
✅ チェック3:PLとBSの整合(利益剰余金)
利益剰余金(期末) = 利益剰余金(期首) + 当期純利益 - 配当
霊夢「ここズレると、PL→BSのリンクが壊れてる」
✅ チェック4:符号チェック(地味に重要)
魔理沙「CFの符号はバグりやすい」
- 売掛金↑ → 現金↓(マイナス)
- 在庫↑ → 現金↓(マイナス)
- 買掛金↑ → 現金↑(プラス)
霊夢「ここ逆にすると“永久機関”みたいになる」
魔理沙「あるある過ぎて泣ける」
🧰 デバッグのコツ(実務の技)
霊夢「ズレたらどう直すの?」
魔理沙「手順がある」
🔍 デバッグ手順
- どのチェックが崩れてるか確認
- 崩れた行の“リンク元”をたどる
- まずは前期→当期の増減を追う
- 運転資本の符号を疑う(最頻出)
魔理沙「プログラミングと同じだ」
霊夢「ユニットテスト欲しくなるね…」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 三表連動は“配線図”が命(リンク設計)
- 循環参照は地雷:消すか弱める
- バランスチェックは必須(BS一致・現金一致など)
- ずれたらチェック→リンク元を追う
魔理沙「ここまでできたら、あとは“中身の精度”を上げるだけだ」
霊夢「次はバリュエーション?DCFとか来るやつ?」
魔理沙「そう。モデルを“意思決定の武器”にする章だ」
📘 第9章 バリュエーション(企業価値評価)
🎙️ 導入
霊夢「ついに来た…企業価値評価!」
魔理沙「ここがゴールの一つだな」
霊夢「この会社、いくらの価値があるか分かるってこと?」
魔理沙「そう。“いくらで買うべきか”を決めるための技術だ」
🧠 1. DCF法(王道)
霊夢「DCFってよく聞くけど、結局何?」
魔理沙「超シンプルに言うとこれだ」
企業価値 = 将来のキャッシュフローの合計(現在価値)
霊夢「未来のお金を今に直すのね」
💰 なぜ割り引くのか
魔理沙「1年後の100万円と今の100万円は違う」
理由👇
- 今すぐ使えない
- リスクがある
- 投資すれば増える
霊夢「だから“割引率”が必要なのね」
🧮 DCFの基本式
企業価値 = Σ(FCF ÷ (1 + WACC)^t)
用語
- FCF:フリーキャッシュフロー
- WACC:割引率
- t:年数
霊夢「数学っぽくなってきた…」
魔理沙「でもやってることは“未来→現在”の変換だけだ」
💧 FCF(フリーキャッシュフロー)
霊夢「FCFって何?」
魔理沙「“自由に使える現金”だ」
🧮 簡易式
FCF = 営業CF - 投資(CAPEX)
霊夢「会社が本当に生み出してるお金ね」
🧠 2. WACC(割引率)
霊夢「さっきから出てるWACCって何?」
魔理沙「“資金調達コストの平均”だ」
🧮 基本式
WACC = E/(D+E) × 株主資本コスト + D/(D+E) × 負債コスト × (1 - 税率)
用語
- E:株主資本
- D:負債
霊夢「なんか一気に難しくなった」
💡 直感で理解
魔理沙「こう考えろ」
投資家は“これくらい儲からないと嫌だ”という要求を持っている
- 株主 → リスク高い → 高いリターン要求
- 銀行 → リスク低い → 低いリターン
霊夢「それを平均したのがWACCか」
📊 実務的な目安
- 安定企業:5〜8%
- 成長企業:8〜12%
- スタートアップ:15%以上
霊夢「これ変えるだけで結果変わりそう」
魔理沙「めちゃくちゃ変わる。最重要パラメータだ」
🧠 3. ターミナルバリュー(超重要)
霊夢「DCFって未来全部計算するの?」
魔理沙「それやると死ぬ」
霊夢「だよね」
💡 考え方
魔理沙「ある時点以降は“まとめて計算”する」
🧮 基本式(永久成長モデル)
TV = FCF ÷ (WACC - 成長率)
霊夢「急にシンプル!」
⚠️ 超重要ポイント
魔理沙「DCFの価値のほとんどはTVで決まる」
霊夢「え、そんなに?」
📊 イメージ
- 予測期間:20〜30%
- ターミナル:70〜80%
霊夢「ほぼ未来頼みじゃん!」
💥 よくあるミス
❌ 成長率が高すぎる
→ 現実離れ
❌ WACCと成長率が近すぎる
WACC ≒ 成長率
→ 無限大に近づく(バグ)
霊夢「それ怖すぎる」
🧠 DCF全体の流れ
魔理沙「まとめるとこうだ」
① FCFを予測 ↓ ② WACCで割引 ↓ ③ ターミナルを追加 ↓ ④ 合計 = 企業価値
💰 株価との関係
霊夢「企業価値って株価とどうつながるの?」
株価 =(企業価値 - 負債)÷ 株式数
霊夢「これで“割安かどうか”分かるのね」
🎯 モデリング的な本質
魔理沙「ここが重要だ」
DCFは“未来の仮説を数値化したもの”
霊夢「当てるんじゃなくて、考えるためのツールだったね」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- DCFは“未来の現金の現在価値”
- WACCは投資家の期待リターン
- ターミナルが価値の大半を占める
- 仮説によって結果は大きく変わる
魔理沙「ここまでできれば“投資判断できる人”だ」
霊夢「次はシナリオ分析ね、未来をいじるやつ!」
📘 第10章 シナリオ分析と感度分析
🎙️ 導入
霊夢「DCFで企業価値出せたけど…これ本当に当たるの?」
魔理沙「当たらない」
霊夢「即答!?」
魔理沙「だから“幅”で考える。そのための章だ」
🧠 1. ケース設計(Bull / Base / Bear)
霊夢「まずはケース分け?」
魔理沙「王道の3パターンだ」
📊 基本構造
| ケース | 意味 |
|---|---|
| Bull | 強気シナリオ |
| Base | 標準シナリオ |
| Bear | 弱気シナリオ |
💡 何を変えるのか
魔理沙「重要なのは“どの変数を動かすか”だ」
🎯 代表例
- 売上成長率
- 利益率
- WACC
- Churn(SaaS)
霊夢「全部変えたらぐちゃぐちゃにならない?」
魔理沙「だから“ドライバー”に絞る」
🧩 良いケース設計
❌ ダメな例
- 適当に数字を変える
- 根拠がない
✅ 良い例
Bull
- 成長率:+2%
- 利益率:改善
- Churn:低下
Base
- 現状維持
Bear
- 成長率:低下
- 利益率:悪化
- Churn:悪化
魔理沙「重要なのは“ストーリー”だ」
霊夢「数字じゃなくて“未来の物語”ね」
🎯 出力イメージ
Bull:企業価値 120億 Base:企業価値 80億 Bear:企業価値 50億
霊夢「幅で考えるのが大事なんだ」
📊 2. 感度分析(Sensitivity)
霊夢「ケース分析と何が違うの?」
魔理沙「1つの変数だけ動かして影響を見る」
🧮 例
WACC:7% → 8% → 9% 企業価値:100 → 80 → 65
霊夢「めっちゃ変わる!」
🎯 目的
- どの変数が一番重要か分かる
- リスクの源を特定できる
魔理沙「“どこがヤバいか”を知るための分析だ」
📊 データテーブル(Excelの武器)
霊夢「これどうやって計算するの?」
魔理沙「Excelのデータテーブルを使う」
🧱 1変数テーブル
🧮 例
- 行にWACCを並べる
- 出力:企業価値
WACC → 企業価値
🧱 2変数テーブル(強い)
🧮 例
- 縦:WACC
- 横:成長率
成長率 WACC 1% 2% 3%
霊夢「ヒートマップとかで見るやつだ!」
魔理沙「そう。“地形”が見える」
💡 実務でよくやる組み合わせ
- WACC × 成長率
- 売上成長 × 利益率
- Churn × CAC
🎯 解釈
魔理沙「ここが重要」
- ちょっと変えただけで大きく動く → リスク大
- あまり動かない → 安定
霊夢「感度が高い変数=重要変数ね」
🎲 3. モンテカルロの考え方(上級)
霊夢「なんか急に強そうなやつきた」
魔理沙「確率で未来を考える方法だ」
🧠 基本アイデア
未来は1つじゃない → ランダムに何千回も試す
🎯 やること
- 売上成長率 → ランダム
- 利益率 → ランダム
- WACC → ランダム
→ 何千パターンも計算
📊 出力
企業価値の分布(ヒストグラム)
霊夢「平均じゃなくて“分布”で見るのか」
💡 得られるもの
- 平均値
- 最悪ケース
- 上位10%
魔理沙「“この投資はどれくらい危ないか”が分かる」
⚠️ 注意
- 前提の分布が重要
- ゴミ入れるとゴミ出る(GIGO)
霊夢「それはプログラミングと同じね」
🧠 まとめると
ケース分析
→ ストーリーで分ける
感度分析
→ 1変数の影響を見る
モンテカルロ
→ 確率で全体を見る
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- DCFは1つの答えじゃなく“幅”で考える
- Bull / Base / Bearでストーリーを作る
- 感度分析で重要変数を特定
- モンテカルロでリスク分布を見る
魔理沙「ここまでできると“プロの投資判断”に近づく」
霊夢「次はKPIね、ビジネスの中身をもっと分解するやつ!」
📘 第11章 KPIドリブンモデリング
🎙️ 導入
霊夢「売上も利益も計算できるようになったけど…これって“なぜ伸びるか”までは分からない気がする」
魔理沙「いいところに気づいたな」
霊夢「え?」
魔理沙「それを解決するのが“KPIドリブン”だ」
🧠 1. KPIドリブンとは何か
霊夢「KPIってよく聞くけど…」
魔理沙「Key Performance Indicator、つまり“重要指標”だ」
💡 本質
売上は“結果” KPIは“原因”
霊夢「原因をモデルにするってこと?」
魔理沙「そう。“なぜ成長するか”を分解する」
☁️ 2. SaaS指標(LTV / CAC)
霊夢「ここ来た、SaaSの核心」
魔理沙「この2つだけでもかなり戦える」
💰 LTV(Life Time Value)
魔理沙「1人の顧客が生涯で生む利益」
🧮 基本式
LTV = ARPU ÷ Churn率
用語
- ARPU:1ユーザーあたり売上
- Churn:解約率
霊夢「解約が少ないほどLTVが伸びるのね」
💸 CAC(Customer Acquisition Cost)
魔理沙「1人の顧客を獲得するコスト」
🧮 基本式
CAC = マーケ費用 ÷ 新規顧客数
霊夢「広告費とかだね」
⚖️ LTV / CAC 比率(超重要)
魔理沙「これが全てだ」
LTV / CAC
🎯 目安
- 3以上 → 健全
- 1未満 → 赤字構造
霊夢「3倍回収できてるかどうかね」
🧠 なぜ重要か
魔理沙「これを見るとこうなる」
- 広告を増やしていいか?
- 成長を加速できるか?
- ビジネスが成立しているか?
霊夢「戦略そのものじゃん」
🧩 3. ユニットエコノミクス
霊夢「なんか横文字きた」
魔理沙「“1単位あたりの採算”だ」
🎯 基本思想
1人の顧客で儲かるか?
🧮 SaaS版
ユニット利益 = LTV - CAC
霊夢「プラスならOK」
🛒 EC版
ユニット利益 = 客単価 - 原価 - 広告費
📺 広告モデル
ユニット利益 = 広告収益 - コンテンツ制作コスト
霊夢「ビジネスによって形変わるのね」
💡 ポイント
- スケール前にユニットを検証
- 赤字のまま拡大すると死ぬ
魔理沙「“穴の空いたバケツで水を増やすな”だ」
📈 4. 成長のドライバー分解(ここが本質)
霊夢「で、どうやって成長を設計するの?」
魔理沙「分解だ」
🎯 売上分解(再掲)
売上 = 顧客数 × 単価
🧩 さらに分解
顧客数 = 既存顧客 + 新規獲得 - 解約
霊夢「完全に構造見えてきた」
🔁 SaaSの成長ループ
広告投資 → 新規顧客 → 売上増加 → 再投資
霊夢「ループしてる!」
🎯 どこを伸ばすか
🚀 成長レバー
- 新規獲得(CAC改善)
- 解約率低下(Churn改善)
- 単価アップ(値上げ)
魔理沙「どこを引くかで戦略が変わる」
💥 モデリングでの使い方
霊夢「これモデルにどう入れるの?」
魔理沙「こうする」
📊 Input
- CAC
- Churn
- 単価
⚙️ Calc
- 顧客数推移
- LTV
- 売上
📈 Output
- 成長率
- 利益
- 企業価値
霊夢「全部つながった!」
🧠 上級視点
魔理沙「ここまで来たらこれを意識しろ」
財務モデルは“結果” KPIモデルは“エンジン”
霊夢「エンジンを作る感覚ね」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- KPIは“成長の原因”
- LTV / CACでビジネスの健全性を判断
- ユニットエコノミクスで採算を見る
- 成長は分解して設計できる
魔理沙「ここまでできれば“事業を設計できる人”だ」
霊夢「次は実践編、リアルなケースね!」
📘 第12章 スタートアップの財務モデル
🎙️ 導入
霊夢「ここまでで売上も利益も分かるようになったけど、スタートアップって最初赤字だよね?」
魔理沙「むしろ赤字が普通だな」
霊夢「じゃあどうやって生き延びるの?」
魔理沙「“資金調達”と“キャッシュ管理”だ」
🧠 1. 資金調達前提
霊夢「まずはお金集めね」
魔理沙「スタートアップモデルでは“いつ・いくら調達するか”を最初に置く」
💰 基本構造
期首現金 + 資金調達 + 営業CF = 期末現金
霊夢「資金調達も“収入”として扱うのね」
📊 調達ラウンド
魔理沙「よくある流れだ」
- シード
- シリーズA
- シリーズB
霊夢「ゲームのレベルアップみたい」
🎯 モデリングのポイント
- 調達タイミング(いつ)
- 調達金額(いくら)
- バリュエーション(評価額)
霊夢「これ次のラウンドに影響するやつね」
⚠️ 注意
魔理沙「調達は“できる前提”にしすぎるな」
霊夢「確かに、現実はそんな甘くない」
🔥 2. バーンレート(超重要)
霊夢「バーンって燃えるの?」
魔理沙「そう、“現金の燃焼速度”だ」
🧮 基本式
バーンレート = 毎月の現金減少額
📊 例
- 現金:1,000万円
- 毎月の赤字:100万円
→ バーン:100万円/月
霊夢「どんどん燃えていく…」
🧠 2種類ある
🔴 グロスバーン
総支出
🟢 ネットバーン
支出 - 売上
霊夢「実際に減るのはネットバーンね」
🎯 なぜ重要か
魔理沙「これで分かる」
- どれくらい持つか
- コスト削減の必要性
- 成長速度の限界
霊夢「完全に生存管理」
📉 改善方法
- 人件費削減
- 広告効率改善
- 売上増加
魔理沙「バーンは“コントロールできる”」
⏳ 3. Runway(滑走路)
霊夢「なんかかっこいい名前」
魔理沙「現金が尽きるまでの時間だ」
🧮 基本式
Runway = 現金 ÷ バーンレート
📊 例
- 現金:1,200万円
- バーン:100万円/月
→ Runway:12ヶ月
霊夢「あと1年しかない!」
💡 重要ライン
魔理沙「実務ではこれが基準」
- 12ヶ月未満 → 危険
- 6ヶ月未満 → 即行動
- 18ヶ月以上 → 安定
霊夢「ゲームの残りHPみたい」
🔁 モデルへの組み込み
霊夢「これどうモデルに入れるの?」
魔理沙「こうする」
📊 Input
- 初期資金
- 調達計画
- コスト
- 売上
⚙️ Calc
現金推移(月次)
📈 Output
- Runway
- バーンレート
- 資金ショート時期
霊夢「未来の“死亡日”が分かるのね…」
💥 スタートアップ特有の罠
❌ 売上成長を楽観しすぎ
→ 実際は遅れる
❌ コスト増加を軽視
→ 人が増える
❌ 調達できる前提
→ できないと即死
魔理沙「だから保守的に作る」
🧠 実務的な戦略
魔理沙「これ覚えておけ」
Runwayは“次の調達までの時間”
🎯 つまり
- Runwayを延ばす
- 成長を見せる
- 次の資金調達へ
霊夢「完全にゲーム攻略じゃん」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- スタートアップはキャッシュが命
- バーンレートで燃焼速度を測る
- Runwayで生存時間を測る
- 資金調達を前提にモデルを作る
魔理沙「ここまで理解すると“潰れない会社”が見える」
霊夢「次は上場企業モデル、現実のデータを使うやつね」
📘 第13章 上場企業の分析モデル
🎙️ 導入
霊夢「これまで自分で前提を置いてモデル作ってたけど…実在の会社も分析できるの?」
魔理沙「むしろここからが本番だ」
霊夢「ついに株分析っぽくなってきた!」
魔理沙「“現実の数字 → モデル → 未来予測”ができるようになる」
🧠 1. 決算書からのモデル化
霊夢「まず何からやるの?」
魔理沙「決算書を“そのまま再現”する」
📊 ステップ①:過去データを入れる
入れるもの
- 売上
- 営業利益
- 当期純利益
- 総資産
- 自己資本
霊夢「まずはコピペでOK?」
魔理沙「OK。ただし“構造を理解しながら”入れる」
🧱 ステップ②:三表をつなぐ
魔理沙「ここ重要」
- PL → 利益
- BS → 資産・負債
- CF → 現金の流れ
霊夢「既にやったやつ!」
魔理沙「実在データでやると理解が一気に深まる」
🧮 ステップ③:比率で分解
魔理沙「ここから“予測可能な形”にする」
📌 例
売上成長率 = 売上(今年)÷ 売上(去年) - 1
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上
霊夢「“傾向”を取り出すのね」
🎯 ステップ④:未来に伸ばす
魔理沙「過去のパターンを元に未来を作る」
- 成長率
- 利益率
- 投資水準
霊夢「ここで仮説が入るのね」
💡 ポイント
過去は事実 未来は仮説
🧩 2. セグメント分析(ここが差になる)
霊夢「でも会社って1つのビジネスじゃないよね?」
魔理沙「そこに気づけるかがプロとの違いだ」
🧱 セグメントとは
- 事業ごとの分解
例:
- ゲーム事業
- 音楽事業
- EC事業
霊夢「会社の中の“ミニ会社”ね」
📊 なぜ重要か
魔理沙「成長してる場所と死んでる場所が分かる」
🧮 モデル化
全体売上 = セグメントA + セグメントB + セグメントC
霊夢「足し算でいいのか」
📈 分析ポイント
🎯 成長率
- どの事業が伸びてるか
🎯 利益率
- どこが儲かるか
🎯 構成比
- 何に依存してるか
魔理沙「これで“会社の正体”が見える」
💥 よくある発見
- 売上は伸びてるが主力が衰退
- 赤字事業が足を引っ張る
- 新規事業が急成長
霊夢「ストーリーが見える!」
📑 3. IR資料の活用(宝の山)
霊夢「IRって難しそうで読んでない…」
魔理沙「もったいない。ヒントだらけだ」
📊 IRで見るべきもの
🎯 決算説明資料
- KPI
- 成長戦略
- セグメント情報
🎯 有価証券報告書
- 詳細データ
- リスク
- 事業内容
🎯 決算短信
- 最新の数字
霊夢「全部読むの大変そう」
💡 効率的な読み方
魔理沙「ここだけ見ろ」
📌 ① KPI
- ユーザー数
- ARPU
- Churn
📌 ② 成長ドライバー
- 何で伸びるのか
📌 ③ リスク
- 何で死ぬのか
霊夢「完全に攻略情報じゃん」
🔄 モデルへの反映
魔理沙「IRで得た情報をこう使う」
📊 Input
- 成長率
- KPI
- 投資計画
⚙️ Calc
- 売上モデル
- 利益モデル
📈 Output
- 将来予測
- 企業価値
霊夢「IR → モデル → 投資判断の流れね」
🧠 上級者の視点
魔理沙「ここまで来たらこれを意識」
IRは“会社のストーリー” モデルは“その数値化”
霊夢「ストーリーを数字に変換するのか」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 決算書から三表モデルを再現
- 比率で分解して未来を予測
- セグメントで会社を分解
- IR資料で仮説を作る
魔理沙「ここまでできれば“上場企業を分析できる人”だ」
霊夢「次は投資判断モデル、ついに実戦!」
📘 第14章 投資判断モデルの構築
🎙️ 導入
霊夢「ここまでで企業価値も出せたし分析もできるようになったけど…」
魔理沙「で、買うのか?って話だな」
霊夢「そう!そこが一番知りたい!」
魔理沙「それを決めるのが“投資判断モデル”だ」
🧠 1. 株式投資モデル
霊夢「まず何を作ればいいの?」
魔理沙「シンプルにこれだ」
期待リターン = 将来株価 ÷ 現在株価 - 1
霊夢「めっちゃシンプル!」
🧩 将来株価の作り方
魔理沙「ここがポイント」
方法①:DCFから算出
株価 =(企業価値 - 負債)÷ 株式数
方法②:PERで算出
株価 = EPS × PER
霊夢「どっち使えばいいの?」
魔理沙「両方だ。DCFで理論、PERで市場を見る」
📈 期待リターンの解釈
🎯 例
- 現在株価:1,000円
- 将来株価:1,500円
期待リターン = 50%
霊夢「これ高いほどいいのね」
⚠️ ただし
魔理沙「ここ重要」
高リターン ≠ 安全
霊夢「リスクも高いってことね」
🧮 2. IRR / NPV
霊夢「なんかまた難しい単語きた」
魔理沙「でも本質はシンプルだ」
💰 NPV(正味現在価値)
NPV = 将来キャッシュの現在価値 - 投資額
🎯 判断基準
- NPV > 0 → 投資OK
- NPV < 0 → NG
霊夢「儲かるかどうかを今の価値で見るのね」
📈 IRR(内部収益率)
IRR = NPVが0になる割引率
霊夢「え、何それ」
💡 直感
魔理沙「“年利何%で回るか”だ」
🎯 例
- IRR:15%
→ 年15%で増える投資
霊夢「めっちゃ分かりやすい!」
⚖️ IRR vs WACC
魔理沙「ここが重要」
- IRR > WACC → 投資価値あり
- IRR < WACC → 価値なし
霊夢「投資家の期待を超えてるかどうかね」
🧠 株式投資での応用
魔理沙「株でも考え方は同じ」
- 配当
- 売却価格
→ キャッシュフローとして扱う
🎲 3. リスク評価
霊夢「ここまで来るとリターンばっか見ちゃう」
魔理沙「だから負ける」
💡 本質
投資は“リターン”ではなく “リスク調整後リターン”
🎯 主なリスク
📉 ① 事業リスク
- 売上が伸びない
- 競争激化
💰 ② 財務リスク
- 借入過多
- キャッシュ不足
🌍 ③ 外部リスク
- 金利
- 為替
- 規制
霊夢「全部モデルに影響するやつだ」
🧮 モデルでの扱い
方法①:シナリオ分析(再掲)
- Bull / Bear
方法②:感度分析
- WACC
- 成長率
方法③:割引率で調整
- リスク高 → WACC高
💡 安全余裕(Margin of Safety)
魔理沙「これが一番大事」
安全余裕 = 理論価値 ÷ 株価
🎯 例
- 理論価値:1,000円
- 株価:700円
→ 安全余裕あり
霊夢「安く買うってことね」
🧠 投資判断の流れ
魔理沙「まとめるぞ」
① モデル作成 ↓ ② 企業価値算出 ↓ ③ 将来株価予測 ↓ ④ 期待リターン計算 ↓ ⑤ リスク評価 ↓ ⑥ 投資判断
霊夢「完全にプロセス化されてる!」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- 株価から期待リターンを計算
- NPV / IRRで投資価値を判断
- リスク込みで評価する
- 安全余裕を確保する
魔理沙「ここまでできれば“投資で勝つための道具”は揃った」
霊夢「次は品質管理ね、モデルを壊さないやつ!」
📘 第15章 モデルの品質管理
🎙️ 導入
霊夢「ここまででモデルは作れるようになったけど…」
魔理沙「そのモデル、信用できるか?」
霊夢「うっ…」
魔理沙「ここからは“品質”の話だ」
🧠 1. エラーチェック(デバッグの仕組み)
霊夢「Excelってバグっても気づきにくいよね」
魔理沙「だから“気づく仕組み”を入れる」
🎯 基本思想
エラーは必ず起きる → だから検知する
🧪 チェック①:BS一致(最重要)
資産 -(負債 + 純資産)= 0
霊夢「0じゃなかったら即アウト」
魔理沙「モデル崩壊だな」
🧪 チェック②:現金整合
BS現金 - CF積み上げ現金 = 0
霊夢「現金がズレると全部怪しい」
🧪 チェック③:符号チェック
魔理沙「地味だけど一番バグる」
- 売掛金↑ → 現金↓
- 在庫↑ → 現金↓
- 買掛金↑ → 現金↑
霊夢「逆にすると無限にお金増えそう」
魔理沙「“永久機関モデル”完成だな(アウト)」
🧪 チェック④:極端値テスト
魔理沙「これやると一気に精度上がる」
🎯 方法
- 売上 = 0
- 成長率 = 100%
- Churn = 100%
霊夢「壊れないか確認するのね」
🧪 チェック⑤:整合性チェック
利益剰余金 = 前期 + 利益 - 配当
霊夢「PLとBSのつながり確認ね」
🧠 2. 監査可能性(Auditability)
霊夢「監査って…ちょっと怖い響き」
魔理沙「簡単に言うと“他人が理解できるか”だ」
🎯 基本思想
他人が読めないモデルはゴミ
霊夢「辛辣!」
📊 良いモデルの条件
✅ トレース可能
- 数字の出どころが追える
✅ 一方向フロー
Input → Calc → Output
✅ シンプルな数式
魔理沙「ネスト地獄は禁止」
❌ 悪い例
=A1*1.05+B2*C3*0.8-IF(...)
霊夢「読めない…」
✅ 良い例
- 分解する
- 中間セルを使う
🧠 実務テク
🎯 色分け
- 入力:青
- 計算:黒
- 外部:緑
🎯 コメント
- 前提を書く
- 単位を書く
🎯 名前定義
- revenue_growth_rate
- churn_rate
霊夢「完全に“読みやすいコード”ね」
📚 3. ドキュメント化(地味だけど超重要)
霊夢「これ一番サボりがち」
魔理沙「そして一番差がつく」
🎯 書くべきもの
📌 ① モデルの目的
- 投資判断
- 事業計画
📌 ② 前提条件
- 成長率
- 利益率
- WACC
📌 ③ 計算ロジック
- 売上モデル
- コストモデル
📌 ④ 制約・注意点
- 仮定の限界
- 未考慮リスク
霊夢「これだけで理解度全然違う」
🧠 ドキュメントの本質
魔理沙「これだ」
モデルは“ブラックボックス”にするな
霊夢「説明できないモデルは危ない」
💡 実務での使い方
📊 モデル本体
→ 計算
📄 ドキュメント
→ 説明
霊夢「コードとREADMEみたいな関係ね」
💥 よくある失敗
❌ 本人しか理解できない
→ 引き継ぎ不能
❌ 前提が不明
→ 意味のない数字
❌ 更新されない
→ 死んだモデル
魔理沙「“使われ続けるモデル”を作れ」
🧠 上級者の視点
魔理沙「ここまで来たらこれを意識」
良いモデル = 正確 × 読める × 壊れない
霊夢「全部必要なんだ」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- エラーチェックでバグを検知
- 監査可能性で“読めるモデル”にする
- ドキュメントで理解と再利用を促進
魔理沙「ここまでできれば“プロ品質”だ」
霊夢「次はPython、ついに自動化!」
📘 第16章 Pythonでの財務モデリング
🎙️ 導入
霊夢「Excelでモデル作れるようになったけど…正直ちょっとしんどい」
魔理沙「分かる。複雑になるとすぐ限界くる」
霊夢「コピペ地獄、バージョン管理なし…」
魔理沙「そこでPythonだ。ここからは“コードで財務モデリング”」
🧠 1. なぜPythonを使うのか
霊夢「Excelじゃダメなの?」
魔理沙「ダメではない。でも限界がある」
⚖️ 比較
| 観点 | Excel | Python |
|---|---|---|
| 可視性 | ◎ | ○ |
| 再現性 | △ | ◎ |
| 自動化 | △ | ◎ |
| 拡張性 | △ | ◎ |
霊夢「“再現性”と“自動化”が強いのね」
💡 本質
Excel = 手作業 Python = プログラム
🧩 2. pandasで三表構築
霊夢「どうやって三表作るの?」
魔理沙「DataFrameで作る」
🧱 基本構造
import pandas as pd years = [2024, 2025, 2026] pl = pd.DataFrame(index=years) bs = pd.DataFrame(index=years) cf = pd.DataFrame(index=years)
霊夢「年ごとのテーブルね」
📊 PLの構築
pl["revenue"] = [100, 120, 150] pl["cost"] = [60, 70, 80] pl["profit"] = pl["revenue"] - pl["cost"]
霊夢「普通に計算できる!」
🏦 BSの構築
bs["equity"] = pl["profit"].cumsum()
霊夢「利益が積み上がるやつ!」
💧 CFの構築
cf["net_income"] = pl["profit"] cf["cash"] = cf["net_income"].cumsum()
魔理沙「これで三表連動の最小構成だ」
🧠 ポイント
- 時系列で管理
- 計算は列単位
- 依存関係が明確
霊夢「Excelより“コードとして読める”ね」
🔁 3. シミュレーション自動化
霊夢「これ一番やりたいやつ!」
魔理沙「Excelだと面倒なやつ全部楽になる」
🎯 例:成長率シミュレーション
import numpy as np growth_rates = np.linspace(0.01, 0.1, 10) results = [] for g in growth_rates: revenue = 100 * (1 + g) ** 5 results.append(revenue)
霊夢「一気に10パターン!」
🎲 モンテカルロ
simulations = 1000 results = [] for _ in range(simulations): growth = np.random.normal(0.05, 0.02) revenue = 100 * (1 + growth) ** 5 results.append(revenue)
霊夢「ランダムで未来作ってる!」
📊 分布を見る
import matplotlib.pyplot as plt plt.hist(results) plt.show()
霊夢「Excelじゃ大変だったやつ!」
💡 メリット
- 高速
- 再現可能
- 拡張しやすい
🌐 4. APIデータ連携(最強)
霊夢「これ来た、リアルデータ!」
魔理沙「ここから“自動更新モデル”になる」
🎯 例:株価取得
import yfinance as yf stock = yf.Ticker("AAPL") data = stock.history(period="1y")
霊夢「勝手にデータ取れるの!?」
📊 指標計算
data["return"] = data["Close"].pct_change()
📈 応用
- 売上データAPI
- 金利データ
- 為替
魔理沙「全部モデルに流し込める」
🔄 自動化の完成形
データ取得 → モデル更新 → 結果出力
霊夢「完全にシステムじゃん」
🧠 エンジニア的メリット
🎯 バージョン管理(Git)
- 変更履歴管理
🎯 テスト
- バグ検出
🎯 再利用
- 関数化
霊夢「Excelより“開発”って感じね」
💥 注意点
❌ コード複雑化
→ 読めなくなる
❌ 可視性低下
→ グラフで補う
魔理沙「“読みやすいコード”が命」
🎬 まとめ
霊夢「今回のポイント!」
- pandasで三表を構築できる
- シミュレーションを自動化できる
- APIでリアルデータ連携
- Pythonで再現性と拡張性UP
魔理沙「ここまでできれば“財務モデリング×エンジニア”だ」
霊夢「次はAI、未来っぽくなってきた!」
📘 第17章 AI × 財務モデリング
🎙️ 導入
霊夢「ついにAIきた…!これ全部自動になるの?」
魔理沙「半分はなる。でも“使い方”で差がつく」
霊夢「魔法じゃないのね」
魔理沙「“強力な補助輪”だと思え」
🧠 1. ChatGPTでモデル生成
霊夢「まず何ができるの?」
魔理沙「モデルの“骨組み”を一瞬で作れる」
🎯 できること
- 売上モデル設計
- 三表構造生成
- KPI設計
- Pythonコード生成
💬 例:プロンプト
SaaSの財務モデルを作りたい MRRとChurnを含めた三表連動モデルを設計して
霊夢「これだけでいいの?」
魔理沙「かなり出る。ただし…」
⚠️ 注意
- 完全には正しくない
- 前提が曖昧だとズレる
💡 コツ
魔理沙「これが重要」
🎯 良いプロンプト
- 目的を書く
- 前提を書く
- 出力形式を指定
🧮 例
5年間のDCFモデルを作って 売上成長率5%、WACC8%で Excel形式で出力
霊夢「“仕様書を書く”感じね」
🔁 2. 自動シナリオ生成
霊夢「これめっちゃ便利そう」
魔理沙「人間だと偏る部分を補える」
🎯 やること
Bull / Base / Bear を自動生成
💬 例
この会社の強気・弱気シナリオを作って 成長率・利益率・リスクも含めて
霊夢「ストーリーまで作ってくれる!」
💡 強み
- 発想の幅が広がる
- 見落とし防止
- 複数視点
⚠️ 注意
魔理沙「そのまま信じるな」
霊夢「出力を“叩き台”にするのね」
🧠 3. 意思決定支援
霊夢「ここが一番気になる」
魔理沙「AIは“判断”じゃなく“補助”だ」
🎯 使い方
📊 モデル結果を入力
DCF結果、シナリオ分析、KPIを渡す
💬 質問
この投資のリスクとリターンを評価して
霊夢「分析してくれる!」
💡 AIの役割
- 仮説の整理
- リスクの列挙
- 視点の追加
❌ やってはいけない
- 丸投げ
- 鵜呑み
魔理沙「最後に判断するのは人間だ」
🧠 AI × モデリングの本質
人間:仮説を作る AI:展開・検証を加速する
霊夢「役割分担ね」
📎 付録
❌ よくあるミス集
💥 モデリング編
- PLだけ作る
- CFを無視
- 運転資本を忘れる
💥 設計編
- InputとCalcが混ざる
- ハードコード
- スパゲッティ構造
💥 分析編
- DCFを1ケースで信じる
- WACC適当
- ターミナル過大
🧱 モデルテンプレート
📊 基本構成
Input ↓ Revenue Model ↓ Cost Model ↓ PL ↓ CF ↓ BS ↓ Output ↓ Check
⚡ ショートカット・関数集
Excel
- SUM
- IF
- INDEX / MATCH
- XLOOKUP
Python
df["growth"] = df["revenue"].pct_change()
📚 財務用語辞典(厳選)
💰 FCF
自由に使える現金
📊 WACC
資金コスト
📈 IRR
投資利回り
🔁 Churn
解約率
⚖️ LTV
顧客生涯価値
🎬 最終まとめ
霊夢「ついに全部終わった…!」
魔理沙「ここまで来たらこう言える」
財務モデリングは “未来を考えるための言語”
霊夢「なんかかっこいい…」
🧠 この本でできるようになったこと
- 三表モデル構築
- 売上・コスト設計
- キャッシュ管理
- 企業価値評価
- 投資判断
- AI活用
魔理沙「あとは“使い続けること”だ」
霊夢「実際に投資とかプロジェクトで回すのね」
魔理沙「そう。モデルは“使って育つ”」
霊夢「なんかコードみたい」
魔理沙「その通りだ」
