人は体の内側を見せることに意外と抵抗がない。
と言うのは、先日、職場で胃カメラの検査をした人がいた。
その人が午前中の検査を終えオフィスに戻ってきて以来、しきりにため息をついている。
ふと、検査が辛かったのか尋ねると、麻酔が冷めて以来どうもだるいとのこと。
そして麻酔がすぐ効くことへの恐怖や、検査後二度寝してしまったことなどを聞いた。
「意識がすぐになくなって、次の瞬間には検査が終わっていて、本当に検査していたのかと思う」と言うので、「あ、でも検査結果はすぐ見せてもらえたのではないですか」と聞くと、にっこりしてポケットから小さく畳んだ紙片を取り出し、断る間もなくサーモンピンクの胃や食道の写真を見せてくれた。
そういえば半年前くらいにも、指を骨折した人に、骨が折れている様子のレントゲン写真を見せてもらった。
こちらも怪我のことを聞いた瞬間、表情がパッと輝き、すぐさまポケットからスマホを取り出して画像を見せてくれようとした。
こちらは年が近い人だったのと、画像を探すのに少し時間がかかったのとで、あまり痛そうな写真は見たくないと言うことができたが。
サンプルは二つではあるが、人は体の内側を見せることに抵抗がないどころか、むしろ見せたいことが多いのではないか。
自分に置き換えてみると、見せたいとまではいかないが、別に胃の中の写真を見せることに抵抗はない気がする。
でももしこれが、口の中の写真だったら嫌だ。
それは多分、口の中は見慣れていて、あまりいい状態ではないとか汚いとかが、わかるからではないか。例えば人の顔のわずかな違い。それがわかるのも、毎日色々な人の顔を見ているからだろう。
検査時の何もない「胃」や、「骨」は、見慣れないものでいわば非日常。比較や判断の対象があまりないから(お医者さんは感覚が違うのだろうか)、見せることに抵抗がないのかもしれない。見る方もどう見ていいのかわからない。
だからといって嬉々として見せる理由は、やはりよくわからないのだが。