お昼にチェーンの牛丼屋に行った。
期間限定の生姜がのったものにしようとしたら、もう期間が終わっていた。おいしかったので残念だ。
気を取り直し、メニューを見直すと、新しくしじみの味噌汁と漬物が付いたセットが登場していたのでそれにする。しじみの味噌汁大好き。
普段からよく、しじみの味噌汁は飲む。ただし一食分ずつパウチになったインスタントの味噌汁をお湯に溶かしたものだが。でもそこに麩と、乾物の野菜を足しただけで、震えるおいしさ。
インスタントでそんな調子なのだから、久々の本当の貝が入ったしじみ汁は、さぞかしおいしかろうと期待して、料理が来るのを待った。
数分でスタンダードな牛丼と、しじみ汁、白菜が主な漬物のセットがやってきた。
味噌汁の器が思ったより大きかった。そして、貝の量も思ったより多かった。嬉しかった。
一口啜ると貝の出汁の味。疲労が溜まった金曜の心身にしみわたる。
しばらく牛丼、味噌汁、漬物の三角食べのラリーを数回繰り返した後、はたと思った。
この大量の貝の身はどうしよう。
二つに開いた貝殻の中にはちゃんと身がある。
うろ覚えだが多分、しじみ汁の身は食べなくても良いと聞いたことがあるような気がした。しかし、実際にしじみの味噌汁を前にして、貝の身を残したことはない。おいしくて食べたいからだ。
ただ、それはしじみの数も知れていたからで、ちょいちょい摘んだところで、大した労力ではなかった。
しかし今回のしじみの量はどうか。
大きめの椀の三分の一は貝が占めているように思える(私感)これを全部つまんで食べる?時間がかかるし、周りの人に意地汚いとか思われやしないか。
牛丼を食べながら考えること数十秒、「いや食べよう」と思った。
好きだから食べたい。それだけだ。
そんな訳で、ちょっと恥ずかしかったけれども、時間をかけて、しじみの身を食べ切った。行儀が悪いのかもしれないけど、漬物の皿に貝殻を一時非難させて、最後に椀に戻した。
ところでこの店は、外国ルーツの店員さんが主で、こういうお店を保ってくれてありがとうと思いながら通っている。しかし客は日本人ばかりなのが、なんか歪だなと思う。
店員さんたちの間で、「あの人、しじみの身全部食べた」と噂されたりするかなと思いつつ、店を後にした。
なんか食べ物を残さない人だとあの人たちに思われたい。そんな気持ちもあったことに後で気づいた。