なんか頭が重いので、ちょっと奮発して「ドライヘッドスパ」というのを受けた。
お店は初めて行くところで、たまに行くスーパー銭湯に併設されているマッサージ屋だ。
なんとなく「ヘッドスパ」に美容的なイメージがあり、てっきり女性が担当かと思ったら、男性が担当で焦った。
歳の頃は四十台後半から五十台前半といったところか、髪色が明るいおじさんだった。
やや緊張しながらベッドに横たわると、顔と体にタオルを載せられる。呼吸のためなのか、口周りだけ載せられなかった。でも顔の大部分が隠れてホッとした。
施術は力が強くて、しっかりほぐれている感じがして気持ち良かった。しかし首の上の方と、般若の面のツノが生えているあたりが、メチャクチャ痛く、吐きそうだった。
痛いと言えず我慢していたのだが、口が歪んでいたのでバレる。口がむき出しなのは、こういうリアクションを見る目的もあるのかもしれない。
首や顎周り、肩もやってくれ、すごくスッキリした。
一つだけ引っかかっているのは、マッサージ師さんが寡黙だったので、油断してただマッサージを味わっていたら、終わる直前に「どうですか」といきなり話しかけられ、「気持ちいいです」と慌てて答えた自分の声がすごく気持ち悪かったことだ。
マッサージが終わり、椅子に座ってお茶をいただいていると、頭の中が静かなことに気付いた。
ここのところ頭の中で、ずーっと小さな複数の自分がそれぞれひっきりなしに喋っているような感じだったが、喋るどころか一人もいなくなっていた。
お茶を飲み干し、テーブルの上のカゴに入っていたのど飴を一個もらって、マッサージ師さんにお礼を言って店を出た。