日が暮れた帰り道、自転車を走らせていたら、右前方の歩道を歩いていた男性が、少し驚いたふうにしていた。
何に気づいたのだろうと、その視線の先を見ると、彼岸花が街灯に照らされていた。小さな公園の道路側の端にいつの間にかたくさんの赤い花が並んでいる。
昨日も今朝も見た記憶がない。きっとその男性も同じ気持ちだったのだろう。そういえば毎年、「もうすぐ咲きそう」みたいな段階なしで、いきなり咲くものだったような気がする。
小学生くらいの頃、「彼岸花を舐めると舌が曲がる」という噂話を聞いた。舌は柔らかいから元々どうにでも曲がるのではないかと思いつつ、何だか怖いと思って、彼岸花にはあまり近寄らなかった。