春のコートを作ることにした。そのためにはまず、型紙の用意がいる。
休日に一念発起し、洋裁の本に付いていた型紙の用紙をガサガサと床に広げた。
76センチ×109センチの大きなサイズに、複数の洋服のパーツの形が重なって印刷されている。また、それぞれにS~XLサイズがあるので、複雑極まりない。しばし唖然とした。
洋裁は初心者である。また、最近は過去に作ったことのある物を作っていたので、型紙の用意をするのは久々だ。以前、この作業をした時のおぼろげな印象は、大変だったという思いが強い。
とはいえ、初めてではないのだからなんとかなるはずと思い直す。前の記憶も薄れているというのに、奢りがムクムクと湧いてきた。
確かこの前は必要なパーツの線をラインマーカーでなぞってから、トレーシングペーパーを重ねて、その線をなぞって、切り抜いた。いや、でもそろそろ慣れてきているかもしれないし、ラインマーカーの工程要らないかも。
あろうことかその日は、いきなりトレーシングペーパーを重ねて線をなぞり始めた。しかし、わずか1分ほどで線を見失うことになる。私は大人しくラインマーカーを手に取った。そして、トレーシングペーパーの上の間違った線を消しゴムで消す。濃い鉛筆の線が横に伸びて消しにくい。