USB 3.0搭載のWindowsマシンは、今では当たり前となりつつある。必ずと言っていいほどUSB2.0ポート以外にUSB3.0のポートも搭載されている。しかし、Macは2012年夏に登場したMacBook Proの最新モデルでようやく対応した。

実はハードウェア的にはすでにUSB3.0には対応していたのだが、トラブルフリーで使えるようになったのが、2012年11月のファームウェアアップデートからだ。

それまでは、周辺機器との相性問題の影響でMacマシンでUSB3.0を使うというまでには至っていなかったのだ。

いまどきのWindowsパソコンでは、デバイスドライバの対応など、最低限のことさえ用意されていれば、周辺機器との相性問題などに遭遇することはほとんどない。もともとWindowsパソコンで使われることを想定して周辺機器が作られるためだ。USB3.0は、ハブも使えたし、下位のUSB2.0機器を接続しても認識するといった感じでトラブルフリーで利用できていた。

いっぽうのMacのUSB 3.0対応は、ハードウェアとしてはすでに対応していたものの、非対応な部分もあった。たとえば本体のUSBポートからUSB 3.0機器を直接使う限りは問題ないのだが、USB 3.0対応のハブにUSB 3.0対応HDDを接続した場合などで問題が発生し、こうした使い方ができなかったのである。

具体的に発生する症状を紹介すると、USB 3.0ハブを通してUSB 3.0 HDDを使用している状態でMacがスリープに入り、復帰するとHDDの接続が切れているといったこと。また、使用中にHDDへの接続が突然切れるなどの問題があった。書き込みを行っている最中に接続が切れてしまえば、データを失ってしまう。

ひょっとすると使用できる機器の組み合わせがあったかもしれないが、筆者がいくつかの組み合わせで試した限り、接続自体が切れてしまうので、まともに使えない状況だった。

■ファームウェアのアップデートでようやく対応


MacでのUSB 3.0対応は、第3世代インテルCoreプロセッサーファミリーに使われているチップセットのPanther Pointを採用したことで実現している。このPanther PointとUSB 3.0ハブの相性の問題かと思い、Panther Point対応をうたうサンワダイレクトのUSB 3.0対応ハブを使用しても状況は同じだった。

こうなると、おそらくMac側の問題なので、Appleが対応するまでは待つしかなかった。ファームウェアの対応で直るということは、ことも直さずMac側に問題があったことがわかる。

USB3.0を搭載する最新のMacBook Proは、2012年6月に発売されてから現在の11月まで約5か月。ようやくこの問題に対応するファームウェアが公開された。

MacBook AirおよびMacBook Proアップデート2.0

新ファームの公開後しばらく使用しているが、HDDの接続が切れるような致命的な問題は発生していない。いまさらながらWindowsマシンでは、ごくごく当たり前のことがようやくMacでできるようになったことはうれしい限りだ。

これでMacでもUSB 3.0を本格的に使用できるようになった。OS側の対応だけでなく、ハード側の問題が解決されないと、まともに動作しないという好例だといえるだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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