国内パソコンメーカーがテレビ機能を重視しているのは、今に始まったことではない。NECによる、Twitterと連携した「つぶやきプラス」など独自のものもあるが、トレンドは、OSの起動を待たずにテレビだけをすぐに視聴できるもので、この夏モデルでほぼ出そろった形になっている。

実は、各社の機能には微妙な違いがあるので、ざっと紹介しておこう。

■機器の初期化で時間がかかる
パソコンでテレビを見ようとすると、視聴アプリケーションの起動が遅いのに戸惑う。アプリの起動時に機器を初期化するためで、仕方のないことなのだが、いかんせん気になる。この点から、OSの起動とは別にテレビがすぐに見られる機能というのは、一定の需要があることは間違いない。

実は、こうした機能はアナログ時代のパソコンには搭載されていたことがあった。だが、放送波がデジタル化されると、圧縮された放送データをハードウェア的に伸張する処理を行う回路が必要でコスト高となる。この機能がしばらく見られなかったのは、このような事情だ。

これが、コスト面の改善と新たな機能面の差別化が必要になったことから、再度、搭載されているという流れだ。

■各社の名前は違うが…
さて、各社とも同じような機能なのだが、名前はそれぞれだ。

・NEC:ぱっと観テレビ
・富士通:クイックテレビ
・SONY:スグつくTV
・東芝:今スグTV

ネーミングの善し悪しを論じるつもりはないが、要するに「速い」という点を強調していることが分かる。OS起動後のテレビ視聴の際、動作がもたつくことを十分に意識している証拠ともいえるだろう。

■機能は微妙に違う
さて、この機能に関する各社製品の機能は、微妙に異なる。

たとえば、地デジ/BS/110度CSの3波ともすぐに見られるのはNECだけで、他社は地デジのみのサポートだ。NECでは、B-CASカードも1枚ですむようになっている(ユーザーの利便性に大きな違いはないが)。

この機能を使用時の番組を録画するとなると、やや複雑だ。NECなどの製品では、OSがおっかけ式に起動するのを待って録画しなければならないが、SONYでは外付けHDDを専用ポートに接続することですぐに録画できる。ただし、この外付けHDDに録画した番組は、パソコン側から見ることはできない。

以上のような点が見られることから、OS起動を待たないテレビ視聴機能には、まだ改善の余地があると言えそうだ。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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