マイクロソフトが自社のハードウェアとして、Surfaceというタブレット端末を発売することを2012年6月18日に発表した。OSやアプリをパソコンメーカーに提供する立場から、それを搭載するPCまでも提供するようになったのだろうか? これによってパソコンメーカー、特に日本のメーカーにはどういった影響があるのだろうか、このマイクロソフトの方針転換は驚異的とも言われてもいるが、今後もPCを出し続けるのだろうか?
■どんな製品かはまだわからない
マイクロソフトが公開したタブレット端末のSurfaceは、基本的なハードウェアスペックが公開され、その外観が公開されただけだ。一般的にハードウェアが公開されたタイミングで、報道関係者などが触れてみることが多いが、今回はマイクロソフト関係者以外にほとんど誰もまともに触れてもいないようだ。

これはWindows RTを搭載した試作品を、COMPTEX TAIPEI 2012でも関係者以外に触れさせなかったのと似ている。実際はハード、ソフト共に未完成な部分が多かったためだと思われる。発表会でも一度デモ機を交換していた。

もしもアップルや東芝、NEC、ソニー、Acer、HPなど、過去に似たようなタブレット製品を自社で開発販売しているメーカーの製品なら、それなりの完成度の製品を出してくることが予想できたが今回はマイクロソフトが提供する初めてのタブレットPCということもあり、見えない点が多すぎる。

マイクロソフトの場合、今まで成功したと言えるハードウェアはマウスとWebカメラ、XBOX360など数少ない。Surfaceはカバーと一体化したキーボードなど魅力的な点はあるが、ハードウェアとしては製品として出てくる実物を触ってみないと評価は難しい。

ハードウェアだけでは無く、OSやアプリなど含め、タブレットでは唯一成功しているといえるiPadに対抗できる製品かどうかは未知数だ。製品が発売し、アプリなどがある程度そろい、実際に触ってみるまでは、この製品を評価することは難しい。

■Windowsタブレットはそもそも受け入れられるのか?
Windows 8やWindows RTでは従来のデスクトップ画面に加え、Metro UIというタッチパネルなどに最適化したインターフェースが搭載される。Windows 7などで一般的なデスクトップ画面を単純にタッチパネルで使用しても、専用のペンなどを使えばある程度使える物の、指で使う場合、アイコンなどのUIはマウスに最適化されているため、うまく使う事ができない。

現在公開されているWindows 8のMetroインターフェースなら、ある程度、指での操作も快適な部分はあるが、対応ソフトの種類など含めiPadなどに比べると、まだまだこなれていない部分が多い。Windows 7搭載のタブレット(いわゆるSlatePC)はオンキヨー、HP、DELL、NECなどがすでに販売している。Windows 7を搭載し、それなりに売れている?のかもしれないが、ヒットしているわけではない。

これがWindows 8やWindows RTで大きく状況が変わるのかどうかはまだわからない。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

デジ通の記事をもっと見る
iPhone 4Sの音声認識機能は使える 新しいiPadでも使える音声認識
英語の音声認識で英会話練習 自分の発音を客観的に知る方法
サービス終了後はどうなる!電子書籍は永遠に読めるのか
キンドルが日本に参入する?Amazonの電子書籍をおさらい
iPhoneが据え置きゲーム機も殺す?多機能化するスマートフォン



キヤノン
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


タグ :
#PC
#SURFACE
#タブレット
#スレート
#Tablet
#サーフェース
#マイクロソフト
#Microsoft
#パソコン
#デジ通