日頃使っているアプリケーションなのに、何かの機会に思わぬ機能に気づくことがある。それによって、アプリの新たな魅力を発見することもあるし、これまで気づかなかったことを後悔することさえある。

今回は、iOS(iPad、iPhone、iPod touch)をはじめ、MacOS Xのデフォルトブラウザで、Windows版もあるWebブラウザ「Safari(サファリ)」の機能を取り上げたい。


■SafariのベースはGoogle Chromeと同じ
Safariはアップルが開発しているWebブラウザだが、もともとは、UNIX系OS用のデスクトップ環境「KDE」の一部であるブラウザレンダリングエンジン「Konqueror(コンカラー)」をベースに開発されたものだ。

アップルはこのレンダリングエンジンに手を加え、「WebKit(ウェブキット)」として公開。Safariのほか、GoogleのGoogle Chrome、iCab(アイキャブ)、Lunascape(スナスケープ)などのWebブラウザで利用されている。

■文字に集中できる「リーダー」機能
レンダリングエンジンの部分が同じでも、各Webブラウザには独自の機能がある。Safariの場合、そのひとつが「リーダー」機能である。

「リーダー」機能は、Webページに表示される画像や広告、ヘッダ・フッタ要素などを取り除いて表示するもの。ページにアクセスした際、URL横の「リーダー」ボタンをクリックすると使える。通常、「リーダー」ボタンはグレーで表示されているが、このモードに切り替えるとパープルに変わる。

何が便利かというと、ページの内容をシンプルに、文字要素だけで表示するため、コラムや論説などのページを、集中して読むことができること(記事内の画像は表示される)。最近のサイトは3ペイン構成が増えるなどで、ページあたりの要素が多い。それだけに、しっかり読みたい内容の場合に、他の要素にわずらわされないことは大事なのだ。ただ、ページの形式によっては、利用できないサイトもある。

■複数ページの記事を一度に表示
もうひとつ、「リーダー」機能を使うと、複数ページにまたがった記事を、いちどに閲覧できることがあるのだ。たとえば、「毎日新聞」や「産経新聞」の社説(産経は「主張」)、「日本経済新聞」のインタビューは、1つの記事を複数ページにわたって掲載している。日によっては4~5ページにもなることもあり、少し読んでは「次へ」ボタンをクリックするのは、実に面倒だ。

「リーダー」機能を使うと、これを一覧でき、スクロールで全体を読むことができる。ここから文字列のコピーや拡大・縮小、メール送信、プリントもできる。

ただ、複数ページにわたる記事を常に1ページに表示できるわけではない。たとえば、ロイターのサイトでは、「毎日」や「産経」のようには表示されない。

「リーダー」は実に地味な機能だが、実によくできている。Webブラウザをめぐる競争は激しいだけに、さらに「かゆいところに手が届く」機能が登場してくることが楽しみだ。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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