富士通が2012年夏モデルPCの発表に合わせ、「My Cloud」というコンセプトを発表した。iPhoneやiPadで高収益を上げるアップルは、端末そのものとiTunesなどのサービスを合わせた事業を展開している。富士通もアップルと同じようにスマートフォンやタブレットPC(SlatePC)を提供しているが、アップルとは異なり、サーバーやスーパーコンピューターといったPCを取り巻く環境全部を自社の製品でまかなえる。こうしたリソースをうまく連携したクラウドサービスを行うことでPC事業をさらに強化していくようだ。
富士通は高齢者向けのらくらくホンで撮影した画像を、クレードルに置くだけでらくらくパソコンに転送するような機能を以前から用意していた。この機能を発展強化したのが、今回の発表に含まれる「My Cloud-P」だ。こちらはパソコンを中心に、スマートフォンやタブレットなどとデータを連係する家庭内クラウドとなる。そして、2012年10月に提供予定なのが、インターネット上のサーバーで提供されるクラウドサービスの「My Cloud-S」だ。



このMy Cloud-PとMy Cloud-Sをつなぐプラットフォームを富士通が提供する。それが「マイクラウド・プラットフォーム」だ。ここでは認証、課金、顧客管理、広告配信などを富士通が提供することにより、各事業者はこのプラットフォームを使用することで、サービスの提供のハードルが下がり、ユーザーは様々なサービスを1つのIDで使えるようになる。



2012年夏モデルでは、My Cloud-Pが使用可能で、写真を顔認識技術などで整理し、音声認識を使ったアルバム作成などができる。これらの機能は、My Cloud-Sが提供される2012年秋以降に拡充されるようだが、現時点ではクラウドサービスの典型的な利用例でしかなく、この機能があるからFMVを買おうと思う方はほとんどいないだろう。

しかし、My Cloud自体、今後エアコンなどのコントロールのホームオートメーションや、教育、医療分野などサービスを広げていく予定だという。これからのサービス拡大と、PCやスマートフォンなどのと連携で魅力的なサービスに育てていくようで、今後に期待したい。

富士通 マイクラウド

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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