「隠れSATAポート」を活用し、インテルの最新SSD「Intel 520シリーズ」を旧型Macに取り付けて爆速ウハウハになってやろうという企画(続編)も、いよいよ最終回。前回の連載ではとん挫したSSDの認識にも成功、OSのインストールも無事終わり、いよいよ検証である。




■見事SSDからの起動に成功!
いよいよ起動を確認してみる。まずはeSATA経由で接続した外付けSSDケース「MAL-1335B/S」のPowerボタンを押し、続いてMacProの電源を入れる。ここで注意、SSDを起動ディスクにするため電源オン直後に[オプション]キーを押しっぱなしにする。そうすると起動ディスクを選択する画面になる。この選択画面に接続したSSDが表示されていれば、成功は保証されたようなものだ。もちろん結果は、無事に起動ディスクに指定できた。

■HDDの6割前という短時間で起動
起動はさすがに速い。上のグラフは、SSD装着前のMacProの起動時間を100として比較したものだ。参考までに、2年前のMacBookによる値も記しておく。結果は、HDDの6割前後の時間で起動する快速ぶりである。時間にすると、HDDでは起動に40秒以上を擁したが、SSDでは25秒前後と15秒以上短縮された。

若干の差はあるが、アプリケーションの起動もほぼ同等の高速化が体感できた。ただ、MacOS Xはキャッシュ機能をもっており、一度起動したアプリなら、システムの再起動を行わない限り、2回目以降の起動が劇的に高速化される。AdobeのDreamweaverでテストした結果、HDDもSSDも2回目以降は半分程度に短縮されたが、短縮の割合はHDDの方が大きかった。この結果、SSDからの起動はHDDの9割程度の時間になり、両者の時間差はごくわずかなものとなった。

なお、インテル520シリーズよりも古い、A-DATAの「S596 Turbo」でも同様のテストを行ったが、520シリーズとの差は誤差程度のものにとどまったことを付記しておく。

■書き込み速度は大きな効果なし
次に、ファイルの書き込みに関する検証だ。約750枚、合計1Gバイトの画像ファイルの入ったフォルダを、同一ボリューム上で複製してみた。同じく、HDD接続の場合を100とした数値である。

ここでもSSDが高速だったがHDDとの差はわずかなものとなった。MacBookが極端に遅いのは、メモリ容量の少なさとHDDの速度が原因であろう。書き込み速度では、HDDに対するSSDの大きなアドバンテージは体感できなかった。

■インターフェース速度がSSD性能を最大限引き出せていない
検証機種である旧MacProのポートは初代SATAで、最大1.5Gbpsしか出ない。最近のSSDは高速化が著しい分、インターフェースの性能に影響される。この点でSATA III(6Gbps)に対応したIntel 520シリーズの性能を引き出すには、残念なことに旧MacProでは「役不足」ということになる。

検証結果、とくに書き込み速度を見る限り、この旧世代インターフェースが、SSDの効果を殺してしまっているように思える。Intel 520シリーズと、A-DATA製「S596 Turbo」(SATA II[3Gbps])との差がほとんどないのは、これも一因だろう。

それでもSSDによる起動の高速化はめざましく、日々、その恩恵に浴することになった。高速環境を手に入れたいMacユーザーは、SSD搭載が可能であれば、試してみるのもよいだろう。言うまでもないが、“自己責任”でお願いする。

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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