「iCloud」はAppleの製品、すなわちiPhone、iPad、iPod touch、Apple TVを便利に使うためのクラウドサービスである。その意味で「閉ざされた」サービスとも言えるが、いったん設定すれば意識せずに利用できるという点で、非常にすぐれたものだ。

■意識せずに使えるクラウドサービス
iCloudは、iPhoneやiPad、iPod touch、Apple TVはiOS 5、MacはOSにMacOS X 10.8(Lion)、Windows 7、Vistaで利用できる(ソフトのインストールが必要)。

サービスの内容を一言で表現すると、iPhoneなどで加えたデータの変更を、他のデバイスに自動的に反映させるものだ。従来も、パソコン上のiTunesを介することでデータの同期は可能だったが、iCloudを使うことで意識せずに行えるようになる。

■iCloudの対応ソフトは?
iCloudに対応したソフトやデータは、現状では以下のようなものだ。

予定表…Outlook 2007/2010(Windows)、iCal(Mac)
住所録…Outlook 2007/2010(Windows)、AddressBook(Mac)
写真〈フォトストリーム〉…iPhoneで撮った写真、「マイピクチャ」フォルダ(Windows)、iPhoto 9、Aperture 3(Mac)
楽曲…iTunes Storeで購入した曲(Windows、Mac)
お気に入り…Internet Explorer 8/9(Windows)、Safari(Windows、Mac)
メール…Outlook 2007/2010(Windows)、Mail(Mac)
メモ/リマインダ…Outlook 2007/2010(Windows)、Mail(Mac)
本、アプリ…AppStore、iBookStore で購入したもの(Windows、Mac)
各種書類…Pages、Keynote、Numbers(Mac)

予定表、住所録と一部書類は、ブラウザからも閲覧・編集できる。なお、パソコンに保存したデジカメ画像がiCloudで保存されるのは30日間。iOSデバイスで見られるのは直近1000枚までで、転送時に解像度が調整される。このサービスは、Wi-Fi/Ethernet経由でのみ同期できる。その他、アプリの設定も同期でき、なくした iPhoneやMacのありかを探すこと、デバイスの初期化もできる。

■MobileMeのストレージは来年6月まで
iCloudは、5GBまで無料で利用できる。写真や購入した楽曲の容量は換算されないので、ふつうに使うには十分な容量だ。追加もでき、最大追加容量は50GB。なお、旧サービスである「MobileMe」のユーザーは、ストレージサービス「iDisk」も含め、来年6月末までの期限で25GBまで利用できる。

米国では、ユーザー自身がリッピングして取り込んだ楽曲も同期できる(有料)が、日本ではできない。従来通り、ケーブルでパソコンに接続して転送する必要がある。

■まとめ
Apple製品のためのクラウドサービスであり、今後、Mac版では対応ソフトが増えてくるだろうが、問題はWindows版ソフトへの普及だ。とはいえ、意識せずに使えるシンプルさは秀逸。

iPhone、iPadなどのユーザーであれば、使わない手はないサービスだ。

対応OS:Windows7/Vista、MacOS X(10.8)
対応スマートフォン:iOS
対応ソフト:Webブラウザ
共有機能:一部
価格:無料(5GB)、1700円/年(15GB)、3400円/年(25GB)、8500円/年(55GB)
ボーナス:なし

iCloudコントロールパネル(Windows)

大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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