NVIDIAの最新グラフィックス「GeForce GTX 580」


コンピューターでグラフィック処理は、低価格マシンならチップセットなどに組み込まれている。高機能なマシンになると、グラフィック処理を専門に行なっているボードが搭載される。そのボード上でグラフィックの命令をこなしているのがGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)だ。

浮動小数点演算などの処理を得意とする「DSP」、グラフィックの描画を高速に行なう「グラフィックアクセラレーター」などと進化してきたが、最近ではグラフィックプロセッサーメーカーのNVIDIAが提唱しはじめたGPUという呼び方が主流となっている。
一般的な話は、「失敗しないPC選びは「GPU」? 最新パソコン購入対策に「GPU」を知ろう」に任せて、最新GPU動向を探っていこう。

11月、世界で稼働しているスーパーコンピューターについて電力消費量あたりの性能の順位が公表された。世界トップクラスの2.4ペタフロップスという性能を持つ東京工業大学のTSUBAME2.0が2位にランクインしたが、この中にもGPUの技術が生かされている。GPUは従来はグラフィックス処理用だったが、いまや汎用のベクトル演算プロセッサーへと進化し、さまざまな領域へと活躍の場が広がりつつある。

GPUの話題で外せないのが、NVIDIAが持つCUDAと呼ばれる並列コンピューターアーキテクチャーだ。ソフトウエア開発者や研究者などが、CUDA対応GPUを、計算処理を行なう生物学や化学、流体シミュレーション、CT画像処理、地質調査などの幅広い分野で活用しようとしている。そう、このCUDAを取り入れたTeslaが東京工業大学のTSUBAME2.0に採用されているのだ。

さらに、中国の国防科学技術大学(NUDT)によって設計され、天津の国立スーパーコンピュータセンターに収容された新型スーパーコンピューター「Tianhe-1A」も、7168個のNVIDIA Tesla M2050 GPUが採用され、10月にはLINPACKベンチマークで2.507ペタフロップという世界最高のパフォーマンスを樹立したほど。実は、TSUBAME2.0も4位につけている。

CUDAは、DirectX 11に対応した「NVIDIA GeForce GTX 580」にも採用されている。コンシューマー向けでありながらCUDAコアを512も搭載しているまさにモンスターだ。グラフィックから発展してきたGPUがCPUに置き換わる日も遠くないのかもしれない。

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