知識の泉
今すぐ誰かに話したくなる知的雑学
平安時代から1000年以上お品書きはただ一つ、紫式部の時代から続く究極の和菓子
知識は力なり
かの有名なイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンは言った。
「知識は力なり」と。
この言葉には、読んで字の如く「知識は自身の力になる」という意味とは別に、「経験によって得た知識を、いかにして実践的に使用することができるのか」という意味も込められている。
雑学も同様だと思う。
実際には、生きていく上で何の役にも立たないと思われている、どうでもいい情報群。
それが雑学という分野といえるだろう。
しかし雑学で得た知識を、どのように使うのかは人それぞれ。
普段の話のネタに困っている人。
トーク力を上げたい人。
飲み会やデートなどで知識を披露したい人。
知識を吸収したいけどあれこれ調べるのが面倒な人。
そして、物事の本質や奥深さを知りたい人。
純粋に「なるほど!」と思いたい人まで。
当たり前に感じていたことも、角度を変えた視野からみることで、別の面があることに初めて気付かされる。
その知識を他人にひけらかすだけでなく、その知識をもとに、固定観念から解放され、世の中の見え方を変えようではないか。
さすれば、「知識は力なり」の言葉の意味を実感できるはずである。
1000年の時を焼く、平安の味「あぶり餅」
「世界最古の企業」が大阪にあり、「世界最古の宿」が山梨にあるのなら、日本には「1000年以上、同じ味を提供し続ける店」も存在する。
舞台は京都、今宮神社の参道。
そこに店を構える日本最古の和菓子店「あぶり餅 一和(いちわ / 一文字屋和助)」※である。
その創業は西暦1000(長保2)年。
2026年現在、なんと創業1026年という驚異的な歴史を刻んでいる。
創業以来、1000年以上にわたって同じ場所であぶり餅(メニューはこれ一つのみ)一筋に商いを続けている。
西暦1000年といえば、平安時代中期。
清少納言が『枕草子』を書き、紫式部が『源氏物語』を執筆していた、あの華やかな平安貴族文化の真っ只中である。
そんな時代に産声を上げた小さな茶店が、一度もメニューを変えることなく、現代まで続いているのだ。
名物・あぶり餅の製法は、平安時代からほとんど変わっていないという。
きな粉をまぶした親指ほどの餅を竹串に刺し、炭火で炙って白味噌のタレをかけた素朴な味わいは、長きにわたり庶民に愛されてきた。
もともとは今宮神社に供えられた餅を、参拝客に振る舞ったのが始まり。
この餅を食べると無病息災で過ごせると信じられ、1000年もの長い間、人々の祈りと共に受け継がれてきた。
あぶり餅に刺さっている竹串も、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)にちなんだもの。
この串にも厄除けの願いが込められており、1000年前の日本人が抱いた健康への願いが、現代の私たちの口に運ばれている。
創業1026年の長い歴史の中では、かの茶聖・千利休が茶菓子の代わりとして用いたという逸話も残っている。
まさに日本一の歴史を誇る、生きた文化遺産ともいえる和菓子店なのである。
実は「一和」の向かい側にも、「かざりや」という同じあぶり餅を出す店がある。
ちなみに、こちらの創業は1637(寛永14)年。
江戸時代初期から続く、十分すぎるほどの老舗である。
だが、それでも1000年続く「一和」の前では "新しいお店" と呼ばれてしまうというから面白い。
古都・京都の歴史の奥深さを象徴するエピソードである。
※.「あぶり餅 一和(一文字屋和助)」
店名の看板表記は「一文字屋和助」あるいは「あぶり餅 一和」とも表記され、通称は「一和」。
「一文字屋和輔」とも「一文字屋和助」とも書き、正式表記は不明。
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