日本映画
MONDAYS / このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。
卓越したアイデアと秀逸な設定で描かれた知る人ぞ知る珠玉のタイムトラベル作品
日本映画『MONDAYS / このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』とは
絶望と希望の月曜日が押し寄せる!
月曜日の朝。
プレゼン資料の準備で忙しい中、主人公が後輩2人組から「僕たち、同じ1週間を繰り返しています!」と報告を受けるシーンからこの物語は始まる。
小さなオフィスで起きた、"社員全員タイムループ"。
ひとり、またひとりと、タイムループの中に
閉じ込められているのを確信していきます。
「もう仕事なんて放り出してしまいたい」
「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」
「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」
それぞれの様々な思惑が交錯しながら、繰り返される地獄の一週間。
しかし、タイムループ脱出の鍵を握る肝心の部長は、いつまで経っても気づいてくれなくて……。
主人公・吉川朱海を演じるのは、新進気鋭の若手女優・円井わんさん。
共演は、芸人から執筆活動と多才なキャリアをみせるマキタスポーツ。
初の劇場映画『14歳の栞』がロングランヒットを記録した、監督・竹林亮氏の2作目となる本作。
身近で共感あふれる新感覚オフィス・タイムループ・ムービー。
STORY BY TAKE C(テイクシー)
いつの間にか心が救われているような、あたたかな体験を。
情報が溢れ、心が擦り切れそうになる現代に、普遍的なメッセージを良質な物語に添えて届けたい。
私たちの創る物語が心を救い、それがやがて連鎖し社会を少しだけあたたかくしたい。
そんな想いを込めた、監督・竹林亮と脚本家・夏生さえりが中心となるストーリーチーム。
これまでの共作に、SSFF&ASIA 2020 部門別大賞を獲得したYouTube短編映画『ハロー!ブランニューワールド(動画名:もう限界。無理。逃げ出したい。)』や文化庁メディア芸術祭第24回審査委員会推薦作品『Bestfriends.com』などがある。
あらすじ
小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、憧れの人がいる大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた。
ある月曜日の朝、鳩が窓にぶつかる音で泊まり込んでいた広告代理店の社員は目を覚ます。
プレゼンの準備で大忙しの月曜日の朝、吉川朱海は後輩2人から「同じ1週間を繰り返している」という報告を受ける。
ひとり、またひとりと自分たちがタイムリープに囚われていることを確信していく社員たち。
しかし、脱出の鍵を握る部長だけは一向に気づくそぶりを見せない。
この終わらない1週間から抜け出すべく、社員たちはあの手この手で部長にタイムリープのことを気づかせようとする。
登場人物
Zコミュニケーション
社員7名のみの小さな広告代理店。
吉川朱海
演 - 円井わん
プランナー。
憧れの業界人である木本の会社からヘッドハンティングを受けており、その成功のために躍起になっている。
その事からも分かる通り仕事面では優秀なのだが、高飛車な態度になってしまっていて同僚とも恋人とも上手くいっていない。
永久茂
演 - マキタスポーツ
部長。
能天気に見える程に明るい性格をしているが、その事が逆に激務で疲れている社員たちを苛つかせている。
漫画が好きで漫画雑誌を片手に出勤してくる。
村田から今回のループの主人公(中心点)だと予想される。
遠藤拓人
演 - 長村航希
吉川の後輩の新人社員。
仕事が終わったら有休をとって海外に行く予定。
新人同士という事といち早くタイムループに気付いた仲間だということから村田とよくつるんでいる。
村田賢
演 - 三河悠冴
吉川の後輩の新人社員。
眼鏡が特徴。
オカルト誌「ヌー」の読者でタイムループに関する造詣が深い。
森山宗太郎
演 - 八木光太郎
吉川の先輩で吉川の対面の席に座る。
激務の疲れもあるのかもしれないが、うっかり者で凡ミスが多い。
アイドルグループ「lyrical school」の大ファン。
平一郎
演 - 髙野春樹
吉川の上司のデザイナー。
職人気質で過重労働な社内の中でも一番のワーカーホリック。
その仕事ぶりと愚直な人柄から部長から一際強い信頼を置かれている。
神田川聖子
演 - 島田桃依
事務職。
無口で影が薄い。
主題歌
- WORLD'S END
作詞:大久保潤也(アナ)&泉水マサチェリー(WEEKEND)
作曲: 大久保潤也(アナ)&泉水マサチェリー(WEEKEND)
編曲:泉水マサチェリー(WEEKEND)
主題歌を担うのは、常に進化し続け、2022年度内に新体制での始動を計画しているヒップホップ・アイドル・ユニット・lyrical school。
主題歌の「WORLD'S END」をはじめ、駆け抜けていくような刹那的な楽曲たちが作品を彩る。
聞き込んでみると、実は楽曲の歌詞とストーリーがリンクするような部分も。
あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに勝るとも劣らない隠れた名作
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズに代表されるタイムトラベル作品は数あれど、まず何よりも本作はアイデアが素晴らしい。
いわゆるタイムトラベルと呼ばれる事象にはタイムスリップ、タイムワープ、タイムリープなど様々な種類があるが、本作がテーマに掲げたのはタイムループ。
タイムループとは、何度も同じ時間が繰り返されそのループから抜け出せない状態を指し、SF小説や映画などではたしかによく取り上げられるテーマである。
そして時間を超えるタイムトラベル作品は、壮大であったり、感動的であったり、とにかく劇的な展開であることが多い。
だが本作には、それら要素が驚くほど乏しい。
登場する舞台のほとんどが小さなオフィス。
タイムループの対象は小さな広告代理店の社員7名のみ。
タイムループ中にやっていることといえば日常業務。
しかもそれが激務。
タイムトラベルという非日常の壮大なテーマを掲げておきながら、描かれるのはなんの変哲もない忙しない日常。
特に主人公である円井わんさん演じる吉川朱海は、タイムループを認識しても仕事の質向上にしか努めていない。
いかに現代人が仕事という日常に追われているのか。
コメディである本作だが、深いところでもしかしたらそんな問題提起があるのかも?などと思ってしまうほど、仕事人間の登場人物たち。
すべてがたわいもなく、感動譚とはほど遠く、ひたすら繰り返される1週間。
しかしそんな仕事人間たちに訪れるわずかばかりの変化。
キーワードは、仕事人間とは対極にある夢。
しかも自分の夢ではない。
他人の夢である。
まさかこれも利己的になりすぎている現代社会への問題提起?
そんなメーセージがあるのかはともかく、他人の夢を介することで、殺伐としていた人間関係が徐々に改善されていく。
終わらないタイムループから脱出するために、はじめて一致団結した登場人物たち。
観終わってみれば、妙に晴々しい気分になった。
タイムループという非日常を日常に落とし込む卓越したアイデアと、秀逸な設定でそれを具現化したシナリオ。
そしてコメディに隠された、あるのかどうかはわからない社会派メッセージ。
あまり良い表現ではないが分相応というか…。
すべてが丁度よく、すべてが気持ちよく収まっている。
ちなみに本作キャスティングに有名人気俳優はクレジットされていない。
これまた良い表現ではないが、マキタスポーツが上位にクレジットされている作品である。
(マキタスポーツさんのことは大好きです。)
そこから推察するに、おそらく予算もかなり限られたものだったのだろう。
だが抜群に面白い。
莫大な予算だけが話題になるような有名映画なんかより、知る人ぞ知る本作の方が圧倒的に面白い。
映画の善し悪しとはキャスティングや予算で決まるのではなく、あくまで作品の優劣なのであると、本作を観ればきっとわかるはずだ。
数あるタイムトラベル作品の中で、かなり上位にランキングされるべき超優良作。
おまけに上映時間が1時間22分という手頃さは、忙しない日常に追われる現代人にぴったり。
隠れた名作とは、まさにこのこと。
興味がある人は是非。
時間の無駄にはならないはずだ。
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