ピクシブには、サービス全体のお金に関する課題解決に取り組むFinancial Service Divisionという部署があります。この部署でリーダーを務めるyanatanさんに、これまでのキャリアや仕事のやりがいについてお話を伺いました。
自己紹介をお願いします
ピクシブには2021年に中途入社しました。私が所属する部署では「創作活動における漠然としたお金の悩みを解決する」というミッションのもと、クリエイターとファンの間のお金の受け渡しを支える仕事をしています。具体的にはBOOTHやpixivFANBOXなどピクシブが運営しているCtoC(個人間取引)のプラットフォームで、ファンの方からお預かりしたお金を安全にクリエイターへ届けるための決済・送金をはじめとするシステムを提供しています。オンラインショッピングなどで誰もが当たり前に利用する機能ですが、非常に複雑で奥が深い領域です。
これまでのキャリアについて教えてください
新卒で入社した会社では、IT機器の法人営業を行っていました。その後グループ会社内で転籍をし、サイバーセキュリティに特化したサービスの営業に携わりました。無形商材であるセキュリティサービスの性質から仕様そのものを説明するだけでは価値を感じてもらいにくかったことから、まずはセキュリティ対策の重要性について理解を深めてもらえるように心がけました。直接的な収益創出はなくとも、顧客のブランドを守ったり、ビジネス継続上致命的なリスクを小さくするためのサービスであること、それを実現する上で頼れるパートナーであることを訴求して徐々に成果に繋げていきました。顧客と同じ方向を向いて仕事を進めた経験は、現在の仕事でも活きています。
どのような経緯で転職を考えるようになったのでしょうか
子どもが生まれたことで、働き方を見直したいと思ったのがきっかけでした。営業職はどうしてもクライアントファーストで動く必要があり、子育てとの両立が難しいと感じる場面が多々あったためです。
ピクシブは前職のクライアントだったので、当時のCIOやCTOとも面識がありました。転職活動中にタイミングよくリファラル採用で声をかけていただき、DX推進担当として入社しました。未経験の領域へ舵を切る形となりましたが、専門性を広げるための非常に前向きな挑戦でした。新しいフィールドでゼロからキャリアを築く、素晴らしい機会をいただけたと思っています。
入社した決め手は何でしたか?
他社からも内定をいただいていましたが、ピクシブは日本発のサービスでありながら、グローバルに挑戦できるという点が決め手でした。プロダクトの規模や数などから今後も大きな伸びしろがある会社だと感じていたので、外資系企業に勤めていた経験を活かして海外展開を支援したいと考えました。また、前職では、海外にある本社で意思決定がなされ、裁量のなさにもどかしさを感じる場面もあったため、現場主導でプロジェクトを推進できるピクシブは理想的な環境でした。
さらに、ユーザーに対して真摯な姿勢を持っているところも大きな理由でした。サイバーセキュリティにしっかり予算を投じている話を聞いて、ユーザー保護を最優先に考えられている姿勢に強い共感を覚えました。
入社後、どのような仕事をされていましたか?
当初はCIO室に所属し、CIOが立案した戦略やアイデアを具現化することがミッションでした。最初に取り組んだ業務は、バックオフィス業務のデジタルトランスフォーメーションでした。入社時には、財務管理システムの導入が決まっていて、その導入完了までをリードしました。
個人的に印象深かったのは、当時従業員がアナログな方法で行っていた情報収集プロセスをIT化したことです。労力の大幅削減に加え、セキュリティ面のリスク軽減にも繋がりました。新しいことに積極的にチャレンジできる環境がとにかく楽しかったですね。

その後のキャリアの歩みについて教えてください
2022年に、お金にまつわる課題を解決するためにFinancial Service Divisionが立ち上がり、pixivcobanの立ち上げチームにアサインされました。プロダクト開発が未経験だった上、バックグラウンドが全く異なるメンバーとゼロからプロダクトを生み出すことに苦労しました。
プロダクトのリリース時期とスコープを明確にすることにより、ゴールから逆算してアクションを設計し、開発スピードが劇的に向上していったことが非常に印象に残っています。ビジョンを共有して対話し、景色合わせをした上で物事を推し進めることの重要性を改めて実感しました。
プロジェクトでは、どのような役割を担うことが多いですか?
経営と現場の橋渡しを主に担っています。進行していく中でアクションや考えに差異が生じたらそのギャップを埋めたり、社内外とのコミュニケーションの齟齬が起きないように調整したりしています。社内でも、組織ごとに考えや優先順位は当然変わってきますが、そのような状況で合意形成を図ったり、プロジェクトに必要なリソースや投資を得るために経営に意思決定してもらうことは得意領域だと自負しています。
部署横断でプロジェクトを推進する際には仕事の進め方やコミュニケーションの仕方が異なることによる齟齬が起きてしまうことが往々にしてあります。例えば、同じ「リスク」という言葉一つとっても使う人によって全く異なる意味で使われていることがあるので、「具体的に起こったらまずいことは何か」など平易な言葉で掘り下げて確認することで、チームの共通言語を醸成するようにしています。役割分担や責任範囲の明確化も大勢で仕事をする上で大切にしています。
また、相手の発言を理解したつもりにならないことも大切にしています。特に技術面に関することは、私より詳しいメンバーから積極的に教えを乞う姿勢を忘れないようにしています。
仕事の面白さや、やりがいを教えてください
日本で前例の少ない領域にチャレンジできていることに非常にやりがいを感じています。例えば、当社では決済の冗長化(万が一障害が起きた場合でも決済を停止しなくても良いように、決済システムを多重化すること)に注力しています。
オンラインショッピングで決済を行うとき、ユーザーから見ると簡単に買い物ができますが裏側のシステムは非常に複雑です。ピクシブでは、決済代行サービスの複数利用、決済情報転送サービスの利用といった施策により、大規模な障害やメンテナンスによる決済停止リスクを最小限に抑えています。国内でここまで徹底した対応をしている企業は珍しく、海外の事例を積極的に参考にすることも多いです。取引先の決済プロバイダーもグローバルに展開している企業が多く、世界基準の視点や技術を学ぶことを意識しています。

お金を扱う業務ならではの難しさは何ですか?
高い倫理観と自制心、不正を未然に防ぐ仕組みが求められる点です。ピクシブはCtoCプラットフォームを運営しているため、取り扱う流通額が膨大です。このお金を守る設計が極めて重要で、あらゆるリスクに備えた仕組みを構築しなければなりません。現在はその規模に見合うように、より高度な管理体制構築やガバナンスの向上を加速させているフェーズです。人・プロセス・テクノロジーのあらゆる面をバランスよく仕組みを構築し、ユーザーがさらに安心してサービスを利用できる環境を整えることが今後の挑戦であり、大きなやりがいでもあります。
チームの雰囲気について教えてください
メンバーそれぞれが専門領域を持つスペシャリストで、上司や部下という感じはあまりしません。エンジニアの方は、何か問題が起きたり課題が見えてきた時には、自ら対応策を生み出して問題を解決する高い技術力があり、ビジネス職の方も非常に実行力が高い方が多いです。どんなにアイデアが素晴らしくても、実行しなければその真価は見えてきませんが、高い推進力を持ったチームメンバーの存在にとても助けられています。
リーダーとしてメンバーが活躍できるように、仕事の交通整理や、対外的なインターフェースになれるように心がけています。職人気質のメンバーが多いので、やらないことを早めに決める判断も意識しています。
社内の雰囲気や働きやすさで良いと感じる点は何ですか?
社員に関していえば、ホスピタリティが高く、優しい方が多い印象です。また、同じ船に乗っている意識が強いので、トラブルが発生した時も自分事として捉える方ばかりです。クリエイターファーストのマインドも深く根付いていて、そのために必要なことであれば全てやるという姿勢を随所に感じます。
制度面としては、リモートワークを活用しています。出社するのは週1回ほどで、在宅の日は通勤時間が短縮できるので、本来は自転車で行く距離でも歩いて登園したりするなど親子で過ごす時間も大切にできています。子どもの急な体調不良でも時間を調整して病院に連れて行けることなど融通が利くところは非常に助かっています。
今後の展望やビジョンを教えてください
ピクシブがこれからも成長を続けるための「お金のエコシステム」を構築するために、グローバル展開を含め様々な施策を推進しています。具体的にはローカル決済の導入や通貨の拡充です。国境を超える資金移動には様々な制約がありますが、複数の対策を組み合わせて世界中のクリエイターとファンが創作活動を楽しめる基盤を構築したいです。
私たちはプラットフォーマーとして、ユーザーから預かったお金をクリエイターに安全に届ける責任があります。今の仕組みをさらにブラッシュアップすることで、クリエイターの受け取り額を増やすなど、目に見えるポジティブな変化を生み出したいと考えています。これからもチャレンジングな施策に取り組み続けることで、より豊かな創作プラットフォームをつくっていきたいです。

