休日になると、あまり人と喋りたくないって時がある。
一体これはなんという現象なのだろうか。喋りが達者な落語家が、仕事から家に帰ると案外無口だという話は聞いたことがある。五代目の柳家小さんとか。でもそれとはちょっと違うかな…ネットで調べてみても、ピンとくる答えには出会えたことがない。
▲長野県信濃町のそばうどん自販機(現役)
そんな孤独モードの朝食に、蕎麦の自動販売機はありがたい存在だ。
「あの…」
▲そばもうどんも250円
天ぷらそば一杯が250円。このご時世、財布にもありがたい。
「その…」
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは『人間は孤独であるからこそ自由である』という言葉を残して…
「えっと…カヲルくん?」
「うるさいな!なんですかさっきから!」
「連絡があったから、約束された場所に来たんだけど…」
「そうそう、バイクパイセンこと荒川さんをお呼びしたのは他でもなくて、朝にバイクで行きたいおだんご屋があるんです」
「朝に?バイクで?だんご?」
▲Googleコメントその1
「どうです?ネット情報によれば行列が出来ちゃうくらいの人気店なので、開店直後に誰よりも早く飛び込みたいんです。駐車場の存在もよくわからないので、バイクなら店先に少しの時間停めてもイイかなって」
「ほ~、そんなに美味しいだんごなんだ」
「ぜひ食べてみたいんです!」
「休日の孤独よりも食欲が勝ったんだね…でも、なんで僕を誘ったんだい?」
「それがですね…」
▲Googleコメントその2
「こんなコメントも…」
「まぁ、どんなお店でも賛否両論はあるもんだからねぇ」
▲Googleコメントその3
「さらにはこんなのも…」
「なるほど…コメントをそのまま信じると、気を使う必要がある店っぽいね」
「なので休日無口モードの私の助っ人として、一緒について来て貰いたいんです」
「分かったような分からないような…じゃあ、僕はそこで何をすればいいんだい?」
「女将さんにバイクの路駐を咎められたら私を庇ったり、塩対応をされたら私を慰めたり、必要時は陰で女将さんの悪口を言ったり、私の代わりに」
「なんだか嫌な役割だなぁ…」
「なにしろ休日孤独モードなので、私」
「もはや孤独とか関係ないような…」
「着きました~!」
「開店時間の9時15分ピッタリだから、流石に他の客の姿はないね」
▲創業115年以上。米どころ新潟の上質新粉を使用した手作りだんごで大人気
「上越市『もちや菓子店』です!わ~っ、イイ感じの店構え~!わ~、来ちゃった~!」
「ここは高田藩の城下町だから、歴史のある菓子屋が多いんだよね」
「シ~ッ…荒川さん、静かにして…余りはしゃがないように…」
「え?僕?」
「ドキドキ…あの…おだんご4本ください」
女将さん「はいよ。焼くから待ってて。ここで食べてく?」
「えっ?『店内飲食止めました』って張り紙がありますけど…」
女将さん「バイクで来たんでしょ?」
▲バイクバレてる
「バ、バレてる…!」
「ヘルメットを被って何かから頭を守ろうとしない、カヲルくん」
女将さん「持ち帰るの大変じゃない。ここで食べてけばいいよ」
「そ、そうですか?じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きます。…店先のバイク駐車よかったみたいですね」
「そうみたいだね」
女将さん「ああ、そこじゃなくて。そっちの椅子に座って(ちょっと強め)」
「だからヘルメットを被ろうとしない、カヲルくん」
▲注文は3本から。4本以上で1本115円に
「ジャーン!これがもちや名代のみたらしだんご(1本130円)‼ 焼きたてなのでアツアツ~!」
「みたらしダレまで熱いね」
▲秘伝ダレのみたらしタップリ
「ハフハフ…モグモグ…美味しい~!外カリカリの中モチモチ~!」
「だんごというより、柔らかい焼き餅だね。うん、これは本当に美味しい」
女将さん「どこから来たの?」
「モグモグ…長野からです」
女将さん「これからどこ行くの?」
「(まさかここが目的地とも言えず)う、海です」
女将さん「へ~、釣り?(両手で釣竿を上げる仕草)」
「や、山に住んでるので、海を見るだけでいいんです」
女将さん「アハハ、そんなもんかね。またおいで」
「はい!」
「フ~、美味しかったぁ、もちやのおだんご。やっぱり休日は知らない土地(知ってる)に出掛けて、知らない人(ネットで少し確認済み)とのふれあいもイイな~。フンフフ〜ン♬」
「休日の孤独やらショーペンハウアーとやらはいったい…」