「で、100円持ってきました?荒川さん」
「いつにまして急だねぇ、カヲルくん。こんな早朝に呼び出して、100円でいったい何を…」
「飛び跳ねてみてください」
「なんで朝5:00にカツアゲされてるんだい、僕は」
▲ワンコインラーメン
「荒川さん、これですよこれ。なにを隠そう、今から新潟県まで100円ラーメンを食べに行くんですよ!」
「ラーメンを?100円で?」
「そうなんです。みんな大好き佐渡汽船直江津ターミナル食堂がリニューアルオープンをしまして、その記念になななんと100円でラーメンを販売しているんです!」
「それにしても、たった100円というのは…」
「社長、安い、安い~」
「夢グループで脳内再生されるねぇ」
「ただし販売期間は3/19~7/5の100日、朝7:20~9:00の100分、限定1日100食という狭き門!選ばれし者たちだけが食べられる聖餐!」
「それで朝早くに出発する必要があったという訳だ」
「今日はお互いに燃費のいいバイクですし、これで朝食が100円で済んじゃうなんてホントめちゃリーズナブル!」
「クロスカブの燃費は、リッターあたり50㎞くらいだからね」
「タダみたいなもんですね」
「タダじゃないねぇ」
「でも私、やっぱり朝早くはちょっと…今度は遅めに起きて高速道路で来ようかなぁ…100円ラーメン食べに」
「100円の恩恵が秒で消し飛んでしまうねぇ」
▲朝にラーメンを食べる選択
「おはようございま~す。わー、居る居る!食べてる食べてる!」
「朝なのに結構な人出だよ」
「iPhone発売日の賑わいを思い出すなぁ…」
「カヲルくんは一度たりともiPhoneユーザーになった事ないよねぇ」
「乗るしかない、このビッグウェーブに‼」
「来る人来る人みんな100円ラーメンを頼むから、これでは1日100食なんてアッと言う間かもしれないな。早く来て正解だったかもね」
「しかしペットボトルのお茶が180円の時代に、ラーメン一杯100円というのは改めてスゴイことですよね〜」
「確かに、儲けがあるのか少し心配になるレベルだよ」
「物を売るってレベルじゃねーぞ!」
「懐かしのネットミームはそれくらいにして、注文をしようか」
▲世界一安価なプラチナチケット
「お店で一番安いメニューを頼んだはずなのに、なんでしょうかこの満足感。謎の優越感。カウンターにもたれ自然と斜に構えるナルシズム。100円ラーメンにあらずんば人にあらずの夜郎自大」
「よくわからないけど、なんだかワクワクはしてきたよ」
「スタッフの方々は朝からテキパキ働いてますね。ラーメンと本気で向き合ってる証拠です。ラーメンは人を写す鏡のようなもの。誠をもって尽くせば、きっとラーメンも同じ熱量で応えてくれるはず。ここオープンキッチンはまさにコロシアム。客の放つ熱視線から、一瞬だって逃れることは出来ない真剣勝負。そう、客はラーメンを食べてるんじゃない、情報を食べてるんです」
「その...カヲルくん...圧がすごい…僕たちが頼んだのは100円だから、100円ラーメンだから」
▲100円だけどプライスレス
「来ました来ました!100円ラーメン!美味しそう~」
「メンマにカマボコ、ワカメにネギ。チャーシュー類こそ無いものの、しっかり具が揃っているのは素晴らしいね」
「いただきまーす!ズルズル…モグモグ…美味しい~!」
「優しい醤油味が、朝食にはピッタリだね、うん。美味い」
「バイクに乗るとお腹も空きますしね…ズルズル」
「そう言われれば、そんな気もするかな」
「いつもより倍食う…ばいくう…バイク…プププ」
「さ、食べ終えたかい?」
「美味しかったですね~。荒川さん、次なに食べます?」
「ハハハ。なんと言っても100円しか使ってないからね」
「100円しか持って来なかったのでお金貸してください...」
「また全振りしたねぇ100円ラーメンに」