本記事は、「vExperts Advent Calendar 2024」の最終日用として書いた記事です。
クラウド絡みの仕事が多忙で、だいぶブログの方がおろそかになってしまっていましたが、私のいつものネタの一つ、PCなどで利用できる VMware の Desktop Hypervisor である VMware Workstation / VMware Fusion についての現状を、今回は書いてみたいと思います。
VMware Workstation / VMware Fusion の無償化
今年の5月にBroadcom社は、VMware Workstation / VMware Fusion の個人利用に関しての無償化をしました。その際に以下のようなアナウンスが行われています。
5月時点の変更点
この時の変更での大きな点は、個人が使う場合(非営利利用)には VMware Workstation Pro / VMware Fusion Pro を無償で使えるようになったことが大きいのですが、それに合わせて単体で提供されていた VMware Workstation Player と VMware Fusion Player の単体提供が廃止されました。そもそもこの廃止された 2つは VMware Workstation Pro / VMware Fusion Pro を機能制限して無償提供していたものなので、単独提供が終了しても個人ユーザーにはその上位の VMware Workstation Pro / VMware Fusion Pro への無償アップグレードが用意されたのでそれが使えるのと、それらをインストールすれば VMware Workstation Player もインストールされるので影響は全くなかったわけです。VMware Fusion Player は開発終了なのでインストールはされませんが、上位エディションの VMware Fusion Pro になるので、こちらも問題無しでした。


しかし、これらの製品を商用利用をしているユーザーにとっては別の話で、今までは企業内で使用する場合には VMware Workstation Player / VMware Fusion Player の有償ライセンスを購入する必要がありましたが、これが新しい VMware Workstation Pro / VMware Fusion Pro のサブスクリプションを購入する形に変更されています。
既存の VMware Workstation Player 17 / VMware Fusion Player 13 を使い続けている場合は、それらの EOL および EOGS までは、上位エディションの VMware Workstation Pro 17 / VMware Fusion Pro 13 のサポートとして受けられる形なのですが、新規に購入した場合 Broadcom からサブスクリプションを購入の上、VMware Workstation Pro / VMware Fusion Pro のインストールまたは初回起動時に、そのライセンスを登録する必要がありました。このサブスクリプションは Broadcom のパートナーから購入する場合はパートナー提示の価格が適用されたのですが、それ以外では直接 Broadcom のオンラインストアから年間 120ドルで購入するようになりました。
この辺りを整理すると以下のようになりました。
5月時点の VMware Workstation Player + Fusion Player の移行パターン
この5月の時点では、VMware の Desktop Hypervisor は個人利用の無償版と商用利用可能な有償の2つがあるので、それらについては以下のようにアナウンスされています。
| 現在の製品 | 移行先 |
|
Workstation Player (個人利用) |
Workstation Pro を Broadcom サイトからダウンロードとインストール。その際に Workstation Player もインストールされるため、再インストール以外変更は不要。 |
| Fusion Player(個人利用) |
Fusion を 13.5.2 にアップデートの上、ライセンス キー ファイルを削除。これにより、Fusion Pro の機能が追加キーを入れることなく利用可能になる。 https://knowledge.broadcom.com/external/article?articleNumber=367660 |
| 商用ライセンスの Workstation Player 17 および Fusion Player 13 |
有償で購入したライセンスキーはそのまま継続利用可能。ただし、Workstation Pro 17 および Fusion Pro 13 へのアップグレード推奨。 |

※上図は「VMware Workstation Pro: Now Available Free for Personal Use」から引用
このように、VMware が Broadcom に買収された後の大変動にたいする VMware Desktop Hypervisor への影響は、個人などの非営利ユーザーにはメリットあるものになりましたが、企業など有償でライセンスを買っていた場合は にも影響があったわけです。
11月時点の変更点
ところが Broadcom はこの 11月11日から VMware Desktop Hypervisor の扱いを大きく変えました。製品を Player と Pro から Pro 一本化、そして個人利用無償・商用利用有償の4つに変えたものを再度変更し、商用、教育、個人ユーザーを問わず、すべてのユーザーに無料で提供することになりました。これ、VMware の Desktop Hypervisor ユーザーにとっては朗報です。
この影響は、非営利利用の個人ユーザーには全く影響がないのですが、商用利用としてサブスクリプションを購入していた企業や団体では、これらを利用する際のコストが不要になるというメリットが生まれました。これにより、パートナー経由で購入していた有償版や、Broadcom のオンラインストアでの購入は一切できなくなっています。(オンラインストアの当該ページは閉鎖されました。)
この影響として一番大きいのは、前回変更の5月からこの11月までの間に有償ライセンスを購入したユーザーで、サブスクリプションで購入した残りの期間は「無駄」になることになります。ただ、完全に「無駄」になるのではなく、サブスクリプションについてはサポートがついていますので、そのサブスクリプション期間が残っている間、サポートポータル経由でのサポートを継続して受けることが出来ます。
ここで、「そのサブスクリプション期間が残っている間、サポートポータル経由でのサポートを継続して受けることが出来ます。」と書いた理由は、今回のライセンスの変更によって商用、教育、個人ユーザーを問わず、すべてのユーザーに無料で提供する代わりに、サポートについては自らコミュニティなどを使って解決してねという形になった点です。つまり、メーカーのサポートは一切なくなるということになります。
今後のサポートについて
この件ですが、Broadcom の VMware Desktop Hypervisor チームによるサポートが無くなるということは意外と大きく、もし VMware Workstation Pro や VMware Fusion Pro 自体に不具合があってトラブルが発生しても、それに対する VMware からのサポートは無いということになります。VMware が気付いて修正し、次のバージョンで不具合修正版を提供するということが無い限り、問題は修正されないという状況になることが予測されるわけです。Broadcom では「The Free Tier Support Model」(無料サポートモデル)と呼んでいますが、以下のいずれかを利用して自力で問題を解決していく必要が出てきます。
- ユーザー コミュニティ
- ドキュメント
- ナレッジベース
また、このように変わったことで、VMware Desktop Hypervisor の更新サイクルも遅くなるのではないかという懸念もあります。今までは新しいハードウエアや OS が登場すると直ぐにバージョンアップして対応をしていましたが、そのタイミングも遅くなるかもしれませんし、もしかしたら対応外になるハードウエアや OS も出てくるかもしれません。
VMware Workstation / VMware Fusion の入手先と入手方法
Broadcom のアカウントを作成している場合、そのまま製品ダウンロードページから必要な製品をダウンロード出来ます。VMware Workspation Pro の場合は 15 以降が、VMware Fusion Pro の場合は 11 以降が入手できます。


ダウンロード後は、手順に従いインストールするだけで利用できるようになります。
おまけ:仮想マシンが起動しなくなった時
実は上記キャプチャ画面の 2つの VMware Workstation Pro で、商用利用有償の「17.6.1 build-24319023」からアップグレードで商用利用無償版の「17.6.2 build-24409262」にした際、仮想マシンに行っては以下のメッセージが出て仮想マシンが起動できなくなる場合がありました。

これは以前も発生していた問題で、
という条件に合致する場合に発生すると、以前の KB に出ていました。それがバージョンアップで解消されてトラブルも発生せずに使えていたのですが、その現象が再発してしまったようです。なので、この状態になって仮想マシンが起動できなくなった場合は、以下の Article ID: 315647 を参考にして対応をしてみてください。
vPMCs are not supported by VMware Fusion on macOS Big Sur or VMware Workstation with Hyper-V