ヤシカジャパンから新型のデジタルカメラが発売されたと聞き、いわゆる日本のカメラメーカーが発売するデジタルカメラはその実力はわかっていても、海外資本のカメラをレポートする機会は今までなかったのです。たまたま縁あってヤシカジャパンの責任者を知っていたので、「ヤシカ シティ200」という、10倍ズーム付きのコンパクトカメラをお借りすることができたので、気が向くままにレポートしてみました。

《YASHICA City 200のパッケージを開梱した状態》左から、充電用のタイプA⇒C変換コード、クリーニング用マイクロファイバークロス、取扱い説明書、旧ヤシカ時代と同じ「ヤシカ坊や」キーホルダー、袋状のカメラケース、マグネット付レンズキャップ、カメラ用ハンドストラップ、保証書、パッケージ(外・内と2重で構成されてます)など、おしゃれにパッケージされています。ちなみにボディは、白と黒があります。

《ヤシカブランドの廉価版フィルムカメラと黒白とカラーネガフィルム》ヤシカジャパンを知ることになったのは、ちょっとしたことからでした。高校・大学と一緒だった仲間から、自分の事務所の隣の会社は私に関係するような仕事をしている人だから紹介するよ、ということで連絡があったのが2023年の秋ごろでした。紹介されたのは、ヤシカブランドのカメラとフィルムを扱っているという日本人のマネージャーKさんでした。Kさんはもともとはアパレル系出身だそうですが、そのセンスと営業力はなかなかなもので、たった1人で大手量販店は言うまでもなく、ファッショングッズ系のお店にまで販路を広げているのです。あれから、1年以上経った先日、Kさんから連絡があり、今度新入社員を採用したから、挨拶に来たいと連絡をいただいたのです。ちょうど、私も日本のコンパクトデジタルカメラが、ご時世とはいえ大きく値上がりしていくのを見て、かつての普及コンパクトデジタルカメラは日本企業の商品アイテムから消えてしまっていましたので、純粋な中国製コンパクトデジタルカメラの実力は大いに興味があるところでした。早速、このタイミングは渡りに船というわけで、Kさんお勧めの1台を拝借してレポートしました。なおヤシカは、かつては日本企業でしたが、京セラがヤシカを吸収合併した後には、2007年ヤシカブランドを香港資本に売り渡しています。ヤシカブランドとして2014年のフォトキナではシンガポールの企業がスマートフォン、アクションカメラ、ストロボ、光学フィルターなどの商品を扱っていて、その後は香港資本が日本でもデジタルカメラを販売したことは確認していましたが、今回のフィルム販売に始まるヤシカジャパンとは別会社のようです。前置きが長くなりましたが進めましょう。

《各部の機能》左:丸い小さなマグネットが4個埋め込まれたレンズキャップは樹脂製なので、軽く脱着ができのは好ましい。右:バッテリーはNP-40で、日本の一部企業も使っているようですが、容量が3.7V、1250mAhと仕様は異なるので注意が必要です。また、写真ではわかりにくいですが、バッテリーの右手前にマイクロSDカードが入るようになっているのは、昨今この種のカメラの定石通りの配置といえます。

《背面液晶のトップメニュー画面》撮影モードは、自動、プログラム、シャッター優先、シーン選択、マクロ、ビデオ撮影が選択できる。画面は4:3と16:9が選べる。解像度は13MPのCMOSということですが、どのような形式かはわからないので、価格comで13MP・CMOSをキーワードにして検索すると、コダックブランドの中国製のコンパクトなどがたくさんでてきますので、なるほどなと思うわけです。上の孔がメッシュ状に開いた部分は、動画用のマイクロフォン。アクセサリーシューはホットシュータイプですから外付けストロボも使えますね。

《レンズは光学の4.9~49㎜F2-3.1の10倍ズーム》背面液晶モニターは、前に向ければ、自撮りもできます。画面に見えるグリッドラインは、白・黄・赤ライン、なしと切替えられます。YASHICA銘の上には、LED連続光によるAF補助光とフラッシュが内蔵されています
●いつもの英国大使館の前で
簡単にレポートといっても、やはりここから始めるのが、大切です。晴天の、いつもの時間に撮りました。撮影にあたっては、フィルターが、①スタンダード、②ナチュラル、③ビビッド、④ネガティブ、⑤レトロ、⑥ハイコントラスト、⑦モノクロ、⑧ハイコントラストB&W、⑨ウオームトーン、⑩コールドトーン、⑪レッドトーン、⑫グリーントーン、⑬ブルートーン、⑭イエロートーン、⑮アンティーク(CCD)、などと15種もありますが混乱を避けるために、基本としてスタンダードで以下撮影します。

《いつもの英国大使館正面玄関》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/320秒、ISO100。通常は、絞りF5.6に設定しますが、焦点距離が短いので、あえてプログラムAEのままの撮影です。画面左の棒の脇にパープルフリンジがでていて、正面下部の路面を見ると歪曲収差が見えますが、光学的もしくはソフト的に解決することもできますが、細かいことを言わなければ、よく写っているといえるでしょう。撮影後のファイルは4224×3168ピクセルとなっており、撮像素子サイズは公示されていませんが、13MBのCMOSセンサーというのがスペックですが、その通りといえます。

《正面玄関屋根中央直下のエンブレムをズームアップしてみました》焦点距離:4.9㎜(35㎜判320㎜相当画角)、F3.1・1/400秒、ISO-Auto100。光学10倍ズームの最望遠側という感じで撮影しましたが、実際はハイブリッドズームという名のデジタルズームが働いていて何㎜相当画角になっているか不明です。画質的には、クロップ画面ですので、画質としてはあまり大きくはできなく、データ量としては画素補完されているようで、基準画素数の4224×3168ピクセルのファイルとしてできあがっています。
■さまざまな場面で撮影してみました
私の使用レポートは、特に締め切りがあるわけではないので、じっくりと自分の生活の中のさまざまな場面で撮影していくようにしています。

《Jカメラポップアップショップで、PCT合同の皆さん》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/20秒、ISO-Auto200。シティー200にメディアを詰めて最初のカットがこの場面で、ファイル№が“FILE0001と0002”からの1枚です。単純に構えて、3人に向けただけですが、顔認識(追跡)機能がついていて、ある程度追随するのです。定常光のみの撮影ですが、必要十分な感じで撮れています(2025/11/05)

《オールドレンズフェスタにて》焦点距離:30㎜(35㎜判219㎜相当画角)、F2.6・1/50秒、ISO-Auto400。毎年開かれるオールドレンズフェスタの会場では、カメラ、レンズの販売のほか、写真展も開かれていますが、もうひとつ、5分間500円で撮れるだけのモデル撮影が可能なことです。撮影にあたっては、ポートレイト用に美肌モードもありますが、通常のままで撮影しました。このとき、初期設定のままでしたので、すごくシャッタータイムラグを感じましたが、このカメラには、リアルタイムフォーカスと1コマ撮りに加え、3・5・7コマの連写機能もあるので、このあたりをうまく使いこなせば、もう少し狙い目通りの撮影ができるかもしれません。(2025/11/05)

《ライカスクリューマウントレンズの世界写真展会場にて・Ⅰ》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/20秒、ISO-Auto1600。3人の頭上から写真作品に向けてトップライトが当たっているので、ひたいの部分が飛んでますが、いつもこんな感じです。

《坂崎幸之助さん、ライカスクリューマウントレンズの世界写真展会場にて・Ⅱ》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/20秒、ISO-Auto400。同じ写真展会場ですがひたいの部分は飛んでいません。撮られる人がどこに立つかによって変わりますね。(JCIIクラブ25にて、2025/11/05)

《村上開進堂の壁面》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/500秒、ISO-Auto100。直線性とグレーの色再現性を見るための場面です。写真にこだわるシリーズの前の機種にさかのぼると、微妙な違いが見えてきます。

《真如苑の側道》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/250秒、ISO-Auto100。ビルの側面で歪曲特性を、左の樹木で暗部の描写特性を見ています

《消火栓》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/30秒、ISO-Auto100。撮影モードはスタンダードですが、かなり鮮やかに発色する傾向があります。

《パレスチナの窮状を訴えるデモ、渋谷駅頭にて》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/30秒、ISO-Auto100。少なくとも、このような場面での鮮やかな色再現は好ましい感じがしますが、ビル屋上の採用担当者の皆さんにという看板は、左右色が違うのでしょうね(2025/11/05)

《針の孔から見た新小岩写真展にて》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/10秒、ISO-Auto3200。このように縦に並んでいると、手前の人物にピントを合わせるのも難しく、どうにか中央のSさんに合わせたのですが、結果は良かったです(2025/11/01)

《いつもの新宿歌舞伎町ゴジラ通り》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/20秒、ISO-Auto400。奥のゴジラは適度な感じで写っていましたが、いつものようにゴジラの等倍掲載は避けました(2025/11/01)

《秩父神社、左甚五郎手彫りの龍》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2.6・1/200秒、ISO-Auto200。このカットは、前回のシグマ20~200㎜ズームでも作例として載せましたが、何となくこちらのほうが少しだけ立体的に見えますが、35㎜判フルサイズと焦点距離の違いからくるものと考えられます(2025/11/05)

《ペンタックスファンを見つけました》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/125秒、ISO-Auto100。描写は文句なしですが、やはり左右の線に沿ったパープルフリンジの出現が気になります(2025/11/05)

《ズーミング画角比較・Ⅰ》焦点距離:5㎜(35㎜判36㎜相当画角)、F2・1/125秒、ISO-Auto100。本機で最も広角側が焦点距離5㎜で35㎜判36㎜相当画角となります。西日のあたる頃、最広角で無限遠の風景を狙ってみました。そのターゲットは中央に見える高層ビル街ですが、画素等倍で見るときびしい画像となります

《ズーミング画角比較・Ⅱ》焦点距離:49㎜(35㎜判361㎜相当画角)、F3.1・1/160秒、ISO-Auto100。本機のズームインディケーターには中央に区分があります。使い始めは、とにかくワイド側とテレ端を写していましたが、英国大使館のエンブレムに見るように、どう見ても画素補完された画像であり、ズーム倍率が高すぎる感じがしたので、その中央区分のところで撮影したのが、上のカットです。Exifでも、10倍程度の361㎜という35㎜判換算データがでていますので、この線までが光学ズームの域なのでしょう。手持ち撮影なので、画質的には十分とは言えませんが、まずまずです。

《ズーミング画角比較・Ⅲ》焦点距離:49㎜(35㎜判361㎜相当画角)、F3.1・1/160秒、ISO-Auto100。Exifでは、上記掲載の写真と同じですが、ハイブリッドズームと名付けられた、デジタルズームによりさらに高倍率な画像が得られていますが、画質的な厳しさは否めません。無限遠風景を狙うには、コントラスト検出方式のAFでは、高倍率時の風景などはなかなかピントが定まりませんが、有限の距離、しかも明確な近距離ならストレスなく写真が撮れます。使い方ですね。
●使ってみて
ヤシカシティ200は、量販店で4万円を切る価格で販売されています。そこにポイントバックのような部分を活かせば、近頃高くなってきた日本企業のコンパクトカメラよりはかなり安価に入手できるのは魅力となるでしょう。
本機には手振れ補正機能、Wi-Fi機能、4k動画機能などとさまざまな高スペックといえるコンパクトデジタルカメラの機能がフルに搭載されていますが、私個人としてはすべては使いこなせませんでしたが、これらをいかに考え、使いこなすかが、ユーザーにも課せられてきます。また、技術の違いなのか、設計思想の違いなのか判りませんが、例えば電源スイッチは、しっかりと1秒ほど押さなくては起動しません。起動が早いのも良いのですが、簡単に電源SWがカバンの中でONとなってしまうということはなくなります。フィルムカメラの時代にも裏蓋が簡単に開くとフィルム交換がやりやすいという考えがある反面、安全面からは簡単に開かないほうが良いという考えがありましたが、便利さと不便さは常に表裏一体の関係にもあるわけです。押せば必ずきれいに写るスマホがあるなかで、どうすれば自分なりの納得できる写真が撮れるか、など考えてカメラ設定を試行錯誤するのも良いと思うし、パープルフリンジが気になるなら、入門機としてモノクロ用カメラとして使うのも一考だと思うのです。いかがでしょうか。
なお、このシティ200で撮影した画像データは13MPとされ、ファイルを開くと4224×3168ピクセルであり、一般的なプリント出力に必要な300dpiだとA3ノビにはデータ不足にはなりますが、A3で200dpi出力だとどうにかという感じです。市中の写真プリントを見てますとプロラボ出力でも、データ不足を感じさせるのも散見しますので、インクジェットプリンターならなるべくトリミングしなければ、A3ぐらいまでは何とか見れ、さらにA4なら問題なくいけるでしょう。いずれにしても、プリンターのデータ補完能力にもよりますが、 まずまずの大型出力も得られます。(*^▽^*)