富士フイルムがレンズ非交換式の1億200万画素の「GFX100RF」を4月21日に発売すると発表したのが2025年の3月21日でした。これに先立ちシグマがCP+2025の開催直前の2月24日に「シグマBF」を発表し、発売したのが4月10日のことでした。それぞれに注目したのは、いずれも外装はアルミインゴットからの削りだしだというのです。まるでシグマのBF発表に呼応したように登場したのは驚きで、しかもアルミ削り出しだというのでテンションは上がり、わがスポンサー氏と相談の結果両方とも購入してみようとなりました。まずシグマは予約を一番に入れて、発売日に入手の確約をとれましたが、GFX100RFはお店の担当者の休暇と重なり連絡が取れた時には予約は完了ということで、発売当日は入手することはできませんでした。その後キャンセルが出たとかで、発売開始から1週間後には手にすることができ、まずはめでたしめでたしとなりました。
この途中で、わかったことはGFX100RFはブラックが人気で、シルバーなら早く入るよということでした。このような短期間に、新製品が、それも年明けに予約してあったソニーα1Ⅱが3月に入荷してきてこの時期は、公私ともどもイベントや原稿が重なり、個人的には新製品ラッシュということも加わり、今回は「GFX100RF」と「シグマBF」をゆっくりと同時進行でレポートしようとなりました。

《カタログをバックに化粧箱と取扱説明書》化粧箱に中国語と英語で社名住所などが記されていますが、日本語の文字がないのが昨今のカメラ市場の動向を示しているといえるでしょう。ただし、基本的な使い方を記した160ページの日本語の使用説明書が箱の中に入ってるのは好感が持てます。2024年度カメラ映像機器工業会のレンズ交換式カメラ出荷台数を見ると、中国26.1%、米国 24.3%、欧州23.5%、アジア圏14.1%、日本8.7%だそうで、さもあらんということなのでしょうか。背景のカタログは、作例が主体の作りですが、個人的にはGFXシリーズは蜷川実花のような鮮やかな写真で登場したような印象が強いのですが、「GFX100RF」ではわりとダークな感じで仕上げているのが時代かなと思う次第です。

《GFX100RFのシステム》箱を開梱すると、基本ボディに対して上のような各パーツがでてきます。上段ボディを別にしますと、左上:カバーリング、左下:金属製レンズキャップ(この2つはふだん使いには不要ですのでしまっておきます)、中上:アダプターリング(これを装着するとプロテクトフィルターを付けられる)、同梱のEBCプロテクトフィルター(プロテクトフィルターが同梱なのはめずらしいです)、右上:角型バヨネット式金属フード、右下:上からスライド式の樹脂製レンズキャップ。

《正面から見たGFX100RF》左後ろ:露出補正ダイヤル、その手前:シャッターボタン、その手前:電源レバー、その下ダイヤカットダイヤル:フロントコマンドダイヤル、その下:デジタルテレコン切替レバー、その右外周:コントロールレバー、その内側:Fn2ボタン、露出補正ダイヤル右:シャッター速度、感度ダイヤル、レンズ外周の丸ポチ:絞りリングレバー、トップカバーほぼ中央:アルミ削出しホットシューカバー(ホットシュー)、トップカバー全面右前:AF補助光/セルフタイマーランプ/タリーランプとなります。正面から見るとGFX100RFならではの操作部材といった感じが強いので戸惑います。
まず注目点であるアルミインゴットからの削り出しは、開封してみるとトップカバー始め底面プレート、絞りリング、アクセサリーシューカバー、電池蓋にまでおよび、それぞれが銀色梨地に加工されているのです。このあたりの仕上げは、同じアルミからの削り出しでも、シグマとは大きく異なるのです。外観イメージからすると、富士フイルムはX100シリーズの流れを汲んだというようなニュアンスで行ってるようですが、発表時のニュースリリース写真からすると、2月に発売された「instax wide Evo」に近いような気もするし、発売後手にしてみると、シルバーボディは2011年に発売された最後の本格的なフィルムカメラ「富士フイルムGF670W」にレンズ周りが似ているのです。まぁ解釈はそれぞれですが、現行のGFXシリーズにも似ていて当然ですので、フィルム時代からの中判カメラの外観を彷彿とさせるというのは、一貫性があるといえるでしょう。なお、GFX100RFのRFはレンジファインダースタイルカメラということからのネーミングであって、距離計連動式ではないのです。

≪トップカバー上面を手に持った感じで見る≫多くの人々は各操作部が電源をONしなくても各操作部が目視して操作できるため好感を持って迎え入れられているようですが、トップカバー中央背面に置かれている画面のアスペクト比をダイヤルはわかりやすくてよいですが、それ以前にアスペクト比を変えることがどれだけの効果をユーザーにもたらすのかは、大いに気になるところです。このあたりは、別項で積極的に議論する必要があるでしょう。

《メモリーカードスロット》カメラを構える状態で持って、右端の蓋を開けると2枚のSDカード用スロットがでてくる。記録は、順次記録、バックアップ記録、分割記録の3種があります。

《外部との接続とバッテリー》左:上から、マイク/リモートレリーズ、ヘッドホン端子、USB端子(タイプC)、HDMIマイクロ端子(タイプD)、右:バッテリーは右下から挿入(充電器は同梱されていないのでUSB端子を通して一般のを使うことになります)
■いつもの英国大使館を撮影してみました
いつものように晴天の朝、定位置でほぼ同一時間に絞りF5.6にして撮影です。

《いつもの英国大使館正面玄関》絞りF5.6・1/350秒、ISO-Auto80、AWB。レンズは35㎜F4ですから、43.8×32.9㎜の撮像素子では28㎜相当の画角となります。富士フイルムらしくこの条件での撮影の発色は良く、画質的にもむりのあるデータであるわけなく、このシーンの撮影は、私の使用記では儀式的な感じもしないわけではありませんが、このデータからA3ノビに拡大プリントしてみると、1億200万画素なりの画質が得られるか興味あるところです。

《英国大使館エンブレム部分を画素等倍に拡大》絞りF5.6ですからエンブレム、壁面ともピント範囲に入るはずですが、階調は柔らかですが、いまひとつピリッと立った感じがしないのは画像処理に対する考え方なのでしょうか。

《村上開進堂》F5.6・1/220秒、ISO-Auto80。このシーンでのポイントは、打ちっ放しのコンクリの色と、横に刻まれた線で、発色とレンズの歪曲収差を読みとれますが、レンズ一体型であることと、35㎜でF4として無難に十分に補正された画像です。半蔵門・開進堂(2025/04/27)

《ユキノシタ》F4・1/125秒、ISO-Auto500。最近の都市ビルの周囲にはさまざまな草木が植栽されて、わずかながら自然を感じさせるのはうれしいです。写真では、4:3のままユキノシタをクローズアップしてみました。画素等倍まで拡大するとユキノシタの細かい毛まで崩れることなくシャープなのは立派です。発色としてはユキノシタの緑に影響され、グレーのコンクリートの発色がM浮のような気がしますが、かつてのカラーフィルムのカラーフェリアと似たような現象のように考えられますが、モニターやプリントにするとまた異なってくるのでしょう。ニュートナルグレーの色判断は難しいです。半蔵門フロントビル脇にて(2025/04/27)

《16:9で撮影、写真展会場の壁面》F4・1/125秒、ISO-Auto3200。JCIIクラブ25で開かれた「ライカの望遠レンズ」写真展の壁面です。特に露出補正をかけなくても額縁内の白い部分、壁面の黒、さらには写真の絵柄までがなどがそのままに写っています。ふだんはこのような場面はスマホで簡単に写すことが多いのですが、ぬっぺりと描写されるのに対し、本機では額縁と壁面の間に気持ち立体感を感じさせますし、このようにハイライトからシャドーまできれいに写し込めるのは珍しいのです。中判だからか、高画素だからはわかりませんが、ちょっとしたシーンで違いを認識しました。(2025/04/28)

《高架工事中駅舎とタワーマンション》F5.6・1/125秒、ISO-Auto80。4:3のカメラを縦に構えて撮りました。横に構えたまま縦位置の3:4モードもありますが。撮像部はそのままにしておき、アスペクト比を変えるので画素数も変わります。下部の白い塀の部分は見るときの拡大率によっても変わりますが、ぎりぎり飛ぶわずか前の露出レベルであり、少ない私の経験では、富士フイルムらしく、営業写真館での写真スタジオなどでの照明を意識した露出レベルだと思いました。東京・東村山駅(2025/04/29)

《ホテルのエントランスルーム》F4・1/125秒、ISO-Auto1000。特に何もしないでシャッターを切りましたが、十分な画質です。長野県・安曇野(2025/05/06)

《ランタンにピントを合わせてボケを見ました》F4・1/125秒、ISO-Auto500。ピントは中央上部右の「BAREBONES」という文字の刻まれている部分に合わせていますが、背後のボケ具合からすると特別に癖があるとは思えませんが、左上の木漏れ日から球面収差発生を感じますが特異な例だと思います。安曇野(2025/05/07)

《水車と川のせせらぎ》F4.5・1/170秒、ISO-Auto80。ピントだけは左端の水車に合わせてみましたが、この大きさで見ると露出アンダーのようにも感じますが、全体の画面からすると川の流れに特に露出オーバーな部分はないので、拡大率にもよりますが、バランスよい露出成果といえるでしょう。安曇野御法田(2025/05/07)

《菜の花と北アルプス連山》F5.6・1/450秒、ISO-Auto80。4:3のフルフレームと上下をカットしたパノラマ写真では、他の例でも同様で、微妙に露出が異なるのでした。単に、切取っているだけではなさそうです。露出補正はかけていませんが、菜の花主体ならばもう少しプラスとすれば良いのでしょうが、背景の雲や空が飛ぶ恐れがあります。安曇野(2025/05/08)

《パノラマ的に65:24のアスペクト比で撮影しました》F5.6・1/420秒、ISO-Auto80。
雲が多く、絵柄として重く感じたので、パノラマとして上の雲を大きくカットし、手前の菜の花も少しにしました。安曇野(2025/05/08)

《昔ながらの長屋》F5.6・1/340秒、ISO-Auto80。長野電鉄旧松代駅前から続く道にこのような長屋風の建物が2棟続いて建っていました。おもしろいのでシャッターを切りましたが、描写としては直線性の良い写真が得られました。

《パノラマ的に65:24のアスペクト比で撮影しました》F9・1/45秒、ISO-Auto3200。背面液晶画面を撮ろうとしてましたが、何かがあった方が良いだろうと、鋳物の文鎮を置きました。1932年だから昭和7年の製造です。
《梁川剛さんの個展にて》F4・1/14秒、ISO-Auto1600。そもそもこういう場で、このカメラを振り回すようなことはあまり考えないのですが、コンパクトカメラ的にシャッターを切ってみました。新宿G街、こどじにて(2025/05/15)

《新宿歌舞伎町ゴジラ通りを望む》F4・1/60秒、ISO-Auto1600。絞り開放ですが、焦点距離35㎜でF4ということもあってか、深度はかなり深いです。(2025/05/15)

《ゴジラ部分を画素等倍まで伸ばしてみました》過去にこの場所で構えて、ゴジラにピントを合わせて撮影してきましたが、これだけしっかりと拡大できたのは初めてです。

《写真家・石川武志さんの個展にて、1:1撮影》F4・1/100秒、ISO-Auto1600、+0.7EV(加えてトーンカーブ補正)。インドヒジュラの撮影をライフワークとしている石川さんの個展での1カット。(2025/06/01)

《オールドレンズのお勉強会、ディアドルフ8×10での撮影風景、写真家・上野由日路さん》F8・1/7秒、ISO-Auto1600。 ストロボがあるので絞りましたが、そもそも同調するわけでなく、結果としてほとんどの被写体は撮れていたので、良しとしました。引き蓋を引いてるときに膝の上にカメラを置いてシャッターを切りましたが、引き蓋だけブレているのでスローなシャッターであったことがわかります。(2025/06/21)
■使ってみて
●1億200万画素のイメージセンサー
富士フイルムの中判デジタルカメラGFXが1億200万画素のイメージセンサーを採用したのは2019年からで、2023年にはⅡ型となっていいます。GFX100RFは、このⅡ型と同等のセンサーだと思いますが、基準ISO感度が80で、常用の高感度範囲は、AUTOという範囲でISO800・1600・3200と上限を設定できますが、マニュアルで設定すればISO12800まで、さらに拡張感度範囲ではISO40・25600・51200・102400を設定できるのです。
とはいっても、AUTOの範囲では最高でISO3200であり、実際撮影してみると工場出荷時のAUTOの範囲で最高感度はISO3200あたりで抑えられているのがわかります。これは、ライカ判フルサイズの高画素タイプとどのように異なっているのでしょうか。私自身はこのクラスではソニーα7RⅣを使っていますが、日常的に低照度のシーンではかなり高感度にアップする印象があるのです。そこで、GFX100RFとソニーは最新のソニーα7RⅤを比較してみることにしました。
《GFX100RF》有効画素数:約1億200万画素、撮像面積:43.8×32.9㎜、11,648×8,736ピクセル、総画素数102M、画素ピッチ:約3.7μm、常用範囲高感度:AUTO ISO80~ISO800・1600・3200
《ソニーα7RⅤ》有効画素数:約6,100万画素、撮像面積:35.7×23.8㎜、9,504×6,336ピクセル、総画素数60M、画素ピッチ:約3.7μm、常用高感度範囲:AUTO ISO100~3200
この比較から見ると、どちらも1画素あたりのピッチは約3.7μmとなるので、イメージセンサーとしては撮像面積の違いが画素数の違いであり、常用高感度範囲がGFXのほうが安全をとってAUTO ISO80~ISO800・1600・3200と3段階設定にしているのは、設計思想の違いなのか、画像処理処理エンジンやシャッターがレンズシャッター式であることの相違からくるのか、私にはわかりませんが、ノイズの発生がある高感度域ではあまり使って欲しくないという感じはあります。せっかくの高画素中判だから、緻密な描写をねらっているのでしょう。
そこで、少し計算でその能力を見てみました。GFX100RFの場合、4:3のフルサイズで撮ると、11648×8736ピクセルの画像が得られます。これを家庭用のA3プリンターに当てはめて、A3用紙(297×420㎜)でトリミングしないでプリントしようとすると短辺基準で出力解像度は747dpiになり、同じくA3ノビ(329×483㎜)で同じようにトリミングなしで短辺基準でプリントすると出力解像度は675dpiとなり、一般的に言われている出力解像度300dpiを十分に超えているので、高画質プリントが得られることは間違いないのです。ただこのデータをそのままプロラボや出力センターに渡しても、出力効率のためにデータ量をリサイズしてしまうこともあり、一般の写真展会場で時々見かけるデータ量不足の写真になるのです。そのあたりをしっかり管理できる人は良いでしょうが、逆に自宅でフルデータをのせてインクジェットプリンターではかなりの画質が期待できます。私の経験と識者の見解では、300~700dpiほどのデータをそのままプリンターにのせれば、高い解像度分だけ差が人の目の能力と鑑賞距離によってはその差が見えるというのが私の考えです。印刷原稿などの入稿では必要以上のデータ量は意味ないのですが、インクジェットプリンターでは意味があるのです。身近な例として、ミッドタウン富士フイルムのギャラリーのプリントは銀塩出力機でも、高画質にするような管理ができているから、きれいだといつもひそかに考えています。1億画素というのはちょうどそのような境目にあるデータ量で、今後はライカ判フルサイズで1億画素が得られれば、行き着く所にデジタルカメラもなると思う次第です。
●アスペクト比の変更
GFX100RFは、中判で1億200万画素画素のセンサーを搭載して、その高画素利用して、撮影画面の縦横比を変更できるのを最大の特徴として、その操作部分を目立つ部分にダイヤルで設けたことです。もともと、各社の35㎜判フルサイズミラーレス機ではアスペクト比を変える機能を持ち合わせていましたが、これだけ前面に打出してきた機種は初めてです。その種類は、「①4:3、②3:2、③16:9、④65:24、⑤17:6、⑦3:4、⑧1:1、⑨7:6、⑧5:4」と8種類あるわけですが、その違いは過去に富士フイルムが出したさまざまなカメラ画面の縦横比を組み込んだようですが、今回の使用にあたっては、どのような画面でどのようなアスペクト比を選べば良いのかわからなく、苦労しました。結果として使ったのは、大半がオリジナルの4:3、パノラマの65:24とハイビジョン比の16:9、正方形の1:1の3種類でした。撮影時のEVFモードとしては、表示が余黒になる、半透明になる、白い線で示されるの3種類があり、操作もトップカバー上のダイヤルほか、前面のフロントコマンドダイヤルを使えば、EVFをのぞいたままでアスペクト比の変更ができるというわけで、親切なような気がするものの、改めて、写真のフレーミングとトリミングを兼ね合わせて考えると、どうなのだろうと考えてしまいました。
●アスペクト比変更とデジタルコン
本機ではデジタルテレコンと呼ぶ、ステップズームのようなクロップモードがありますが、1つの画面の中で、アスペクト比、デジタルテレコンと両方が作用しあって、EVFか背面液晶で見えるわけですが、このあたりは、あれもできる、これもできるということでなく、もう少しすっきりとしてもらえればと思うのです。まず、アスペクト比の違いが8種類、デジタルテレコンが基本サイズに加え3段階あるわけで、掛け合わせると24種のクロップ画面を決めなくてはならないのです。 発売と同時に購入されたプロ写真家のOさんに聞いたら、ときどき1:1にして撮ることがあるということでした。

《デジタルテレコンを使って羊蹄山を撮る》デジタルテレコンとは、中判の撮像素子を活かして撮像素子画像を段階的にクロッピングすることができ、ステップズームのような使い方ができます。撮影した場面はわかりやすいようにと4枚を組合わせてあります。上左:35㎜(換算約28㎜㎜相当画角)F5.6・1/500秒、ISO-Auto80、上右:45㎜(換算約36㎜相当画角)F5.6・1/550秒、ISO-Auto80、下左:63㎜(換算約50㎜㎜相当画角)F5.6・1/680秒、ISO-Auto80、下右:80㎜(換算約63㎜㎜相当画角)F5.6・1/640秒、ISO-Auto80。この場でも露出(シャッター速度)がシーンによって変化してます。露出は、受光全画面から決めるのではなく、テレコンバーターのクロップ画面から読みとっているような感じです。(2025/06/16)
使って感じたのは、単にフィルム時代のカメラのアスペクト比に合わせるのでなく、たとえば現代的にインクジェットプリントの用紙事情に合わせて、A4、A3、A3ノビの縦横比に合わせるとかやれば、より身近なものになると思うのですが、いかがなものでしょう。また、デジタルテレコンは、当初ライカQシリーズや、リコーGRシリーズのようなステップズーム的な画面変化を期待していましたが、アスペクト比の変更と合わせると余黒部分の視覚的な画面整理が複雑で、なれるまでは時間が必要でしょう。
●撮影レンズ
GFX100RFの撮影レンズは35㎜F4で8群10枚構成だとされている。左は、その実物を正面から撮影したのが、非球面であることを前面に出し、SUPER EBCと書かれています。EBCコーティングは、1972年のフジカST-801のときに開発された12層の多層膜コーティング技術で、Electronic Beam Coatingの略でしたが、SUPER EBCはさらに進化された技術で施されているか、単に富士フイルムの多層膜コーティングの固有名詞として引き継がれているのかはわからなく、同梱のプロテクターフィルターもEBCコーティング処理が施されています。EBC発表当時は、東京から大型バスに乗って大宮までマスコミ関係者が視察に招待されるほどの技術だったのです。

《SUPER EBC GF 35㎜F4》左:正面から写す、右:レンズ構成(富士フイルムHPより)。8群10枚構成、非球面2枚を含むとなっていますが、右の写真でブルーの部分がそうなのか、何をもって8群10枚としているか、このイラストからはわかりません。シャッターは機械式のレンズシャッターとされ、最高シャッター速度1/4000秒とされています。ただし、光学系の中に4段分のNDフィルターが入ってるようなので、1/250秒より高速の1/500・1/1000秒・1/2000秒、1/4000秒は高速分と等価な露光量ということになるのでしょうか。レンズシャッターの採用は、小型にできること、ストロボと全速同調するなどでしょうか?詳細は技術的な専門職の方に聞かなければ私にはわかりません。
●さすが中判、機械式ケーブルレリーズが使えました & ストラップについて

《左:機械式ケーブルレリーズが使えました》最近のカメラでは機械式のJISケーブルレリーズ穴が開いているのを見ることはできなくなりました。私の使用範囲では、唯一2023年7月に発売されたニコンZfに穴が開いていましたが、機械式レリーズは使えませんでした。GFX100RFには久しぶりにレリーズ穴が設けられていました。どうせソフトレリーズ用の穴だと思いながらもレリーズをねじ込むと、普通にケーブルレリーズが使えたのです、機構的にたまたまそうなったのか、それとも意識的に作動するようにしたかわかりませんでしたが、本機が中判であることからじっくりと三脚に添えて撮影するためだろうと考えました。さらに次期モデルであるXハーフではネジ穴はあっても機械式レリーズは使えませんでしたので、明らかにカメラの位置づけを考えて使えるようにしたと考えました。
《右:ネックストラップについて》GFX100RFには当然のこととして、ネックストラップがついていました。特に富士の場合、金具を簡易に取付けるための樹脂製の爪がついているのがいつものことですが感心します。一方、今回はなぜかネックストラップの金具の取り付けには少しばかり苦労しましたが、使っていてそれ以上に気になったのは、ストラップの剛性が強すぎて、かなり自分を主張するのです。簡単に言うと、固く太いので柔軟性に乏しいのです。写真をご覧いただければおわかりのように、おさまりが悪いのです。カメラを置いたとき、やはりカメラ本体がご主人様であり、ネックストラップは従だと思うのです。このあたりもう少し細くても、柔らかくして、カメラが主体になるような改良を望みたいです。
■終わりに
中判のGFXシリーズは実は私の周りの人たちではかなり所有者も多く人気なのです。すべての人はマウントアダプターを使って、ライカ判用レンズでも少しでも大きなイメージで撮りたいのです。したがって、レンズ交換できないGFXには、彼らはまったく興味を示さないのでした。その点において、今回のGFX100RFではレンズ非交換式で、中判というイメージサークルの大きさを利用して、撮影画面のアスペクト比とデジタルテレコンを組込み種々撮影にバリエーションを持たせていますが、それだけに操作が複雑になってしまったのではないかと思うのです。各社とも正統に進化してきたデジタルカメラに、今後はどのような付加価値を付ければ需要喚起できるかと模索中なのでしょうが、いま一度写真を撮影するという原点に立って、これからのカメラの在り方について考えて欲しいのですが、次にはさらに考えさせられるデジタルカメラ「Xハーフ」が控えていますので当分私の苦悩は続きます。 (^^♪

《柔らかなネックストラップ》10年以上前に写真仲間の谷さんが作ってくれたライカ用のストラップ。何でもヨットの係留用ロープだそうで、しなやかで癖もありません。
オマケ)富士のデジカメは色が良いというのが少し理解できました。