■ソニーα1Ⅱがやっときました
2024年11月19日に発表されたソニーα1Ⅱの発売は12月13日でした。そこで1月の松がとれた時期に注文を入れたのですが、何と入荷は5月だというのです。それでも、4月初頭には手元に届きましたのでほっとしましたが、シリアルナンバーを見ると1500番代なのです。初期出荷を800台ぐらいだろうとみると、以後は月産250台ぐらいなのだろうかと想像するのですが、なぜか最近の各社カメラの新製品は発売日の初日に入手できないと、以後入荷はいつになるかわからないみたいなのが多いのです。
このブログに掲載した機種の直近では、富士の“instax wide Evo”もそうで、発売日当日に入手した私のレポートを見た知人が欲しいとなったのですが、入手できたのは申し込んでから1ヵ月以上先のことでした。同じように、富士のGFX100RFは発表日の2日後に発売日分は予約完了で、シグマのBFは予約受付日の初日の午前中で完了というわけで、ともかくなぜか最近はカメラ新製品の需要は高いのです。
前置きが長くなりましたが、α1Ⅱの特徴をまず最初にチェックしてみました。その特徴は、35㎜フルサイズ (35.9 x 24.0 ㎜)、5010万画素のメモリー内蔵CMOSセンサー、最高約30コマ/秒の連写、高度な被写体認識を可能にするAIプロセッシングユニットなどですが、ブラックアウトフリー撮影や0.3~1秒まで細かく設定可能のプリ撮影機能ができるが特長で、大きな魅力でしょう。
今回は、基本となる標準レンズとしていつも使う「ゾナーT*35㎜F2.8FE」に、「シグマ17㎜F4DG DN」、「シグマ35㎜DG DN」を加えてみました。

《左から、シグマ17㎜F4DG DN、α1ⅡにゾナーT*35㎜F2.8FE装着、シグマ35㎜DG DN》いずれも、使用状態を前提にしてプロテクトフィルターと専用フードを取付けてあります。最近のシグマレンズの特徴は、レンズ鏡胴部に絞りリングをもっていることで、使い勝手としては旧来のレンズと同様にファインダーから目を離さずに目視して絞りを設定することができるので使いやすいのです。ゾナーT*35㎜F2.8FEは、α7シリーズ最初期のレンズなので絞りリングはありませんが、ソニーのレンズも最新のものには絞りリングは付けられるようになっています。正面から見るとα1のロゴは白く塗装されていますが、初代のα1では金色でした。いずれにしても、新型であるところを前面にアッピールしていないのは、ソニーの1つのスタイルですが、旧型モデル使用者にとっては古さを外観からはあまり感じさせないのはうれしいことです。

《ボディ斜め背部から各操作部を見る》こんな位置から首からかけたカメラを両手で握って操作することになりまが、その各モード設定が、外見から一目瞭然なのは好感を感じさせます。背面液晶は、あえて初期メニューを表示した状態で撮影しました。
《左:AF、連写設定のダイヤル》α1Ⅱと外観で示されているのはトップカバー左肩上だけです(α1では金文字でしたが、α1Ⅱでは白文字になりました)。手前右から2番目の“DMF”はダイレクトマニュアルフォーカスの略で、AFの後に細かく手動でピント合わせができるモード。《右:記録メディアのスロットは2つ》メモリーカードはSDかソニーならではのCFexpress Type Aを2枚挿入でききます。
■いつもの英国大使館正面玄関
いつもの英国大使館正面玄関は、今回はスタンダードとしてソニーのゾナーT*35㎜F2.8に加え、シグマ35㎜F2DG DN、シグマ17㎜F4DG DNで撮ってみました。撮影条件は晴天の午前10時15分ごろ。絞りF5.6、AWB、屋根直下のエンブレムにピント合わせています。

《ゾナーT*35㎜F2.8FE》F5.6・1/640秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。エンブレムの解像感、その周りの壁面の描写は一見すると何でもないように見えますが、画素等倍まで拡大してみても解像感もしっかりしていて、ハイライトからシャドーまで破綻はなく、階調というかつながりの良さも感じます。本来なら、画素等倍で見たいところですが、ブログの制約から残念ですが、このサイズです。

《シグマ35㎜F2DG DN》F5.6・1/640秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。画素等倍まで伸ばして見ると階調のつながり、合焦位置の解像感はシグマのほうがわずかに高いように感じました。ただこれが、実際のプリントにおいてはどれだけ効いてくるかは拡大率によっても変わりますので、実際は同じかもしれません。最大口径の違いもあり、撮影時は絞りF5.6に絞ってますが、ソニー・CZゾナー35㎜F2.8の登場は2013年、シグマ35㎜F2DG DNは2020年でしたので技術的な向上があってもおかしくないのです。もちろん、カメラもレンズも最新のファームウエアですが、何と1月15日にα1Ⅱのソフトウェアアップデートとして発表されたのです。しかし、今回のレポートの結果には直接問題はないので良しとしました。

《シグマ17㎜F4DG DN》F5.6・1/640秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。こちは基本的な画角の違いを見てもらおうとしたのですが、解像感と階調の再現性は大きく変わる部分はありませんでした。ただ、この状態で、3本ともの露出結果つまりシャッター速度が同じなのは、当たり前といえばそれまでですが、あれっと思ったのも事実です。
■さまざまな場所で撮ってみました
限られた時間でしたが、シグマの2本のレンズで、身近な自分なりの被写体ですが、あちらこちら撮影をしてみました。

《シグマ35㎜F2DG DN》F2・1/2000秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。近接時における背景のボケ具合を見るためのカットです。右端奥のほうに非点収差的なボケが見えますが、ピント面はシャープです。背景は左が遠距離で、右側は近距離となります。

《シグマ35㎜F2DG DN》F2・1/2000秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。絞り開放・近接時の前後のボケ具合を見るためのカットです。中央合焦点の水平方向の直線性は良く、ごくわずかに前後4隅に球面を感じさせますが、全体的には癖のないボケ具合といえます。

《シグマ35㎜F2DG DN》F2・1/4000秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。縦位置撮影での遠近感を見るためのカット。手前の樹木の花にピントを合わせて絞り開放F2の描写ですが、背景の建物は適度にボケて遠近感を感じさせますが、何となく歪曲収差の影響がでています。

《シグマ17㎜F4DG DN》F8・1/250秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。靖国神社の鳥居(後に紹介)の歪曲が目についたので、歪曲補正をONにしましたが、そのうえで35㎜と17㎜の画角の違いを同じ場所から見ようと思いました。

《シグマ35㎜F2DG DN》F5.6・1/40秒、ISO-Auto640、WB:デーライト、歪曲補正OFF。1871(明治4)年に靖国神社正面の常夜灯として建設された高燈籠。灯篭の明かりがホワイトバランスにより白くならないようにとマニュアルでデーライトに設定。

《シグマ35㎜F2DG DN》F5.6・1/40秒、ISO-Auto640、WB:デーライト、歪曲補正OFF。撮影していて何となく歪曲が気になるので、あえてこのようなシーンで撮影してみました。そこで、後日レンズ補正をONにしましたが、結果としてはまったく問題ない描写になりました。この過程でこのカットをFBで見せたところ、わざと歪曲補正をOFFにしただろうと指摘されましたが、少なくともソニーのα7シリーズは初期設定はOFFになっていましたので、気になる方はぜひONにすることをお勧めします。

《シグマ17㎜F4DG DN》F8・1/400秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正OFF。昼下がりの半蔵門国民公園。画面左下の英国大使館職員(たぶん)の足の伸びとレンズのデフォルメの感じが面白い。

《シグマ17㎜F4DG DN》F8・1/640秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。レンズの歪曲補正をONにしてあるため、歩道の縁石はみごと直線です。このデータを画素等倍まで拡大すると工事許可条件など細かい文字がしっかりと読めるほど細部はシャープです。

《シグマ17㎜F4DG DN》F8・1/320秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。青空と桜の花のコントラストは良く、周辺光量の低下は感じられないですが、カメラのレンズ補正の周辺光量補正はデフォルトがONになっています。わざわざOFFにしてその効果のほどを見るまでもないでしょう。

《シグマ17㎜F4DG DN》F9・1/80秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。いま話題の建築家隈研吾氏が監修した喫茶店。広島県の早谷神社屋根の銅板を吹き替えたときの廃材を持ち込み、地元の板金屋さんが手がけましたが、朝から午後も逆光になるのです。中央上部には太陽が位置していますが、ゴーストがでていないのは、シグマの言うゴーストバスターの成果でしょうか。

《シグマ35㎜F2DG DN》F4・1/640秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。私の撮影はあまりというか、ほとんど連写を必要としませんが、それではα1Ⅱの特徴を活かしていませんので、あえて“H+”にセットして電車の走行を撮影してみました。約1秒間シャッターを押して、30コマ強撮れましたが、木と木のわずかな間に先頭車両が通過するところを、1回で撮影できました。動きものには連写は必須でしょうね。なお本機はプリ撮影機能が新たに加わりましたので、より瞬間をとらえるときは便利でしょう。そして、何よりもシャッターボタンを押した感覚が素直で、小気味よくシャッターが切れるのはフラッグシップ機のもう1つの側面なのでしょう。

《シグマ35㎜F2DG DN》F5.6・1/200秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。水面に映る池に生える葦と背後の桜を狙いました。この画面の中央部分の葦を画素等倍に拡大したのを次に示しましたが、これだけシャープなのはレンズの解像度、CMOS撮像素子、画像処理エンジンの性能などが絡んでくるのでしょうが、私が見てきた範囲では初めてです。気持ちの良い描写です。

≪上の写真の葦の部分を画素等倍にして見ました≫高画素なのに、画素等倍で、崩れずに再現されるのは、レンズが良いのか、画像処理エンジンが良いのか、

《バリにて① シグマ17㎜F4DG DN》F4・1/60秒、ISO-Auto320、AWB、歪曲補正ON。逆光で屋根から漏れる光にゴーストもでなく、左側のホテルのドア柱も歪曲は感じさせません。大きく拡大すると、微細に再現されています。photo by Taka Ono.

《バリにて② シグマ17㎜F4DG DN》F4・1/60秒、ISO-Auto8000、AWB、歪曲補正ON。ピントは、ナイフの下のナプキンの上の文字に合わせていますが、拡大するとシャープです。シャドーメインの場面ですが、紙ナプキンがうまくハイライトとして機能しているので、メリハリのある画面を構成してます。photo by Taka Ono.

《バリにて③ シグマ35㎜F2DG DN》F5.6・1/320秒、ISO-Auto100、AWB、歪曲補正ON。白い雲からシャドーの部分も完全にはつぶれていなく、バランスよい露出となっています。photo by Taka Ono.

《バリにて④ ソニーFE20~70㎜F4》70㎜:F4・1/320秒、ISO-Auto8000、AWB、歪曲補正ON。このカットだけはソニー純正のFE20~70㎜F4を使いました。発色は、レンズによらず、初期設定のままで全体的におとなしい感じがします。photo by Taka Ono.
■進歩と合理化
α1Ⅱの周辺を見てみましょう。

《ファインダーアイピースカップ》今回初ではないでしょうか、ファインダーアイピースカップが2個入っていました。左が、ボディに最初からセットされているアイピースで、右の大型の物が1つ同梱されていました。α1のときはどうであったか記憶にありませんが、高価格プロ用機としてはうれしいことです。

《バッテリーチャージャー》左は同梱のリチウムバッテリー、右は同梱のバッテリーチャージャーです。最近のモデルでは、グローバルシャッター搭載のα9Ⅲでは、1つしかバッテリーに対応していませんでしたが、α1Ⅱ同梱のチャージャーは2個同時に充電可能となっているのです。ただ、これまではAC電源に差し込むタイプでしたが、α1Ⅱ用のはUSB端子が設けられているだけで、別のPD対応の充電器から電源を供給するタイプなのですが、2口になって進歩したのか、変圧器とコードは同梱されていないので、どう判断したら良いかわかりません。なお、α1Ⅱは電源の消耗がソニーの他モデルよりも何となく早いような気がします。だからダブルの充電ハウジングなのかもしれません。当然のこととして、ボディ内にバッテリーを入れたまま、CタイプUSB端子からの充電は可能です。
●歪曲収差補正のON・OFFを調べてみました

《メニュー内のレンズ補正》購入時の初期設定では、周辺光量補正と倍率色収差補正はオートになっていますが、歪曲収差補正だけは“切”になっているので、ONにすれば歪曲は気にならないほどに補正されます。
歪曲収差の発生が気になるか、気にならないかは、撮影距離や被写体によっても大きく左右されます。そこである限られた条件ですが、以下に今回登場させた、3本のレンズについて補正ON・OFFを調べてみました。このための被写体は長方形のタイル壁面にしましたが、撮影レンズと壁面の関係は光軸に対して直交させ、さらに水平・垂直を合わせるなど細かい調整が必要ですが、ここでは簡単にするためにラフにやりましたが、それなりの傾向は把握できると思います。

《ゾナー35㎜F2.8》画像は36×24㎜の全画面に対し上部から1/4ぐらいを掲載しました。上:ON、下:OFF。わずかながらの樽型が補正されているのがわかります。

《シグマ35㎜F2DG DN》上:ON、下:OFF。ゾナーよりはわずかに歪曲収差の発生は大きいようですが、補正をONにするとみごと直線になっています。OFFの状態で歪曲具合が大きいのは、レンズ設計タイプ、口径比の違いによるものでしょうか、断定はできません。

《シグマ17㎜F4DG DN》上:ON、下:OFF。カメラセットが若干右上がりとなってしまいましたが、補正ONにすると、陣笠型の歪曲がみごと一直線になるのが素晴らしい。このような電子補正の手法は一眼レフの時代になってからの技術でしたが、ミラーレス機になってから、より進歩した印象をもちました。
このようなレンズの補正技術は、各社においてどうなのだろうと調べて見ると、ニコン、キヤノンとも同様な機能のメニューはありました。そこで、手元のキヤノンEOS RPに純正のマウントアダプターを介してEF28~200㎜F3.5-5.6を28㎜端でレンズ補正をON・OFFさせて見たら、みごとな樽型歪曲が直線的になったのはこれまた驚きでした。
●パッケージと取扱い説明書

《α1Ⅱの外箱と取り扱い説明書》今回注目したのは外箱と取扱い説明書です。2021年3月に発売されたα1では、外箱はオレンジと黒の2色刷りでしたが、今回は白地に黒の1色印刷になったのです(ソニーα1を使ってみました(Final ver. 4) - 写真にこだわる)。さらに、α1で146ページあった取扱説明書は折畳式のペラ紙1枚となりました。

《新型のソニーα1Ⅱとα9Ⅲ》ボディは163.1W×96.9H×82.9㎜と、どちらも同じ寸法。重さは、α1Ⅱは658g、α9Ⅲは618g。見た目もレンズ左のファンクションボタンの番号も変わりはないです。

《新型のソニーα1Ⅱとα9Ⅲ》左がα1Ⅱ、右がα9Ⅲ。この角度から見る範囲では違いはまったくない。この角度から見る限り、たぶん入替えてもわからないでしょう。
■終わりに
2021年3月のα1のレポートときには、交換レンズを超望遠系までそろえての実写テスト、ストップウオッチで秒30コマの確認などをしましたが、α1Ⅱへの進歩は、プリ撮影機能の追加などがありましたが、なかなかその部分を写真にてお見せするのは難しいというのが本音です。α1Ⅱに限らずこの時期の改良機は被写体認識機能の向上など、スペック的には目には見えにくい部分の技術進歩が多く、逆に中身は同機能でもを変えるというのは時代的にはユーザーから歓迎されないことで、デザインを大きく変化させないで、中身を進化させていくというのは1つの見識だと思うのです。デジタルカメラが登場して早くも1/4世紀に達しようとしていますが、このように成熟したカメラ技術に対して、ハイエンド機だけでなく、底辺層、若者層に向けた商品開発も長い目で見たときには、カメラというものをしっかりとこれからも残すためには大切だと思うのです。
なお使用したシグマの交換レンズは、同社製品ラインの中で、コンテンポラリーと名付けられて分類されていま。この上位にはアートという製品ラインもあるわけですが、コンテンポラリーの描写も素晴らしい画質であることを認識できたのも今回の収穫でした。 (^^♪