俺の応援していた『グリーングリーングリーンズ』が打ち切られてしまった。悲しい。このバスは今から集英ビルに突っ込む。
確かに、派手な漫画ではなかったかもしれないよ。主人公が無双しないし、現実離れしたトンデモ必殺技も出てこないし、そもそもゴルフっていう競技自体が「静」のスポーツだし。でも、それだけに、実直で素敵な漫画だったよ。キャラクターの成長や気持ちの変化がじっくり丁寧に描かれた、長い時間をかけて見守りたい漫画だったよ。今からでも『ライジングインパクト』みたいに再開できないか? 頼むよ。
長年ジャンプを読んでればこんなことは茶飯事だけど、今回はかなり食らった。もうジャンプにスポーツ漫画はいらないのか?ってぐらいネガティブな気持ちになってる。直近の『アスミカケル』も『ツーオンアイス』も面白かったのにさあ。これが全部打ち切られる世界、間違ってるよ。それで言うと本当は『魔々勇々』の話もしたいけど、今回は涙を呑んで割愛するよ。
何度でも言うけど魔々勇々は逢魔ヶ刻動物園だから この人は後にハンパねぇ名作を描いてくれるから 絶対だから よろしくな
— ササンチ (@pluMegane) 2024年4月8日
ジャンプのスポ根が読みたいんだよね。
俺は『テニスの王子様』と『アイシールド21』の頃に読み始めた世代で、そこに『黒子のバスケ』が続いて、『ハイキュー!!』『火ノ丸相撲』『背すじをピン!と』の三本柱の時代が来て……とスポ根の火が絶えず引き継がれるのを見てきた。昔のことはわかんないけど、『SLAM DUNK』世代でも『キャプテン翼』世代でも、ジャンプ(というより少年誌全般)にはスポーツ漫画が載ってて当たり前、って感覚は共通のはず。
でも、連綿と続いた流れが『ハイキュー!!』以後パッタリ途絶えちゃった。スポーツ系の新連載すら滅多に出てこなくなった。正直『ハイキュー!!』の完成度を見せられてから「スポ根でもう一旗揚げよう」は相当勇気いるわな。
冷静に考えてハイキュー完結はとっくに決まってたのにいっぱいあった今年の新連載枠にスポ根ひとつもないのヤバくない?誰も描いてないのかな
— ササンチ (@pluMegane) 2020年7月13日
俺はスポ根に飢えた。約1年ぶりに現れたスポ根が打ち切り臭プンプンの『クーロンズ・ボール・パレード』でも、半ばヤケクソになって応援した。『高校生家族』の親父がバレーボールする回すら貴重な癒しだった。もう『アオのハコ』はバスケとバドミントンだけ見せてくんねえかな。足りねえんだもん、スポーツ成分が。ずっと。
結局、『ハイキュー!!』の完結から今に至るまで4年もの間、スポーツ漫画が誌面に定着してくれない。去年になってスポ根が立て続けに投入されても、ことごとく打ち切られた。『ドリトライ』……は、まあ、ともかくとして、『アスミ』『ツーオン』『グリーンズ』、どれも別に作品の出来が悪かったわけじゃない。ジャンプじゃなければ続いてたレベル。にもかかわらずだよ。なあ。どうしてこうなった? 何とかして守れなかったのか? なあ。『サムライ8』はズルズル続けたくせによ。最近『願いのアストロ』でも同じことしようとしてないか? なあ。守るべきは『グリーングリーングリーンズ』だろ。守るべきは『ビーストチルドレン』だっただろ。なあ。
日本代表の敗退とともに終活が本格化するビーストチルドレンさんマジで悲しすぎる 137話ぐらいで空くんのペナルティーキックが超絶美麗最高画力のド迫力見開き大画面で描かれるところを見たかったよ俺は
— ササンチ (@pluMegane) 2019年10月21日
ていうか「ジャンプじゃなければ続いてた」がマズくない? ジャンプだけがスポ根不毛の地みたいになってる。お隣のマガジンやサンデーを見たら『はじめの一歩』『MAJOR』だけじゃなくて『ブルーロック』『レッドブルー』も頑張ってる。もっと広げれば『メダリスト』とか『ダイヤモンドの功罪』とか、ここ数年でも看板級のスポーツ漫画が各所で育ってる。いないのはジャンプだけ。ジャンプラには『忘却バッテリー』がいるのに。
とは言ってもアンケート至上主義のジャンプだから「打ち切られるのは需要にマッチしてないから」ってとこだけは疑うべきじゃない。メインの読者層が求めるスポ根とズレてるか、そもそも求めてないか。
求めてないパターンが一番怖いけど、一応『ブルーロック』とかクラスの男子みんな読んでるレベルで流行ったらしいし、若い世代がスポ根を求めてないってことはないはず。ないよな?
じゃあ『アスミ』『ツーオン』『グリーンズ』が読者の求めるものと違うんだとすれば、ここに共通する弱点はやっぱり修行パートが地味で大幅なレベルアップがないこと、それとトンデモ技がないことか? 今『テニプリ』『黒子』路線のスポーツ漫画が一本出てきたらドカンと売れちゃったりするのかもしれない。
そうだよな、昔からジャンプのスポーツ漫画ってそういうハッタリの効いた必殺技で大活躍するのが定番だったよな。小学生はオーバーヘッドしないし高校生はダンクしない。おチビちゃんは2メートルブロックの上を抜くこともなければ横綱級の巨漢を投げ飛ばすこともないよ。だから憧れるんじゃない。もっとあり得ない必殺技を出さなきゃ。分身したりボールを消したり相手の五感を奪ったりしなきゃ。それがジャンプのスポーツ漫画ってもんだろう、わはは。
一体何を勘違いしていたんだ? 超人的な技も使わない、地道に少しずつ実力を磨いていく、そんな内容じゃやっていけないよ。天下のジャンプでそんなスポーツ漫画が続くわけ———
『すじピン』だ。俺は『すじピン』に狂わされたんだ。
地味で実直で、それでいて確かな輝きを放つ『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』の姿を見て、こんなスポーツ漫画がもっと読みたいと願ってしまったんだ。
よくわからんマイナー競技で、よくわからんトレーニングを重ねて、初めての大会でタコ負けしたりして、全然うまくいかない中で少しずつ成長していく様を、ジャンプの誌面上で見守りたいと夢見てしまったんだ。
なんなんだよあの漫画。奇跡か? 10巻も続いて堂々と完結しやがって。夢見させやがってよ。なんだよ必殺技が「つちわたブースト」って。可愛すぎるだろ。
というわけで、なぜ少年ジャンプがスポーツ漫画不毛地帯と化しているのか、その謎を探るべく我々(ここでは俺一人を指す)は『すじピン』を読み返す旅に出ることにした。『すじピン』にあって最近の打ち切りにないものはなんなのか、そもそも今のジャンプに『すじピン』がいたらどうなっているのか、考えながら読み進めたい。
俺たちの戦いはこれからだ。次回作にご期待ください。たぶん続かない。
追伸
実際のところ、ジャンプのメイン読者層の目に近頃のスポ根がどう映ったのか、当方からは想像するほかないので困っています。もしこれを読んでいる方で10代のジャンプ読者がいたら、『アスミカケル』『ツーオンアイス』『グリーングリーングリーンズ』への忌憚ない感想や周囲での評判を詳しくお聞かせいただけると幸いです。
『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』もよろしくお願いします。
