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なぜ金利上昇で円安になるのか(アーカイブ記事)

長期金利が急上昇し、株式の配当利回りと逆転した。これ自体は当たり前で、株式の主たる利益はキャピタルゲインなので、配当(インカムゲイン)だけを比べると債券のほうが高くなる。

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ただ異様なのは、ここ3年の長期金利の急速な上昇である。その一つの原因は、日銀総裁の交代である。黒田総裁は2022年末にYCCで激しく国債を買い支えたが、植田総裁はそういう金利操作をやめたからだ。

また長期金利は財政状況を反映する。通貨としては通常、日銀券だけが想定されるが、その残高は約120兆円。それに対して国債は約1100兆円と、ほぼ10倍である。両者の違いは金利がつくかつかないかだけだから、政府債務としては国債のほうがはるかに重要である。続きを読む

「英国病」のスタグフレーションがサッチャー首相を生んだ(アーカイブ記事)

高市首相の経済政策は、海外メディアがそろって指摘するようにサッチャー首相とは対極にある。サッチャーはその11年の任期を通じて「積極財政」という言葉を使ったことがない。彼女は徹底的な緊縮財政でイギリスを「英国病」から救ったが、それは新自由主義と呼ばれるほど普遍的な思想ではない。

本書も指摘するように「サッチャリズムは20世紀後半にイギリス社会が直面した状況から生み出された、すぐれて歴史的な産物」である。のちにマネタリズムと呼ばれる政策を彼女が実行したのはフリードマンの思想を理解していたためではなく、1970年代に英国病が完全に行き詰まった状況で、他に手段がなかったためだ。

その症状は10%を超える失業率とインフレで、その原因は財政赤字だった、この点は日本と似ているが、最大の敵は長期にわたってストライキを繰り返す労働組合、特に炭鉱労組だった。この点では保守党内の意見は一致していたが、違うのは手法だった。

ヒース首相は保守党の本流でイギリス的な紳士だったので炭鉱労組との対決を回避し、財政出動で失業を止めようとしたが、これによってインフレが悪化し、スタグフレーションに陥った。石油危機でイギリス経済が崩壊する大混乱の中で、党内の異端だったサッチャーが「反ヒース」の急先鋒としてかつぎ出されたのだ。

続きは12月22日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

ヘリコプターマネーでインフレは起こせる(アーカイブ記事)

黒田日銀の大規模な量的緩和は「黒田バズーカ」などと呼ばれたが、空砲だった。その原因は、本書58ページの次の式でわかる。FTPLで政府と日銀の統合B/Sを考えると、物価は「名目政府債務/実質政府財源」すなわち

  M+B
P= ―――
   S

で決まる。ここでPは長期的な均衡物価水準、Mはマネタリーベース、Bは市中で保有されている国債の評価額、Sは政府の財源(プライマリー黒字の割引現在価値)である。日銀券も国債も統合政府のバランスシートでは債務だから、日銀がBを買ってMを増やしても、同じだけBが減るので政府債務(M+B)は変わらず、物価Pは上がらない。これが日銀の「異次元緩和」が失敗した原因である。

財政バラマキでインフレは起こせる

黒田総裁は、こんな単純な関係に気づかなかったのだろうか。おそらくそうではないだろう。彼の脳内には、統合政府債務(M+B)が中央銀行のオペレーションで動かせるという伝統的な金融理論があったと思われる。

上の式でBは金利で割り引いた現在価値なので、日銀が国債を買うと金利が下がってBが上がり、左辺の物価Pが上がるのだが、ゼロ金利になるとそれ以上は金利が下がらないので、物価は上がらない。

今の日銀のオペレーションでは市中銀行の保有している国債を買うが、それをしないで日銀がヘリコプターから直接、日銀券をばらまけばいい、というのがフリードマンの1969年の提案である。日銀が国債を買わなければ、Mだけが増えて上の式の分子が増え、Pが上がる。これは過激なインフレ税である。

もちろんヘリコプターというのは冗談で、実務的には財務省が政府紙幣を発行して、日銀が買えばいい。これは市中に出ないのだから、政府と日銀だけが知っている「1兆円札」のようなものでいい(クルーグマンは1兆ドルコインを提案した)。それを日銀券に替えて政府が給付金を配れば、Mだけが増えてBは減らない。

だから財源は本質的な問題ではない。インフレの中で財政バラマキをやったらインフレが起こることは確実だから、高市政権の「積極財政」はヘリマネの一種だ。問題はそれをどうコントロールするかである。続きを読む

ワトソンの不都合な真実(アーカイブ記事)

ジェームズ・ワトソンが死去した。97歳。本書は、彼とクリックが「遺伝子」の正体がDNAの二重らせんという単純な構造にあることを発見するまでを描いた、20世紀最高の科学読み物である。ただワトソンの役割が誇大に描かれ、最初に二重らせんを発見したロザリンド・フランクリンの業績を無視しているなど、学問的には問題が多い。

ワトソンは陽キャラで、その後もいろんな問題を引き起こした。大スキャンダルになったのは、2007年に「黒人の知性は白人と同じではない」と発言し、国際的なブーイングの嵐を巻き起こしたことだ。彼は全面的に謝罪したが、所長をつとめるコールド・スプリング・ハーバー研究所の理事会は、彼を停職処分にすると発表した。

問題のインタビューを読むと、たしかに軽率にしゃべった印象はまぬがれない。世界一有名な分子生物学者のコメントとあれば、当然科学的な根拠のある話だろうと読者は思うが、彼はこの点も「科学的根拠がない」とあっさり引っ込めてしまった。

しかしIQと遺伝子には明らかな相関があり、その遺伝子の一部も同定されている。また、かつて大論争を巻き起こした"The Bell Curve"のように、黒人のIQが平均して白人より低いとする実証研究は多く、学問的には認められている。カリフォルニア大学などでは、ハンディキャップをつけないとアジア系が圧倒的多数を占めて、黒人がほとんど入学できないという実態もある。

続きは11月10日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)



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