以下の内容はhttps://ichikingnoblog.hatenablog.com/entry/2025/09/28/230734より取得しました。


『Aqours Documentary』感想

 映画『Aqours Documentary』の感想を簡単にであるが書いておこうと思う。ネタバレには配慮しないので悪しからず。


 映画はFinaleのリハーサルの場面と過去についての語りを行き来するようにして進行していくが、前半で描かれたのは、私たちのよく知っているAqoursの物語だったといえる。
 バッシングを受けながらも懸命に前に進んでいき、μ'sの二代目ではないAqoursとしての存在を確立していくプロセス。ラブライブ!フェスはそのひとつの到達点である。長崎行男さん、米川充洋さん、大久保隆一さん、石川ゆみさんらAqoursを外から導く大人たちの姿が映し出されることが、描かれるその物語に厚みをもたらす。


 しかし、Finaleリハ中の高槻かなこさんの不調の場面から、映画のトーンは大きく変わる。後半で描かれたのは、私たちの知らないAqoursの姿だった。


 コロナ禍以降、Aqoursは必ずしも“ひとつ”ではなかった。
 Finaleへのそれぞれ異なる想い。何年も組まれていない円陣。逢田さんや降幡さんの言葉によればその背景にあるのは、キャラクターを背負い続ける重圧や、コロナ禍での目標喪失の経験のようである。もちろんそれ以外にも様々なものがあるのだろう。
 ある時から円陣を組まないことに決めたのだと伊波さんは語る。その“ある時”が何か具体的な出来事を指しているのかどうかは窺い知れない。しかしいずれにせよ、円陣を信じるよりもむしろ、円陣によって抑圧されてしまう何かに敏感にならざるを得なかった時期が、Aqoursにはあったのだ。円陣を組まないこと、それはお互いへの尊重であり、遠慮でもあり、そのどちらであるかを決定することはきっと不可能である。


 私が観ながら何よりも感じたのは、彼女らも、人生の変化の過程をごく普通に歩んでいたのだということだ。時を重ねると見えるものが増えていき、ただ無垢にひとつのものだけを信じることは難しくなっていく。ものごとは複雑なのだということを実感していく。後半の5年間、そうやって良くも悪くも、Aqoursは大人になっていっていたのである。
 彼女らの苦悩は想像すべくもないが、それでもそうした変化はどこかわかるような気がした。自分にも近い経験があるように感じたからである。
 とても個人的な話だが、まさにコロナ禍の頃、Aqoursを追う中でいろいろな出来事や葛藤があった。その過程の結果の一つとして、私は少し、Aqoursから距離を置くようになった。ただ純粋にAqoursの物語に自分を重ね合わせながらがむしゃらに日常を過ごす、そんな自分ではだんだんいられなくなっていった時期があった。
 おこがましいかもしれないが、映画を観ながら、彼女らを私と一緒だったのだと感じた。いや、きっとある程度年齢を重ねている誰にとってもそうなのではないか。信じていたものだけが全てではないことを理解していく人生の過程は、多くの人間に共通するものだ。


 円陣を組まなくなっていたこと、Aqoursがかつてのように“ひとつ”ではなくなっていたこと、それをこの映画で知らされたのは、ファンとしてはやはりショックではある。そしてフィナーレで最終的に円陣が組まれたことに感慨を覚えるのもまた事実だ。
 ただ、円陣を組まない数年間を過ごしていたことを、単純に否定的に捉えることはしたくないなと私は思う。そこにあった迷いや葛藤はAqoursの弱さだろうか。“ひとつ”にならなかったことは誤りだろうか。いや、そうではないだろう。ただ、その時々の状況があり、その時々の選択があり、その時々のAqoursが大切にしようとしたものがあったのだという、それだけのことなのだ。そこには正解も間違いも無い。


 だから、知れてよかった、とただシンプルに思う。
 コロナ禍以降見えづらかったAqoursの姿を、この映画はひとつの仕方で描き出してくれた。Aqoursは、ごく当たり前の人間たちだった。ステージの裏側で、当たり前に葛藤し苦悩し、お互いを尊重し合い、あるいは遠慮し合い、時を過ごしてきていた人間たちだった。
 Finaleで組んだ円陣に彼女らが何を感じたのか、直接的には語られない。ただ降幡さんの涙のみが映し出される。少なくともきっと、10年間のあらゆる想いがその円陣に凝縮されていたことだろうと思う。
 私たちのヒーロー、Aqoursの10年間には、前半の5年間も後半の5年間も、それぞれたくさんの葛藤があったのだろう。
 そんな彼女らの10年間に、私は心から敬意を表したい。そして、ありがとう、Aqours







以上の内容はhttps://ichikingnoblog.hatenablog.com/entry/2025/09/28/230734より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14