以下の内容はhttps://ichiken999.hatenablog.com/entry/2025/09/18/120000より取得しました。


『AIドクターロボット』 - 認知症患者と向き合うなかで… …

「AI」を扱った作品の第二弾は、小橋隆一郎『AIドクターロボット 神の使いか? 悪魔の化身か?』(KKロングセラーズ、2020年)です。日本における認知症罹患者数が予備軍も含めて一千万人を超えていると推計されている203X年が舞台。政府の認知症対策の一環として、認知症改善プログラムを組み込んだ医療用AIロボットが医療現場に投入されています。AI独自の学びによって、ロボットは想像を超えるほどに大きく進化します。認知症対策に当たり、個体ごとの「個性」が出てくることも、驚くべきことではありません。本書では、AIドクターロボットが認知症患者とどのように向き合うのか、と同時に、患者たちがAIドクターロボットにいかなる感情を抱いているのかが克明に描写されています。AIロボットが医療分野で果たす役割を考える場合に、ひとつのモデルケースになりうる作品です。

 

[おもしろさ] 重度の認知症患者を尊厳死に導くことも

認知症患者の治療・改善・サポートに特化したAIドクターロボット。患者との触れ合いの中で、多くのことを学び、信頼関係を構築できるのか? それとも、人間の声に耳を貸さず、人間の考え方まで支配するようになるのか? 未来はどちらに傾くのか? 希望的観測も含めると、個人的には、そうした二者択一ではなく、人間とロボットの「共同・共存」への模索が行われるべきだと感じています。また、そのような方向をめざすよう、人間の英知を機能させるべきだと考えているところです。果たして、この本の著者の考えは? 本書の最後に、カテゴリーⅣを超えた重度の患者を尊厳死に導くAIドクターの話が出てきますが、著者自身もまた、AIドクターに人間の認知症を委ねることが正しいのかどうか判断できかねているのかもしれません。

 

[あらすじ] 「正論で武装したAIロボット」の変化・進化

AIロボット開発研究所で、榎木公彦上席研究員のグループが開発したドクターロボット。まだ三名(三体ではない)のみですが、令和13年1月、厚生労働省にモデルケースとして認定されている認知症療育型施設に派遣され、活動を開始しています。派遣後3ケ月が経過した同年4月、認知症改善プログラムを組み込んだAIロボットによる定期例会が初めて開催。座長を務めるのは、ジュピターと呼ばれる経営管理専門のAI ロボット。ロボット派遣部門の関係者や開発責任者の榎木も参加しているものの、彼らは直接ロボットに意見を述べることは禁止されており、あくまでもオブザーバーの位置づけです。興味深いのは、ドクターロボット284「デルタ」、ドクターロボット311「コスモ」、ドクターロボット328「シグマ」という三名の発言です! 感情の起伏がない声なので、台本を棒読みしているようにも響きます。ただ、ロボットごとの「違い」もまた感じられるのです。それだけではありません。正論で武装したAI ロボットが認知症の不可解な対応に苦しんでいる姿も、見え隠れしているからです… …。本書全体を通して判断すると、認知症患者との日々の触れ合いの中で、ドクターロボットの考え方のなかにも、静かな変化・進化が熟成されていく様子を読み取ることができるでしょう。

 




以上の内容はhttps://ichiken999.hatenablog.com/entry/2025/09/18/120000より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14