「起業を扱った作品」の第二弾は、星渉『鈴木さんの成功。会社員から起業した時に待ち受ける「真実」の話をしよう。』(マネジメント社、2016年)。自動車販売営業マン歴7年の鈴木将吾。メンターとなる神田進次郎と出会い、彼に導かれて会社を興し、いろいろな壁を乗り越え、成功をつかむまでの物語。起業を考えている人にとっては、知っておくべき情報満載の作品です。著者は、株式会社Rising Star代表取締役、起業塾「The Class-S」主宰者。
[おもしろさ] 起業家に不可欠なビジネスの基本・戦略・マインド
本書の特色は、著者の言葉を借りれば、「起業した時に待ち受けている真実を知るだけではなく、起業して成功するうえで必要なビジネスの基本、戦略、マインドすべてを身につけることができる」点にあります。やるべきことの一部を順番に紹介すると、「目標は、到達したかどうかが判別可能な形にする」→「目標を明確にしたら、その目標を達成した場面をイメージして感情を何度も味わう。その感情体験が行動を起こす原動力になる」→「ガイドになってくれるメンターを見つける。エベレストは一人では登れない」→いろいろな媒体で書かれていることを実践してどうだったかというのが「本当の情報」である……。そういったアドバイスが神田との会話のなかで示され、それを鈴木が実践していくという形で話が進んでいきます。
[あらすじ] メンターとなる神田とのやり取りを通して
自動車販売のセールスマンを7年やっている鈴木将吾29歳。独身で、彼女もいません。朝早くから夜遅くまで働き、仕事帰りにスーパーに寄り、閉店間際の値引きシールが貼られた弁当を買って帰るのが日課になっています。いまの仕事に特別に大きな不満はありません。ただ、30歳を目前に、「このままでいいのかな」という漠然とした思いを持ち続けていました。ある日、神田進次郎に出会うことに。神田は、3年前まで同じ職場で働いていました。ところが、「自分の好きなことをして生きる」と会社を辞し、いまは起業を志す人をサポートするコンサルタントとして成功しています。彼と出会った鈴木将吾のなかでくすぶっていた「自分の人生、このままで終わりたくはない」という思いに火がつけられます。その一カ月後、すでに会社に辞意を表明していた鈴木は、目を輝かせて、再会した神田に告げます。メンタルトレーナーになりたいと。ところが、それに対する神田の言葉は、手厳しいものでした。「俺のところにも〇〇で成功したいと言って相談に来る人はたくさんいるんだが、この〇〇で成功する! というのが目標のままだとな、99%は成功しないんだよ……。それはな、みんな『成功の定義を決めていないから』なんだよ」。目標をより明確にしてこそ、やることがはっきりするからです……。こうして、神田をメンターとして、鈴木の起業ストーリーが本格的に始動することになります。