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『安全靴とワルツ』 - 「工場のねーちゃん」から「本社のOL」へ

「自動車メーカーを扱った作品」の第三弾は、森深紅『安全靴とワルツ』(角川春樹事務所、2011年)。舞台はグローバルに事業を展開するオリオン自動車。主人公は高専の機械科を卒業し、技能職として同社に入った坂本敦子30歳。工場から本社への異動で、「工場のねーちゃん」から「本社のOL」に変身した彼女の目線から、自動車メーカーで働く人々の仕事のディテールおよび業務・課題の全体像が描かれています。

 

[おもしろさ] 工場での仕事と本社での仕事には、大きな違いが

同じオリオン自動車と言っても、工場での仕事と本社でのそれには、大きな隔たりがあります。製造現場での仕事は、安全を確保しつつ、効率的に良品質の車を製造することに尽きるといっても過言ではありません。それに対して、本社の職場環境は、実に多岐多様。敦子の経験に即して具体例を挙げると、入室にも退室にもカードが不可欠という事情、書類の流れの滞留、時差で行き違いになる海外との連絡、飛び交う外国語、本社と工場との板挟み、フランス出張、欧州から日本に部品を送る輸送船が海賊に襲われるという事件や、国内工場を出ていないシンシアが北京のモーターショーに登場するという出来事に対する対応など……。それゆえ、工場と本社で働いている人の間には、意識・考え方にズレが生じやすくなっています。本書の特色は、本社での仕事を経験したがゆえに、また新しい観点で製造現場を見ることができるようになるまでの敦子の変化をたどることができる点にあります。

 

[あらすじ] 右はオランダ人、左はベルギー人、前はフランス人

オリオン自動車浜松工場工務課に勤めている敦子。製造現場では、部品の行方不明=「迷子」など、さまざまなトラブルが発生します。セクハラにあたる発言を現場の男たちはまだまださらりと口にするという現実も。「安全帽・作業服・安全靴(落下事故によるケガを防ぐための金属板が足の先に仕込まれている)」は工場での三点セット。ところが、安全靴は、つま先が曲がらず、指があったって擦れてしまうので、はきたがらない人も多いのです。ある日のこと、うつ病でリタイアした出向者の穴埋めのため、「召集令状もしくは赤紙と呼ばれている」本社への出向を命じられた敦子。「喜んでいく状況じゃないけれど、新しい仕事をさせてもらうのは、嬉しいんだよ。ずっと同じことばかり、やってるからさ」。ところが、本社に行って驚かされたのは、職場環境の違い。敦子の席の右隣はオランダ人、左隣はベルギー人、向こう側はフランス人。日常的にフランス語を使うグループの傍にありました。欧州市場戦略チームのチームメイトになる、グローバル生産管理部の真部紗枝子(通称マナ)は、英語もフランス語もできない敦子にビックリ。チーフは麻田京子、リーダーは柳智江。チームのミッションは、次世代商品が立ち上がるまでのつなぎとなる、現行商品である小型車シンシアの中規模なモデルチェンジ。外国人社員とは意思の疎通ができないものの、体力があればOKということだったのですが……。多くの困難を乗り越えていく敦子の姿が描かれていきます。

 




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