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生産性向上推進体制加算の今後は? 居宅介護支援等にも適用の可能性は?

2027年度改定での注目点の1つといえば、生産性向上の取組みに向けた報酬上の評価のあり方です。生産性向上推進体制加算は施行されていますが、要件や単位、区分はどうなるのか。居宅介護支援を含めた他サービスへの拡大はあるのか。今後の展開を考察します。

生産性向上推進体制加算の算定状況など

2024年度改定で、施設系や居住系、多機能系などに生産性向上推進体制加算が導入されました。その効果検証では、区分IIについて特養ホームで約32%、介護付き有料老人ホームで約27%が算定しています。

一方で、見守り機器の全居室導入やインカムであれば全従事者への装着、タイムスタディ調査の実施などが上乗せされる区分Iでは、特養ホームで2.8%、介護付き有料老人ホームで7.9%と大幅に少なくなっています。

こうした状況を受け、内閣府の規制改革推進会議では、上記のタイムスタディ調査の簡易化などの提案も出ています。ただし、先の効果検証によれば、加算Iを算定していない理由として「見守り機器」や「インカム」を全員分導入することの困難さが目立ちます。

こうしたテクノロジー機器に関しては、導入費用はもとより、保守・点検をはじめとするランニングコストの負担を無視できません。導入支援事業による補助金を活用したとしても、加算による収入の一部をランニングコストに回さざるを得ない状況も生じがちです。

AI搭載によるICT機器の活用にかかる課題

ちなみに、導入対象のテクノロジーの中には、「介護記録の作成の効率化に資するICT機器」も含まれます。これについては、「データの入力から記録、保存、活用までを一体的に支援するもの」とされています。

昨今では、先の見守り機器がセンサーによって取得したデータや、インカムのモードによって収集した職員の発言・会話を、「AI」が解析して記録化する機能なども見られます。こうした複数機器の組み合わせにより、業務の効率化がさらに進むことも期待されます。

ただし、こうしたAI解析などを介在させたシステムでは、継続的な月契約パターンも多くなります。「解約料は無し」というケースもありますが、加算を継続的に取得する(あるいは、解約時に新たなシステムに移行する必要がある)となれば、なかなか解約(新システムに移行)というわけにはいきません。

こうした中で加算要件を見直すとして、テクノロジーにかかる現場の運営事情にどこまで配慮できるのか。あるいは、補助金による導入支援事業の拡充を図る方向となるのか。このあたりが、ポイントとなります。

居宅介護支援にも生産性向上評価の報酬?

こうした課題を頭に入れつつ、生産性向上推進体制加算が(居宅介護支援を含む)居宅系サービスにも導入される可能性が気になります。あるいは、特定事業所加算等で、テクノロジー導入等を視野に入れた新区分を設けるなどの改定が行われることも想定されます。

たとえば、居宅系サービスに関しては、業務効率化に向けた報酬上の対応として、ケアプランデータ連携システムの活用が随所に見られます。2026年度の処遇改善加算改定における、特例要件がその一例です。また、居宅介護支援では、2024年度改定において担当件数の上限緩和の要件ともなっています。

そして、次のターゲットとして考えられるのが、AIを搭載したICT活用です。ケアマネ関連でのAI活用といえば、ケアプラン作成AIが上げられます。たとえば、利用者へのアセスメントにかかるインタビューをAIが解析し、ケアプラン原案の提示に至るまで、ケアマネジメント実務の流れを一体的に支援するシステムの実用化も図られつつあります。

仮に、こうしたシステム活用を要件とした居宅介護支援版の生産性向上推進体制加算が誕生したとして、どの程度の事業者が要件を満たすことができるが焦点となります。

国によるケアプラン作成AIの運営も視野に

ところで、AI活用に関しては、中小企業庁の管轄となる「デジタル化・AI導入補助金」があります。労働生産性の向上にかかる実績報告などを要件として、最大で450万円の補助を受けることができます。AI搭載機能については、サブスクリプション販売形式等で最大2年分の費用が補助対象となります。

こうした補助金活用の推奨を、厚労省がどこまで打ち出すか(周知するか)にもよりますが、ケアマネジメント上のAI活用と介護報酬をリンクさせる土台は、まだまだ整っているとは言い難いでしょう。

問題は、1人ケアマネなどの小規模事業者も多く、協働化に向けた地域環境が整っていない地域もあるという点です。しかも、そうした地域において、小規模事業所の存在こそが利用者を支えている状況も見られます。

つまり、補助金申請やシステム整備を含めて対応の余裕があるかどうかの格差は特養や介護付き有料ホーム以上に大きく、それを無視すると地域のケアマネジメントが成り立たなくなる現実が壁になりがちということです。

結局のところ、国が「ケアマネジメントへのAI導入」を主要テーマとして位置づけていても、それを報酬上で評価するとなれば、ケアプランデータ連携システムのように「国によるケアプラン作成AIの運営」などの環境整備が必要になるかもしれません。そこまで踏み込めるのかが問われそうです。

◆著者プロフィール 田中 元(たなか はじめ)

昭和37 年群馬県出身。介護福祉ジャーナリスト。

立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。高齢者の自立・ 介護等をテーマとした取材・執筆・編集活動をおこなっている。著書に『』(自由国民社)、 『』 (ぱる出版)、『』 (ぱる出版)、『』 (監修/成田和子、旭屋出版) など。おもに介護保険改正、介護報酬改定などの複雑な制度をわかりやすく噛み砕いた解説記事を提供中。




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