
数年間観劇記録を自語りだらけクオリティで残していることをほぼ黒歴史みたいなもんだなあと感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。こんな好き勝手言ってる文章読んでる人いるんか?今回こそ書かないでおいたほうがよくないか?と思ってはいましたが、旗揚げ公演から二年弱、やっぱりそこにはハイキューという作品に本当に真摯に丁寧に取り組んでくれるキャストスタッフの姿があって、これを書き残しておかなくて自分の記憶が薄れてしまう方がいやだなあと思い直し、恥を忍んで書くことにした次第です。
そんな中、ハイステ(ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」)が中国で再演・しかも日本人キャストで数名は劇キューから逆輸入で上演との発表がありました。日本で無理やり幕をブチ下ろしておいて、日本での座組引継ぎは劇キューにぶん投げておいて......というやるせなさが沸き上がり、せっかく今回の”出逢い”を観て感じた「劇キューはハイステの系譜を継いだ最高の本家続編だった」という自分の感想にノイズが入ってしまうのは悲しいなと思ったのでより詳細に見たものを残しておきたくて筆を(キーボードを?)走らせています。そういう感情がこれを上げる原動力になってしまったのが良くないかもなあと思いはすれど、プロット自体はほぼ作ってあったわけなので、劇キューで見たものといい思い出をできるだけ書き記すつもりです。
それにしてもあまりにもただの自語りやお気持ちだらけの感想文なため、みだりに人の目につかないよう世間の劇キュー熱が冷めるまで待っていたのもここまで記事を上げるのが遅くなった理由のひとつでもあり、気が変わったら非公開にするかもしれません。その時は恥に耐えられなくなったのだなと思って許してください。
なお上記カスオタクのハイステ関係の大人たちへの恨みつらみに関しては、ハイステ中国再演会見での須賀健太大先生の「(演劇ハイキューは)楽しいこと、嬉しいことばかりのシリーズではなかったかもしれないけど、ここまで繋いできたから出来ること」「彼らを応援してあげてほしい」という言葉によってキャストスタッフに罪はないことの一切を飲み込んだうえでのものだと思っていただければと思います。劇キュー及川役の藤林泰也くんさんと岩泉役・鈴木恋くんさんはオーディションを受けなおしての選出だそうでありがた~~~~~~~の気持ち。特に鈴木恋くんは劇キューキャストに選ばれた際、勉強のためにネーションズリーグの試合を網羅したほど役に対してあまりに熱心。またぜひ劇キューで二人に会いたいです。
観劇までの話
今作は珍しく初日どころか東京公演にも行けておらず、最初に自分の目で見て耳で聞いた印象のままで感想を持ち帰りたかったため一切のネタバレを避けていました。普段は序盤に観劇できないとしてもネタバレを気にしないのでゲネプロ動画なんかも全然見るんですが、今作は初めて永田研磨以外の研磨を見ることになるわけで妙な緊張感があり、せっかくだから声色も動きも何も前情報の無い状態にしたかったのです。
想定外の失態は、本当に誰の感想も出演者のツイートもゲネプロ映像も見ずに来たので、見るもの全てに驚いて話の本筋から自分の目が逸れてしまいがちだったこと。そうだった~~~~ハイキューの舞台は目と耳が忙しいんだった、を二年前の劇キュー初日振りに思い出しました。
その”忙しい”は主に、前作である旗揚げ公演で殆ど「ハイステ」の色を見せようとせず徹底的に新しいものを散りばめる形で走り切った劇キューに、長い時間をかけて繋いできたハイステの色が再び組み込まれていたことに由来します。
”出逢い”と演劇ハイキューと劇団ハイキュー
開幕すぐに聴きなれた「ゴミ捨て場の約束(烏野、復活!より)」が流れ出し、舞台奥から出て来るハイステからの続投組・鳥養監督と猫又監督を見て、初っ端から頭が大混乱。劇キューでは先代の要素を殆ど一切使わず新しい魅力で勝負できるのがいいな、と前作(旗揚げ公演)を見て思っていたので、ド頭にその先代の要素を出してきたことの衝撃、懐かしさ、旗揚げ以降どこか結びつけずに考えた方がいいだろうと思っていたものを劇団の方から結んでくれたような感覚がありました。ハイステ「ゴミ捨て場の決戦」の冒頭を思わせるような構図の冒頭の二校の並びから、例の群ゼリへ。鳥養「バレーボール」、猫又「排球」とハイステからの続投二人から始まり、「繋ぐ」の部分も二人の監督から紡がれ、前作・旗揚げ公演の内容回想からオープニングへ繋がる。
そしてこの群ゼリはエンディングへと引き継がれ、そこでは日向と研磨の二人が「繋ぐ」と紡ぐ。演劇の構成の一部でもあり、この劇団における烏野と音駒の「約束」が結ばれた瞬間でもあり、まるで二つの新旧劇団の継承の儀式かのようなシーンでもあって、えっ!?我々もこの場に同席させてもらえるんですか!?みたいな気持ちだった。
さらに「セッターである影山が圧倒的才能でデコボコのチームを繋ぐのが烏野なら セッターである狐爪を全員のレシーブ力で支えるのが音駒」からの「俺たちは血液だ」の群ゼリを拍ずらしで呪文のように唱えるところと両腕を下から頭上に上げる振りが「烏野、復活!」のそれと完全にシンクロしているのに加え、この時後ろで流れているのが聴きなれたハイステ音駒のテーマモチーフに劇キューの音駒テーマ*1を掛け合わせたもので、これは完全に「受け継がれました」のやつだ!!!!!!と衝撃を受けました。全然泣くシーンじゃないのに、思わず涙腺が緩む。本当に見に来てよかった、頂の景色2の東京凱旋が全て無くなってキャストから挨拶のコメントが出たあの日、こんな終わり方を見るために今まで応援してきたんじゃない、と完全に折れた気持ちをまた劇キューに拾い上げてもらったような気がした。
別に劇団側にそんなつもりが無くたって、丁寧に誠実に取り組んでくれるのが伝わってくることで勝手に救われているのでいいんですよ。こちとら勝手に受け取り勝手に有難がって勝手に泣く生き物の自覚はあります。
前作(劇団ハイキュー!!旗揚げ公演)はある種ボーナスステージだと須賀健太さんも言ってたように、あの作品は位置づけとしてハイステがなくなった今の舞台の上のハイキュー!!で今後を背負う皆のお披露目のような”旗揚げ”で、今回が前作ハイステからバトンを繋ぐ一作目なのかなと感じました。これは前述のハイステの音楽が取り入れられていることも含めての話。
須賀健太さんはインタビューにて「”繋ぐ”ということを色々な意味で感じられる公演になっている」とも話していて、"出逢い"には和田さんと須賀健太さん(羽富くんさんと健流くんさんも)のタッグだからこそできた起用や演出が散りばめられていたと感じました。恐らくパフォーマンスの音駒と言われたハイステ音駒の健流くんの指導も入っていただろう音駒の仕上がり。ハイステ出演を経てバレーボールに再び向き合いVリーグ選手となり、バレーボール指導として劇団に帰ってきた羽富くんの手がけるシーン。長い間舞台の上でハイキュー!!を繋いできた須賀健太さんと和田俊輔さん。
またハイキューを舞台に持って帰ってきてくれた人たちだから成せる業だと感じたので、感謝だなあと改めて思いました。
「出逢い」の音楽、脚本、演出について
◆完結したからこそできること、音楽と演出
前述の「”繋ぐ”ということを色々な意味で感じられる公演になっている」の音楽の部分、ハイステからの採用曲やサンプリングが散りばめられていたところのまとめ。
・冒頭の鳥養監督と猫又監督のシーンの「ゴミ捨て場の約束」
・一幕後半の場面転換の曲中で「頂の景色」のモチーフ
・烏野・音駒のセッターの違いの説明→俺たちは血液だ~の群ゼリでの音駒のテーマ部分
・烏野×音駒の練習試合が続くシーンでの「これぞバレー」(最初のバレーの動作をいれた振付も同じだったので、これを健流くんが教えたのかなと思うとかなりくるものがあった)
あとエンディングの音楽が鳥養監督と猫又監督のところだけ8分で刻む感じになってたのは、ハイステのメインテーマをイメージしてたのかな?とも思いました。
和田さんがFANパークでお話しされていた、作品が完結したからこそ描ける深みがある、深堀出来るというところをハイステからの音楽の起用からも感じるチョイスだった。特に永遠に続きそうな烏野×音駒の練習試合のシーンで「これぞバレー」が流れたシーン。「これぞバレー」が生まれたハイステゴミ捨て場の決戦では冒頭とラストで永遠に続く練習試合の回想があって、その結末にボールが落ちて"もう一回が無い試合"が終わるという流れがありました。
今回、「これぞバレー」からの練習試合終了→ラストに春高バレー会場のアナウンスが流れ、バレーボール、排球、の群ゼリが始まり、「繋ぐ」のところで日向と研磨が握手を交わしてゴミ捨て場の決戦を匂わせるという流れで終わるのを見た時に、自分はこれを見るために前作も全て見てきたのかもなとすら思いました。紛れも無く劇キューがハイステの系統を継いだんだと感じる構成で、ここまで綺麗に一作品として独立させながら先代の要素を組み込めるものなんだなと感動した。
◆脚本について
これは観劇当日にツイートでもぽつぽつ落としたんですが、ゴールデンウィーク合宿と音駒練習試合だけで一作にしているからかハイステ烏野復活の時にはカットされていたような部分も原作にあるほぼ”全て”が入っている。なんならそれを膨らませている。尺の問題もあるかと思うので作る側的には非常に大変な作業だったとは思うけれど、それでも2.5次元舞台と呼ばれる作品で往々にして挙がる「カットされすぎ問題」が一切ないのがすごかったです。ここまで全て入っている舞台もなかなか無い。
先代の二作目「烏野、復活!」と比べるとそりゃ伊達工まで入ってたらギチギチだよなと思う容量だったけど、パンフやインタビューを読んでいると膨らませるのは膨らませるので大変なんだなあと思ったりした。
◆演出について
須賀健太さん、やっぱり同時に別拠点で起こっていることを表現する演出がめちゃくちゃ得意でいらっしゃるんではないかと思う。旗揚げ公演の時も思ったけど、手法が本当にどれも好きなものばかりで、置いてあるものや空間、すべて余すことなく使うところが没入感を誘ってとても良いです。
例えば今回だと、合宿所のシーンでは襖で烏野と音駒の場面転換をしていたところ。その合間に烏野の一年生が部屋に布団を敷いているように見せつつ、後にその布団を音駒のキャラクター紹介に使っていたところ。音駒と槻木澤の練習試合のシーンと同時に、烏野AチームとBチームのゲームを見せるため、烏野Bチームの背中を槻木澤ユニフォームにして最小限の人数で瞬時に場面転換をしていたところ(練習試合が終わった瞬間Bチームはジャージを羽織って自然に槻木澤ユニフォームを隠していたところまでよかった)。
それとこれは後で演者の話でも挙げたいんですが、オープニングでの前作(旗揚げ公演)の名場面を流れるようにくるくると烏野メンバーで場面転換しながら演じたシーン。ハイステ頂の景色・2で各幕の冒頭にそれぞれ日向と影山の名場面の回想が走馬灯のように流れていくシーンがあって、あれはプロジェクションだからできたことだなと思っていたけど、劇キューではそれを例の動かせる階段等を駆使しながら実地でやっていたことが衝撃だった。演出組むのも大変だったろうしキャストがそれを形にできたのもすごいと思いました。
あえて二つの劇団を比較するとすれば、ハイステはよりダンス・パフォーマンスで見せる要素がより強く、劇キューは演劇・バレーボールで見せる要素がより強い劇団だなと思う。もちろんいずれの劇団もパフォーマンス・演劇とも大事にしていることは大前提として、その違いが作り出す良さを再認識した今作でした。
湊丈瑠さんの研磨
最高だった。そのただ一言。何もかもが最高だった。
色々迷って殆ど書き上げていたこれを上げるか上げないか考えていた時、やっぱり上げておきたいなと思った一番の理由が湊研磨(丈瑠研磨?)の存在でした。声色、表情、文字通り羽が生えたように軽い動き。期待した通りのトーンで出て来る台詞。想像した通りの温度感で動く姿。めちゃくちゃ動けるのに脱力感がわざとらしくないところ。すべてが嘘みたいに完璧だった。語尾が綺麗で、声を張らなくてもちゃんと通るのもすごい。あと白くてなんか発光してる。
自分はハイステを観劇し始めたのはハイキューそのものがきっかけだけど、何度でも観劇したいと思ったのは永田研磨がきっかけだったので、以降は研磨ばかりを見ていたしそれが一番の目的だったわけで、他の人の演じるそれは自分にどう映るのか?というところが気になっていました。結果、湊研磨でよかった~~~!と本当に心から思いました。奇跡的キャスティング、ありがとう劇キュー。
立ち姿はぱっと見で永田研磨と紙一重という感じだったのでその時点で既に驚きはあったんですが、動いたり話すと別個体というか、自分の想像した研磨により近いなと思うのが湊研磨でした。永田研磨に惹かれたのは自分の想像よりちょっと斜め上の解釈の研磨を演者の力で成り立たせるところがすごいと思ったからなのでどちらの方がいいとかは無いです。みんな違ってみんなみすゞ。
アクロバットに強い人だというのはキャスト決まった時点で知っていたんですが、技マシマシなのに勢いを殺すのがめちゃくちゃ上手くて軽い。すごい人感を出さずにそれをこなしていたことにびっくりしてパンフを見たら、器械体操経験者だそうでかなり納得してしまった。体幹、軽さ、しなやかさ。これが研磨に必要な素養なんだ...となった。
所作や演技、好きなところが本当に色々あるんですが強いて3つ挙げるとこんな感じ。
・福永の「新幹線乗って震撼せん」を聞いてちょっとニヤっとするところがかなりそれっぽくて好き
・「背骨で脳で心臓です」のところの相手を見下ろす「無」な視線
・ラストの「ボールを落とした方が負けるんだ」でのロンダート→バク宙がすごい技なはずなのに勢いを殺しててふわっふわ猫足着地。羽生えてる?
大千秋楽のカーテンコールでは、事前に勉強する中で作品や先代のすごさも感じてプレッシャーがあったが皆に支えられた、と泣き出してしまってさすがに応援するしかないと思った。劇キューはかなり原作を大切にしてくれるイメージがすっかり付いているため、次に研磨で見られるのはいつだろう……とちょっと気が遠くなるところはある。またきっと劇キューでお目にかかれますように。
大村征弥さんの黒尾鉄朗
声の使い分け、何??????????
やっぱりハイステのオタクとしてはあまりにも黒尾さんの姿に近藤頌利さんの声が染みつきすぎているんですが、大村さんの黒尾さんは爽やかさの裏に何か思惑のありそうな高校三年生の声と、少年期の高めの声を完全に使い分けていてすごかったです。同じ人で合ってますか??と戸惑ったんだけど多分どっちもご本人がやられていたっぽい。別のシーンで、とかなら分かるんですが、一文のセリフの中で
「今使えない攻撃技だって、今から沢山練習してれば高校生くらいにはきっと(幼少期)」
「俺達の立派な必殺技のひとつになってるぜ!(高校生)」
と使い分けていたのに驚きすぎてマチネで戸惑い、ソワレで流石に同じ人が言ってるのか確認してしまった(ここのシーンを入れたのも完結したからこそできたやつだなと思ってすごく好きだった)。
なんだか黒尾さんや研磨くんの演技を見ていて、会場とか音響機材の性能ってこの数年とかで結構アップデートされてるんだろうか?と思ったりしたんですが、それくらい二人とも声を張らなくてもしっかり通る感じがかなり自然でよかったです。
劇キュー音駒
劇キューに出てきたばかりのチームなのにすでに動きがまとまっている。まとまり感、パフォーマンスの音駒というところはしっかりハイステから受け継がれていました。さすが健流くんが現場にいてくれただけある。ハイステ初代烏野は音駒を見て「すごいやつらが来たと思って燃えた」そうだけど、劇キューでもそういうのあったのかな~~と微笑ましく思いながら見ました。
ハイステ音駒との違いは、研磨のところでも書いたしなやかさ。ハイステ音駒のパフォーマンスは勢い!キレ!華麗!って感じでパフォーマンスの凄さで崩れない音駒を表現している感じだったけど、劇キュー音駒はアクロバットの技は体感かなり増えている(全員が跳び回れるレベル)のに着地でスッと勢いを殺していてしなやか・やわらかって感じで、ハイステ音駒と張り合えるレベルで動ける人たちを揃えていながら”派手ではないけど崩れない音駒”をあえて表現している感じでこっちもかなり好きでした。やってる動きの種類は同じはずなのに、飛び込み前転ひとつ取っても勢いを殺す・やわらかく見せるのがものすごく上手。
最後「ボールを落とした方が負けるんだ」でめちゃくちゃふわっと技決めた人が動き軽〜〜!すごい!と思ったら研磨さんだったの、最初見た時は驚きすぎてわけがわからず、話の流れ的には研磨だけど、今の誰……?となった。
個人的には夜久さん役の高橋祐理さんも動きは勿論(夜久さん役が動ける前提なの大変すぎるけどちゃんとハードル超えるクオリティですごい)、視界に入るたびに目鼻立ちがお綺麗~~~!と毎回新鮮に驚いてしまいました。
彼らが再び劇キューの舞台に戻ってきてくれるまでしばらく間が空きそうだけど、できれば全員揃ってまたお会いできるといいなあと思う。
烏野キャストについて
烏野については旗揚げ公演の時点で既に作品にまっすぐに取り組む姿勢とか熱量において全員のベクトルが揃っている感じがいいなと思っていたのだけど、演出の項で書いた冒頭の走馬灯シーンでさらなるパワーアップを感じた。各場面で全く異なる熱量や温度感・トーンを瞬時に出せること、それを音楽に乗せて流れるように出し続けられること、皆それぞれの持ち場で発揮していて、劇キューが帰ってきたんだなあとじんわりしました。特に熱量の差の表現で言うと旭さんの「そのうちトスを呼ぶのが怖くなった」からの西谷・スガさんの3人でのやり取りの切り替えがすごかったです。
荒削りだとか伸びしろがあるだとか、本人たちも口にすることもあるようなので色々あるのかなとは思うんだけど、これまでプロジェクションで見ていたものを人力で違和感なく演じられる劇キュー烏野のポテンシャルを見て、次回作もまた楽しみになりました。
◆影山役・若林星弥くん
相変わらずのカリスマ性、オーラが柳田将洋。前作の大千秋楽後に書いた感想(結局上げずじまいで下書きのままなのでTwitterに別途上げました)でも挙げたんですが、そこにいるだけでスター!という雰囲気とかオーラみたいなものって作ろうとしてできるものではないと思うので、持って生まれたもの×努力って本当に影山くんみたいだなあと思いました。
「こいつはすでに吐いたけどな」と日向を見下ろすの影山くんの目があまりにも鋭く、お顔があまりにも造形美~~~~って感じだったのであのシーンお写真で欲しい。
ツイートでも書いたんですが、前作バクステ(どこまで言ってもいいものか絶妙なところがあるのでちょっとぼやかします)の若林くんの円陣の回で「心は熱く、頭は冷静に、怪我なく」と、白鳥沢主将のキャストの彼が円陣で言っていた事と全く同じことを言っていたところにとんでもない器を勝手に感じていて、今後も影山くんでいてくださいね……と祈るばかりです。彼がいるだけで作品に一種の価値が生まれるみたいなところがある。
大濠時代の春高ケンジアリタ「まだまだ今から!こっから声出して!流れ変わるけん!行くぞ!」
— れんれん (@jihoonteen) 2020年4月30日
白鳥沢の円陣ケンジアリタ「心は熱く、でも頭は冷静に、怪我なく、いつも通りにやっていきましょう。行くぞ!」
落ち着いて太くなった声と変わらない「行くぞ」に涙出る〜〜〜〜
◆月島役・灰塚宗史くん
みんなでユニフォームを受け取るシーンで、10番は小さな巨人が付けていた番号だと聞いた時に盛り上がるみんなの端で苦い顔をしているところとか、場面転換でもらったユニフォームをぎゅっと握りしめているところとか、人が来たことに気付いて何でもないふうに去るところとか、すごく刺さりました。ニコニコで貰ったユニフォームを見つめたり、ツッキーが気になって探しに来た山口くんとの対比が本当に良い。劇キューの月島くんと山口くん、やっぱり好きだな~~~と今回も思いました。
シリアスも上手そうな雰囲気を感じ取った一方で、日向探しのシーンでご褒美に反応する月島くん、ご褒美がもらえないと気付いて身体に支障を来す月島くん、田中さんに「誰だハゲっつったの!」と聞かれ「影山です、影山」とナチュラルに答える月島くんもいる。劇キューの月島くんの愛すべきキャラにすっかりハマっている自分がいます。
大千秋楽後の舞台裏挨拶、宗史くんがいたから~と山口役の吉野俊矢くんに言われて「俺の話ばっかじゃん、作品の話は?」みたいなことを言っていたのを見てリアル月島山口……の気持ちになった。あとカテコで泣いてる湊丈瑠くんが話すのを聞くとき、めちゃくちゃゆっくりぱち...ぱち...と瞬きをして暖かすぎる目で見守っていたので「湊くんのこと猫だと思ってる???」となった(猫には瞬きをゆっくりするといい、みたいなのなかったっけ)
◆日向役・加藤憲史郎くん
いつもありがとうございます。彼と若林星弥くんが二人で先頭に立ってくれる座組の安心感と言ったらない。何度見ても「自分はこんな人たちが舞台の上のハイキューを継いでくれて嬉しいんだな」と実感させられる。
これもどこまで言っていいかの話ではあるんですが、旗揚げ公演のバクステ映像で本番を控えた烏野キャスト全体に「こうなってるからこうして揃えた方がいい」みたいなことを言ってまとめている姿がすごく印象的で、芸歴が長い・トップクレジットとはいえなかなか最年少ができることではないと思うのですごく驚いた。稽古場の映像ではちょこんと座ってみんなに可愛がられているのに、しっかり皆を引っ張ることもできる。原作を基に、真摯に取り組んでくれる。
こんな座長(と今も言っていいのかはわからないですが)が作品についてくれたことが心の底から嬉しいし、これからずっと先になるであろうゴミ捨て場の約束を湊研磨と結んでくれた姿が勝手にとても誇らしく、今後の劇団がより楽しみになりました。
殆ど今作の感想でなくて申し訳ない!!!今作は研磨との出会いでバレーシューズ見つけるまでの視線の演技が一番好きです。
その他好きシーンまとめ
- お風呂上がりの旭さんに驚く大地さんのやりとりが日替わり。自分が見たのは驚いて腕をクロスしてる大地さんに「大地、ナーイスストレッチ☆」って言う旭さんと、驚いてグリコみたいになる大地さんに「グリコ!?威嚇!?どっち!?」って戸惑ってる旭さんでした。大阪ネタ。
- 合宿所についてカバンを月島くんにぶん投げた田中さん。月島くんが回収したカバンをすぐ山口くんに押し付けてて笑った
- 練習試合後しゃがみ込む研磨さんの隣にウキウキそわそわしたお顔で座る影山くん。逃げる研磨さん。追いかける影山くん。ソーキュート
- 研磨を探しに音駒が客降りするシーン、トラ「風向き的に絶対こっち」夜久「あんま離れんなよ」トラ「でも風向きが言ってるから...」夜久「何?風向きって」
- 清水先輩は用事終わったら帰っちゃうよが縁下さんのセリフで、言い方がめちゃくちゃ一馬くんみがあって思わず二度見
- 布団を使った音駒の紹介シーンの各メンバーの効果音がトラ→鐘、犬岡→ワン!、福永→ニャー、黒尾さん→パチン(指鳴らし)、夜久さん→ポーン(ここで研磨くんが布団をひっくり返されころんとなる)、海さん→木魚、研磨→ゲーム音で個性あってよかった
- Tシャツが配られるシーン、影山くんが「単細胞」貰ってなぜか目をキラキラさせて喜んでてソーキュート。縁下さんに見せて嬉しそう。なぜ
- その後怒った大地さんが部屋に入ってきたところで縁下さんが影山くんにぴったりくっついてめちゃくちゃ盾にしててわらった
- 一番とんでもないのはセッターかな?の黒尾さんの言い方がとてもいい
- リベロ二人のアクロ・ペアダンスパフォーマンスからのローテ説明が視覚的にわかりやすい。プロジェクションで説明していたハイステよりも、ネットを隔てて2チームがそれぞれ動いて位置が変わるほうがわかりやすかった気がする
- 研磨さん、「ここは苦手だと思った」の言い方、「慣れるんだよ」の言い方、とにかく湊研磨のセリフの温度感が全部いい
- 「ボールを落とした方が負けるんだ」のシーン、ネットゆらしも上手い
- 影山のストレート打ちの時の音駒の立ち位置がちゃんとローテままでわかりやすくてよかった。この辺りも羽富殿の手が入ってるんだろうか
- 研磨さんがカーテンコールで大高さんのコメントに合わせて両手に持った球をぺいっと落としたところを思い出してはふふ、となっています
密着動画とクリエイター座談会を視聴して
同じ記事内に書くと文字数が死ぬのでどうかなあと思ったのですが、ハイステが中国で再演されることを受け「日本でもやってほしい」の声が出たのをちらほら見かけて、自分の中で「ハイステを終えざるを得なかった中で彼らは代わりに劇キューを立ち上げてくれたのに...?」とモヤモヤしていたことがあり、ここで自分の見たものと考えを言語化して勝手に完結しておこうとおもいます。
ハイステの幕引き、劇キューの立ち上げ
この作品の公演前後で須賀健太さんのチャンネルにて、劇団ハイキューのクリエイター座談会と称しプロデューサーの藤井さん、集英社ハイキュー担当編集の東さん、演出家須賀健太さんでお話をする動画が3つ上がりました。その中の2つ目の動画で、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の幕引きに対する気持ちと、それを受けてこの劇団「ハイキュー!!」の立ち上げが決まった経緯の話が、全員ぴったり揃ったベクトルで語られています。
藤井さん「頂の景色の東京凱旋が全て中止になったあとで自宅待機しながら、何かしらハイキューを舞台で続けていきたいと思った。初演のあとで須賀さんがクリエイター・テレビの監督等やってみたいと話していたことを思い出しすぐに企画書を書いた」
須賀さん「(頂の景色・2の)当事者ではないかもしれないけど、彼らの想いみたいなものも繋げられたらいいなと思った」
東さん「もう一度演劇をお届けしたいと思い賛成した」
自分も正直ハイステの幕引きに関しては不満が今でもあって、キャスト全取っ換えでもいいから再演なんとかならんかったか?と思いはしたけれど、それでも劇キューが舞台の上にハイキューを連れて帰ってきてくれた2023年の夏の初日に、その熱量と真摯な姿を見て「こんな劇団が立ち上がってくれて本当によかった」と思い、そこでハイステはきっぱり終わったのだと自分の中でやっと区切りがついたところがありました。
日本国内での本編は彼らが引き継いでくれたものと理解しているので、日本でハイステが見たいという声を見ると、ハイステが終わって劇キューが後を継いだのに???なぜ???みたいなクソ厄介オタクのメンタルになってしまうところがあり、今回の日本人キャストでの中国再演の件ももどかしく思う気持ちが大きかったです。
とはいえ他人に認識を変えてほしいというのは至極傲慢で、思想に干渉することなど不可能であり野暮。自分の気持ちとしてはそういうのではなく、ただポジティブなものならどんな形でもいいから劇キューとそのキャストにもっと沢山スポットが当たり、彼らの作るハイキュー!!をより沢山の人が見てくれることを願っています。
密着動画に見た裏方の取り組みと「繋ぐ」
今作の顔合わせから稽古・ゲネプロ・初日まで密着した動画もまた、須賀健太さんのチャンネルで上がっています。こんなもん無料で見れていいんか?というバクステ映像の一部みたいなものですが、その中には裏方としてハイステから劇キューへ「繋ぐ」仕事をしてくれる須賀健太さん、後藤健流さん(振付・音駒:夜久役)、羽富琉偉さん(バレー指導・伊達工:黄金川)の姿がありました。
前作・旗揚げ公演に続き起用されたバレーボール監修の羽富殿が現場で須賀健太さんに呼ばれ取り組んでいたのは、原作漫画をめくりながらカウントにバレーのゲームの進みを組み込む作業。本当に片田舎にあるチームがやっている「実速のバレーボール」をいかに表現するか、”本当のバレーボール感”を求められている、とのこと。
思えばハイキューの影響もあり近年はリアルバレーを観戦する人が激増し、さらにハイキューでも取り上げられた東京五輪以降、実際の選手たちの取り組みの甲斐もあってチケットを取ることが超困難になるほど人気のあるチームも出てきました。つまり、数年前にハイステをやっていた頃よりも実際のバレーボールの試合を見る人が相当増えている。目が肥えている。観劇に行った大阪会場のトイレ列で「西田は右から打ってる時の方が好き」みたいな話をしている声が聞こえてきた時、「左利きOPですもんね……」と考えながら、こんな話を会場内で聞くことってそう無かったなとふと思ったことを覚えている。
ハイステキャストからVリーグ選手になり、そしてまた劇団ハイキューに帰ってくる形になった羽富殿の起用は、現代の舞台の上のハイキューを制作することにおいて大正解なのだと思った。
そしてもう一人、ハイステ音駒でゴミ捨て場の決戦を終えて劇団ハイキューに帰ってきた健流くん。彼がお話しているところは聞けなかったけれど、稽古場の前方に座ってカウントを取りながら群舞を指導する姿が映っていました。彼の指導が入った新生音駒の初陣を見届けられたことってめちゃくちゃ幸せなことなのでは、とこの映像をみて改めて思います。
須賀健太さんが若林くんに指導している場面の後ろで、振付を考えているのかイヤホンをして考え込んでいる健流くんに西谷役の中西智也くんが話しかけ、健流くんが笑顔で応え何かアドバイスしている姿(動画12:50あたり~)を見た時は、相変わらず夜久さんなんだから~~~~~と思ってちょっと目頭が熱くなってしまった。
今作ハイステの要素を組み込みながら劇キューの音駒を作り上げるフェーズに彼がいてくれたことのありがたさが沁みています。
この動画内で「烏野のみんな、お帰りなさい」と声をかけたり、FAN PARKでは出演した烏野キャストのことを「うちの子たち」と表現したり、人と作品を誰よりも大切にする須賀健太さんが作る座組を好きにならないわけがなかったなあと今更ながら思います。
おわりに
動画の感想まで含んでいたら既に文字数が13000近くになってしまっており、もうなんかあとがき的なものもいらないなと思っている次第なんですが、とにかく言いたいことを無理やり一つにまとめると「劇キューが最高なのでもっとたくさんの人の目に届きますように」になりそうです。ハイステのパフォーマンスの良さを引き継ぎながら、より演劇にフォーカスして、担当編集の東さんの仰るようにハイキューを再解釈するこのフェーズで「バレーボール」と「ハイキュー」の面白さを届ける最高の作品になっていると本気で思う。
ずっと捻くれているようで本当に申し訳ないとは思うんですけど、ハイステで烏野が代替わりした時に「そんなあからさまに繋ぐって言葉にしなくたってただひたむきにやっていけば繋がるんじゃないのかなあ」と思っていた節があったり、それをゴミ捨て場で回収してもらえた時に救われた気持ちにもなっていて、ハイステが無理矢理幕を下ろされたような形になった時に完全に折れてしまった気持ちをその2年後に劇キューの旗揚げ公演が拾い上げてくれて、今またこうして音駒に出会えて、キャストとスタッフ・須賀健太さんに本当に頭が上がらないです。また見たいと思うハイキューに出会えたことに感謝。
今回の劇キューはラストがゴミ捨て場を想起させるシーンで終わりましたが、丁寧に丁寧に進めてくれる作品なのでその頃に全員が残っているかどうかは分からず、嬉しいやらしんどいやら色々あります。ただこのメンバーで「ゴミ捨て場の決戦」という嬉しい伏線を張ってくれたことを今は噛みしめたい。
さて、果たしてオタクはいつ黒歴史創造をやめるのでしょうか。この記事も「誰なん???????」みたいな目線の自語りが死ぬほど散りばめられており、わりと恥だと自覚してはいます。冒頭でも書きましたが、記事が非公開になったら察してください。
それはそれとして次回作の予告、はやく来るといいですね。七夕にはまだ一日早いですが、どうかキャスト、スタッフ、ファン、その他劇キューを好きな人たちの気持ちがまた形になって、彼らにお目にかかれますように!
*1:恐らく。オープニングの音駒登場シーンや音駒の活躍シーンで流れていたもの