こんばんは!
先日二回に分けポートアイランドを訪問したが、知られざる神戸の歴史、またまたちょっと面白い記事を見つけた。
神戸市内から国道428号を有馬、三田方面に向かって走ると、峠道の途中に「鈴蘭台こちら」との案内標示が現れる。地勢的にも高台を切り拓いた「なんちゃら台ニュータウン」の類と思い、毎度完全スルーで横を通り過ぎていた。
が、この大阪Deep案内(いいタイトルだ)の記事によると鈴蘭台、何と1928年に「関西の軽井沢」のキャッチフレーズで避暑地として落成、かつては別荘に宿泊施設、そして歓楽街も形成され、やがて盛衰を経たという大変な由緒を持っていたのだ。
ちなみにwikiによる解説がこちら。
ふむふむ。「1961年に神戸市が住宅公団の委託を受け・・・云々」この辺りで避暑地としての歴史に事実上幕を下ろし、ニュータウン再開発に舵が切られたのであろう。
関西に出て来てかれこれ40年近くになるが、「いや神戸の鈴蘭台でなあ・・・」等と当地が話題に上る事は唯の一度もなかった。憩いの場として皆に愛されたであろう、ニュータウンとは一線を画す山の上の古い街。しかし今はもう・・・。
よし、では往年の「関西の軽井沢」、現在如何にヘンテツのない街に変貌しているのかわざわざ覗きに行ってやろう。私のナイトクルーズの真骨頂である。
・・・
いつもの国道2号と並走する山手幹線で神戸へ向かう。特に理由はないが、気分で。

芦屋の高級住宅街だ。
芦屋川トンネル。芦屋川の川底の下をくぐっている。

通るとどうって事もないアンダーパスなのだが、いつも妙にワクワクする。
神戸市に入る。

山手の住宅街を突っ切るルートだ。
稗田小学校前。

年季の入った校舎に桜並木。ノスタルジア全開ポイント故、夜桜クルーズなど目論んでいたのだが、今年は満開の一報と同時の雨。

葉桜クルーズになってしまった。

この辺り、主に飲食店が多数軒を連ねており「駅オモテ」と変わらぬ賑わいだ。
三宮を過ぎ、新開地の手前で山手幹線を離れ、国道428号有馬街道へ。

先の交差点を右折だ。
国道428号へ入ると間もなく市街地が途切れ、突然峠道に入る。

画像奥の坂道が峠の入り口だ。
小部峠という。

山が海岸線に迫る神戸の地形を実感できるポイントの一つだ。
・・・
ガン無視を決め込んできた例の案内標示。

さて「関西の軽井沢」初訪問である。
鈴蘭台駅へ向かう。

「よくある住宅街」の風景が続く。
到着。


ふむ。この瞬間すでに香ばしさが漂う。小奇麗だが画一的で個性のないヘーセーレーワ様式の街並みだ。
大阪Deep案内の記事が投稿されたのが2017年。当時はこの界隈、私好みの昭和感丸出しの古臭い商店街が残っていたようだ。その頃一度訪問しておくべきだったと少し後悔しつつ、いつものエキマエ散策に入る。
ずいぶんと立派な駅舎だ。

周囲の景色と比較して異彩を放つ程の巨大な駅ビル。
その理由がこれ。



1F2Fがテナントで3Fが駅。そして4Fから上が区役所になっている。
商業施設と駅が合体した駅ビルなら全国どこにでもあるが、さらに区役所が「入居」している駅ビルなど、私はここ以外ちょっと記憶にない。
山がちで坂も多い当地にあって、確かに気の利いた都市計画ではあるが、いかにも「ヘーセーレーワ的作り笑顔」だ。お役所なんぞ仏頂面で良い。
周辺一通り散策するも、大阪Deep案内で紹介されているたこ焼き屋「汽車ポッポ」等はもうない。

そしてこの雑居ビル位か。

中のテナントは一部入れ替わっている。
あとはマンション。

マンション。

またマンションだ。

まあ私が毒づく事でもないのだが。
あくまで住民の利便性快適性を考慮しての再開発であって、私のような部外者が「面白くない」とぶーたれた所でお門違いである事はお断りしておく。
が・・・。
大阪Deep案内「高低差のあるY字路に挟まれた飲食店街」の跡地(多分)。

うむ、全く面白くない。
おっ!

始発待ちか。昔から変わらなかったであろう光景だ。
・・・
参考までに(?)、周辺にあるガチのニュータウンにも立ち寄ってみる。その名も「北鈴蘭台」。名地鈴蘭台の名にあやかっているだけで、昔からの避暑地という経歴はない。街びらきは1970年。距離も少し離れている。
北鈴蘭台駅。小さな駅である。


駅舎にスーパーとコンビニが1軒ずつ入居している。
可愛らしいロータリーだ。

タクシー2~3台で満車か。
向かいにドラッグストア。

暮らしに必要な施設をコンパクトに揃えた「ニュータウン仕様」のエキマエだ。
で、例の奴。


駅に背を向け歩き出すも果てしなく続くマンション群。根負けして数分で引き返す。
官公庁でも商業娯楽でも何らかの施設が閉鎖され、跡地に別の何かがかつ消えかつ結び、そして「マンション」、コイツが来た瞬間、そこの入居(予定)者以外は締め出され、土地との縁は切れる。
初めからの宅地なら尚更それは「他者の見知らぬ物」。
そんな我々部外者にとって「現実」であって決して「現実的」ではない幻の街。その遠景だ。

現在「鈴蘭台」の地名は、これら周辺のニュータウンも含めた広範な地域の呼称となり、「関西の軽井沢」は名実共に時の波間に消え失せた。
当時を偲ぶ物は残されてはいない。恐らく何ひとつ。
・・・
今回取れ高の少なさは想定内。そこでついでにと言ってはナンだが、程近いニュータウンに一ヶ所気になるポイントがある。足を延ばしてみよう。
国道428号に戻り、小部峠を越える。


峠の終点はT字路になっている。

右折して間もなくだ。ここはニュータウンとは言え谷地。元々集落はあったらしい。
「気になるポイント」というのがこれだ(ニヤリ)。ひと頃話題になったネットの怪談、ご記憶の方もおられるだろうか。
当時流行の2ちゃんねるに投稿され、ギャラリーとの対話形式で話が進むという斬新な「語り」。そしてオチを必要ともしない、何とも不気味で得体の知れない内容。後に創作と判明したようだが、実に秀逸な怪談話である。
到着。

ここだ。
この近辺、山あいの街のせいか、よく通り雨に見舞われる印象がある。つい今しがたまで晴れていたのに、俄かに掻き曇り雨に煙る灰色のニュータウン。
そんな時、常にこのネットの怪談が、不思議な味わいをもってシンクロして来るのだ。今なおワタシ的に当地の顔、シンボルであり続ける。なんにもねえ(失礼!)谷上駅前に「神戸市北区の一軒家いらないか?記念碑」でも建ててやりたい位である。
スレにある「谷上から奥まったところ」を適当に流してみる。



「山から夜に何か来るんですよ」この山かな。「何か」ねえ・・・。
話は創作でもこの辺り、かつて凄惨な古戦場(豊臣秀吉の播磨平定)であったという。
お読み頂き、ありがとうございました。
