
毎年恒例、CP+が今年もパシフィコ横浜で日曜まで開催されています。
最初は土日に行けばいいか……と思っていたものの、次週に控えた皆既月食が天気の具合で極めて怪しくなり、その分休みが取れそう*1だ……ということで、思い切って初日に突撃してきました。
なお、例年レポートが長大になっていますが、今年はもう少し簡素で済む予定……(^^;
それではスタートです!
【2026年2月28日:ビクセンの「AX-EVO 2.0」、「ミルムーン」、サイトロンの「奈光 60GT」について写真&記述追加】
【2026年3月1日:ケンコー・トキナーの赤道儀について追記】
【2026年3月2日:サイトロンの「HEQ5-R PRO赤道儀」について写真&記述追加】
【2026年3月6日:サイトロンの「SJX赤道儀」について追記】
ビクセン/ZWO

まずは毎度おなじみのビクセン。今年はZWOと合同ということもあってか、Aホール入り口近くに比較的大きなブースを構えていました。

今回の目玉はやはりこちら。昨年出展していた、揺動歯車式減速機「OGINIC」搭載の新型試作赤道儀「AX-EVO」の進化系、「AX-EVO 2.0」です。
写真後方に見えている昨年の「AX-EVO」と比べると、架台全体の重心が低くなり、安定感がグッと増しました。また、基板も本体に内蔵されてコンパクトに。デザインの意匠も(意図的に)AXD/AXJ系に寄せられてきてますし、商品化にまた一歩近づいた感じです。
今回の試作機では、電源やコントローラーの端子は架台正面に。今まではどの製品も赤道儀の下側、ウェイトシャフトの脇に端子があるのが通例でしたが、手探りでケーブルを接続しようとして、特に電源ケーブルをショートさせてしまう*2事例がままあるとのこと。今回のような配置なら、そうしたエラーの心配はしなくて済みそうです。ただ、まぁ……今回は特にコントローラーケーブルが目立つのもあって、あまり格好良くはないですね(^^;
極軸望遠鏡については、架台内部が中空でないこともあって外付け式。昨今はCMOSカメラを用いて極軸設定をする方法が色々ありますから、あまり支障はないでしょう。個人的には、Polemasterを取り付ける方法があるといいなぁ……と思う程度ですが(完全に自分の都合w)。

ウェイトシャフトは取り付け可能で、本試作機ではφ20mmではなく、AXD/AXJで用いられているφ25mmのものを採用しています。ウェイトが必要なケースでは、機材は大型のものだろう → ウェイトシャフトも太い方が安心では?という理由でこうなっているようですが、これについてはまだ流動的です。ただ、逆に言えば、ここの部分の強度は十分にあるということで、おおよそ従来機と同じ感覚で使ってよさそうです。これが例えばZWOのAM5だと、シャフトねじ込み部の強度的にウェイトは5kgが上限だったりします。
一方、最近のストレインウェーブ赤道儀と比べると、サイズ感の割に9.1kgと重たいのが泣き所。これは減速機の「OGINIC」自体が重いためで、こればかりは工夫だけではどうにもなりません。まぁ、自重が25kgあったAXDに匹敵するパワーを持っているので、それがこのサイズ!と思えば……。とはいえ、搭載重量的には同クラスのZWO AM7が6.75kgと圧倒的に軽い*3ので、なかなか難しいところです。

もうひとつの参考出品が、新型コントローラーのSBW24(仮称)。「有線である」のが何よりの特徴で、ワイヤレスユニットでありがちな接続不安定性とは全くの無縁です。無線LANは、ひとたびつながらなくなると原因の切り分けが非常に難しいのですが、そうした心配が一切ないのは助かります。「せっかく遠征に出かけたのに、接続できなくてボウズ」なんていうのは悪夢以外の何物でもないですし……。
赤道儀との接続はD-SUB 9ピン。見た目はどうしても今さら感が漂いますが、USB-Cなどだと簡単に抜けてしまいかねませんので、これはこれでいいと思います。ただ、見た目で進歩性を判断されがちなのもまた事実なので、ここは悩ましいところ。例えばケーブルのカラーを真っ白にするとか、せめて気分だけでも軽快さを演出してほしいところです。
機能としては、ものすごく乱暴に言うと「STARBOOK ONE」に自動導入機能&オートガイド制御機能を組み込んだもの*4、あるいは「STARBOOK TEN+アドバンスユニット」から星図表示機能を抜いたもの。特に、ビクセンのガイドカメラをこのコントローラーに直結すれば、オートガイドはそれだけで完結するので、システムの見通しはかなり良くなります。
ただ一方で、撮影用カメラの制御機能までは備えていないので、決してASIAirやStellaVitaの代わりにはなりません。PCとの接続手段はあるのでどうにでもなると言えばなる*5のですが、ちょっと隔靴掻痒の感があります。「ひとつの撮影システムを自社製品だけで簡単に完結させられる」*6のを目指すのであれば、もう一息踏み込んでもいいのかな……という気はします。
画面は、現時点ではバックライト付きのQQVGA(240×160ピクセル)グレースケール液晶ですが、これは部品の供給状況次第で今後変更される可能性があるとのこと*7。内部のソフトウェアも現時点では「開発中」で、実際、繋いだ赤道儀が展示中に時折暴走してたくらいなので、商品化はまだまだ先でしょう。

同じく参考出品のVA662C(ファインダーについている銀色のパーツ)。1/2.8インチのIMX662を採用したカラーカメラで、上記SBW24と接続することでPCレスのオートガイドシステムを構築することが可能になります。装置自体はいたって普通のオートガイダーなので、ケチなこと言わずに他社製品でもシステム構築できるようにしてくれればいいのに……と思わなくもないですが、検証の手間を考えると現実的ではないでしょうね(^^; *8

ある意味、楽しみにしていたお月見望遠鏡「ミルムーン」。ネーミングが直球で素敵ですし、鏡筒、三脚ともに軽くて子供でも楽々扱えそう。一見ヤワそうに見えますが、なにしろ軽いので振動の収まるのも早く、思った以上に快適です。見え味も、アクロマートとしてはF8と明るい割に色収差が思ったより目立たず、

レンズも、対物、接眼ともにしっかりコーティングされていて、手抜きは一切ありません。
三脚も想像以上にしっかりしていて必要十分*9 *10。そして何と言っても微動!動きがちゃんとしていて、正しく目標を捉えられます。子供だましの望遠鏡の「おもちゃ」だと、三脚がふにゃふにゃだったり、そもそも微動が無かったりで、「月を見る」こと自体がとてつもない苦行に化けるのですが、さすがそこはちゃんとしています。「当たり前」を当たり前にできるようにすることの、なんと難しいことか……。
組み立て望遠鏡である「国立天文台望遠鏡キット」からのフィードバックもあるのでしょうけど、アイピースも「挿すだけ」で、固定ねじなどが不要なので、小さな子供でも無理なく使えそう。ピント合わせがヘリコイドなのも、直感的かつパーツが大きくて子供の雑な動きには最適な気がします。このあたり、初心者をターゲットにした他社の望遠鏡と比べても、姿勢の違いがハッキリ分かります。

個人的に気になっていたのは、接眼部を左横に移動させた場合に「素通しファインダー」が覗きにくいんじゃないか?という点ですが、そこは大丈夫でした。素通しファインダーは当然、目をそこにくっつけるわけではありませんから、鏡筒後方から覗けさえすれば十分に用が足ります。

まぁ、ミラーの切り替えダイヤルと接眼部のフタが似ていて間違えそうとか、手の感触だけではミラーが左を向いているのか右を向いているのか分かりづらい*11とか、気になる点が皆無とは行かないのですが、それでも子供向けのパッケージとして、価格を含め*12本当によくできていると思います。

ちなみに、微動ダイヤルの脇にある溝ですが、あれは微動の動きを可視化するもので、微動を動かすと溝の中をインジケーターが移動していくというもの*13。微動を動かしていない初期状態であれば、インジケーターは溝の脇に振られた目盛のうち真ん中を指しているというわけです。
ブースの裏手には、双眼鏡やフィールドスコープの新製品が。なかでもちょっと目を引いたのがこちら。

「アテラスコープ ED HR20-42×58WP」。なんと口径58mm、重さ1.38kgのこのサイズで防水・防振です。まさかの手持ちフィールドスコープ……(^^;
防振の効きは確かで、なるほど、月にせよ鳥にせよ、野外でこれを振り回して遊べたら楽しそうです。ただし、さすがに価格は30万円近くもするので、なかなか手を出しづらいのが残念なところです。


同じく裏手には、ZWOのコーナーが。先日出たばかりのAM7赤道儀を筆頭にAM5N赤道儀、AM3N赤道儀、さらにSeestar S30 Proが展示されていました。

AM7赤道儀は想像以上のコンパクトさで、ぱっと見のサイズはAM3やAM5と大差ないくらい。重さもそれほど大きく違うわけではありません。これで2~30kgを振り回せるのですから大したものです。ただ、必然的に重い鏡筒・システムが載ることになるので、システム全体のバランスについては注意してし過ぎることはありません。この展示でも、三脚に取り付けたストーンバッグにポータブル電源を載せて重し代わりにしていました。
システムのバランスを崩してしまい、システムごと転倒、破損……というのは海外の事例を中心にしばしば見かけるので、メーカーや販売店には是非とも啓発をお願いしたいところです。
セレストロン

セレストロンは昨年、デジタルガジェットの取り扱いなどで知られるアーキサイトが新たな代理店となり、改めて単独での出展です。

目玉はやはり、スマート望遠鏡の「Origin Mark II Intelligent Home Observatory」。言ってしまえば、前モデルからカメラが変わっただけのマイナーチェンジモデルですが、代理店が変わったタイミングで価格が88万円と、前モデルに比べてむしろ若干安くなっています。
某V社*14の場合、「代理店」とはいえやはり競合なので、自社製品に影響が出ないように取扱品目や売り方にどうしても制約があったようなのですが、アーキサイトはそうした競合関係がないので、価格を含めある程度自由に商売ができるという側面はあるようです。まったくの分野外ゆえ、販路の確保や社員の勉強などなかなか大変だったようですが、セレストロン自体は魅力的な製品も多いですし、今後の発展に期待です。

ちなみに、「天文ガイド 3月号」の広告ページにある引換券をブースに持参すると、ヘッドランプまたは10×25の単眼鏡をもらえます(自分は単眼鏡を選びました)。数には限りがあるようですが、木曜夕方の時点ではまだまだストックはありそうだったので、ぜひ立ち寄ってみてください。
【CELESTRON・天文ガイド連動プレゼント】
— 株式会社アーキサイト【公式】 (@ARCHISITE_PR) February 26, 2026
天文ガイド3月号(2/5発売)の引換券をCP+2026のセレストロンブース(No.91)にお持ちいただくと 「ナイトビジョンヘッドライト」または「UpClose G2 単眼鏡」を先着でプレゼント!まだ在庫あります!#CPプラス2026@tenmonguide pic.twitter.com/nSLuWH2kIv
Sharpstar/Askar

Sharpstar/Askarは、会場中央付近のやや奥まったところにブースを構えていました。

こちらでは、Askarの5枚玉屈折「SQAシリーズ」最大口径となるSQA130と

SharpstarのSCA310が目玉となっていました。
SQA130は、これまでのSQAシリーズの鏡筒をそのままスケールアップした感じの鏡筒で、スペックは口径130mm、焦点距離624mm(F4.8)。重量はバンド、アリガタ含め11.76kgとそれなりにあるので、足元も相応のものが欲しくなります。
SCA310は、EDレンズ1枚を含む3枚玉コマコレクターを備えた反射光学系で、口径310mm、焦点距離1178mm(F3.8)というスペックです。重量は23.5kgにも達するので、大きく頑丈な赤道儀が必須です。一応、それこそZWO AM7でも振り回せはしますが……。
というか、それ以前にそもそも鏡筒を赤道儀に載せるのが死ぬほど大変そうです。やはり筋肉……筋肉はすべてを解決するっ……!

外気順応のためのファンは、SCA260と同じく標準装備。

副鏡は見るからに大きく、直径は実に184mmに達します。遮蔽率は直径比で約59%、面積比で35%という巨大さで、実効F値はそれなりに落ちるハズです。とはいえ、得られる像は良さそう。このクラスの鏡筒はなかなか見かけませんし、刺さる人には刺さるでしょう。*15
サイトロン

サイトロンは、ビクセンと反対側の位置に大きなブースを構えていました。

一番目立っていたのは、口径200mm、焦点距離2000mm(F10)というマクストフカセグレン、SKYMAX200DXです。

メニスカスレンズの中央に穴を設けてそこにセルをはめ込み、メニスカスレンズとは全く別の曲率を持った副鏡を別個に設置するという、いわゆる「ルマック型」と呼ばれるタイプのマクストフカセグレンです。英オライオン・オプティクスのOMC-200や、以前、笠井トレーディングが取り扱っていたインテスマイクロのマクストフカセグレンがこの形式で、高性能を追求しやすいのが特徴です。
ただ、これらのマクストフカセグレンがいずれも小遮蔽で惑星観測に好適だったのに対し、SKYMAX200DXは副鏡による中央遮蔽が明らかに大きく、性格がだいぶ異なります。写真からざっくり計算すると、遮蔽率は直径比で30%ほどもあるでしょうか。このくらいなら惑星観測にも使えますが、「究極の先鋭像!」というわけにはいかないでしょう。
一方、副鏡が大きいこともあって、イメージサークルはフルサイズをカバー。こうしたことを考えると、どちらかといえば星雲・星団の撮影向きで、製品のカラーとしてはシュミットカセグレン的な使い方を想定したものと考えた方が良さそうです。

鏡筒後端にはファンを装備。注目はピントノブで、目盛が振られていることで主鏡がどちらの方向に移動してるのかが一目瞭然です。シュミカセを使っていると、主鏡の現在位置や移動方向が分からなくなることがしばしばなので、こういう工夫は本当に助かります。これで微動装置までついていれば、さらに言うことなかったのですが……(^^;
なお、写真撮影用に×0.7程度のレデューサーも準備されているようです。
ミードが倒産してしまった現在、このクラスの鏡筒はほとんどセレストロンの独擅場なので、一穴を開ける存在になってほしいところですが……ちょっと難なのは鏡筒が大きく重いこと。メニスカスレンズが重いせいでしょうけど、本体重量は10kgほどもあります(同口径のC8は5.67kg。EdgeHD800でも6.35kg。)し、それに伴って架台ももう一回り大きなものが必要になってきます。それなりにコストもかかってそうですし、性能面はともかく、価格的にも手軽さ的にも純粋な「シュミカセの対抗馬」というのはちょっと難しそうな気はします。
ところで、鏡筒に気を取られて気付いていなかったのですが、下の赤道儀も新型でした。

HEQ5-R PRO赤道儀です。本体重量12kg、搭載可能重量15kgという中型赤道儀で、バックラッシュの少ないベルトドライブを採用しています。

本体にはコントローラー接続端子のほか、使いやすそうなところに電源の入出力やUSB端子を装備していて、今どきの赤道儀らしい手堅い作りになっています。本体上部にはEQ6R赤道儀にあるようなハンドルがついていて、持ち運びは楽そうです。
型番的にも搭載重量的にも、序列としてはEQ6Rの下になりそうですが、すでに販売されている海外での価格は日本円でおよそ27~30万円程度。現在、日本国内での実売価格が税込236500円のEQ6R-Wとは逆転してしまっているので、国内での販売時にどうなるか注目です。*16
skywatcheraustralia.com.au
www.apm-telescopes.net
www.opticalvision.co.uk

変わったところでは、太陽望遠鏡「フェニックス」が大ヒットしたACUTARから新しい太陽望遠鏡「LUMA X」なるものが。四角柱の、まさに異形の望遠鏡です。*17

エタロンフィルターは筒先にあります。中央遮蔽のある、オーソドックスなタイプ。

刻印を見る限り、EDレンズ採用の口径50mm、焦点距離250mmといったところでしょうか?口径的には「フェニックス」(口径40mm)のちょっと上。単波長を使う限り、EDレンズにご利益はあまりないはずですが……果たしてどんな像を結ぶのか、気になるところです。

既発売ですが、Pegasus Astro社の「Smart Eye」。冷却カメラで星像を捉え、ライブスタック&画像処理をほどこした像を覗くという、いわば「スマートアイピース」とでも言うべき製品です。よくできていますが、やはりどうしても「空を見ている」というより「EVFを覗いてる」という感じがしてしまうのは仕方のないところでしょうか。あと、まぁ値段が……というのは詮無い話ですかね(苦笑)

ブースの反対側に回ると、先日とうとう販売の始まったSJH-75UF一式が。早速買われた方のブログ等も拝見しましたが、本当に文句なしに素晴らしい性能で、それ以上の言葉が出てきません。

鏡筒が載せられているSJX赤道儀は、サイトロンのロゴも入っていよいよ本番の商品らしくなってきました。一昨年から展示が続いていますが、この様子だと、それほどかからずに販売にこぎつけられるのではないでしょうか?
【2026年3月6日追記】
こちらのブログ記事によれば、SJX赤道儀はコストなどの面で製品化は難しそうとのこと。残念です。
genyakata.blog.fc2.com

大阪の企業だという「奈光」*18の製品が今回初展示。口径60mm、焦点距離360mm(F6)の3枚玉アポクロマート「60GT」と、専用のレデューサー&フラットナーです。

鏡筒自体はかなりしっかりした作り。光学性能については、SDレンズとEDレンズ各1枚づつを奢っているので、相応に期待できそうです。ドローチューブも、ラック&ピニオンのレール以外に、両側面と上面の3か所がローラーで押さえられていて相当頑丈そうです。目盛付きの回転装置も装備。

ただ、フードの懐が思ったよりも浅いのはちょっと気になりました。実際にノギスで測ってみると、筒先からレンズセルまで3cmほどしかありません。てっきりフードがスライドするのかと思ったら、そういう訳でもなさそうですし……。

で、フードを外してみると、フードの根元はイモねじでガッチリ留められている一方、巨大なレンズセルがフード内に大きく飛び出す格好になっています。なるほど、これではフードはスライドできませんが……その分、夜露や迷光の防止のためにフードの延長は必須になりそうです。
同時に展示されていたフラットナーやレデューサーも3~4枚玉の重厚な作り。メーカー公表のスポットダイヤグラムを見る限り、性能的にも優秀そうです。

補正レンズにおいて、接着剤だか塗料だか、なんだかよく分からないものが若干はみ出しているのはご愛敬。レンズは無事だし、おそらく性能にはほとんど影響しないでしょう。中国あたりの新しい工場、製品だとよくあることです(^^; *19

この他にはHIKMICROのサーマルスコープと、VaonisのVESPERA PROが展示されていました。
HIKMICROは中国の会社で、コスパに優れたサーマルカメラ、サーマルスコープを出しています。自分も、スマホに取り付けるサーマルカメラを昨年買いました(^^;
hpn.hatenablog.com
Vaonisは、eVscopeのUnistellarと並んでスマート望遠鏡の先駆者のひとつ*20。中国勢の追い上げが激しいですが、踏ん張ってほしいところです。
DWARFLAB

スマート望遠鏡と言えば、DWARFLABも今回初出展。従来機のDWARF3と、新製品のDWARF miniを展示していました。このDWARF mini、840gと本当に軽くて、これだったら1台くらい持っていてもいいかな?という気にもなります(^^;
それにしても、2022年にDWARF IIのクラウドファンディングをやっていた頃は「屈曲光学系だし小センサーだし、本当にモノになるのかな?」と懐疑的でしたが、あれよあれよという間に成長し、今や市場の一角をガッチリ占める存在に。毎度のことながら、中国企業のこの成長力は本当にすさまじいし、羨ましいです。
ボーグ

ボーグは今年もケンコー・トキナーの一角を間借りして展開。一見、今までと何も変わらないと思いきや……

2023年のCP+に参考出品されて以来、音沙汰のなかった125FL SPカーボン鏡筒セットがまさかの製品化!てっきりボーグ本体ごと死んだんじゃ……と思ってた(失礼っ!)ので、生きてて良かったです(^^;
口径125mm、焦点距離800mm(F5.6)、フローライトを採用した2枚玉というスペックながら、重さはわずか4kg!スーパーレジン工業が開発した「Kaleidφ(カレイド)」というカーボンパイプが肝で、非常に軽量な上に頑丈です。
ヒョイと持てるびっくりの軽さ。アリガタはアルカですが余裕。 pic.twitter.com/oYKVVWK9ZP
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) 2026年2月26日
は し ゃ ぐ 天 リ フ 編 集 長 (笑)
ただ、大口径フローライト+高機能カーボン鏡筒という組み合わせだけに、価格も割高にならざるをえず、標準価格は驚異の税込89万円!いくら「軽さは正義」とはいえ、VSD90SS(税込682000円)やSJH-75UF(税込594000円)をはるかに上回る価格を2枚玉屈折に出せるかと言うと……二の足を踏んでしまう人がほとんどではないでしょうか?
中の人曰く「現在の市場は、日本製も中国製も同じような鏡筒ばかりで、特徴のある尖った製品が求められている(→そこにフィットするのがボーグ)。現在は円安だし、特に海外では勝機はあるのでは」ということでしたが、現在の市場がスペック勝負になっているのは事実(だからこそそうした鏡筒が売れる)で、そこに埋没せずに生き残るのは並大抵のことではないように思います。正直、かなりキツいんじゃないかな……。
ケンコー・トキナー

ケンコー・トキナーは例年通り、SkyWatcherからのOEM品をずらりと並べてきました。


新顔としては、口径102mmまたは口径150mmのマクストフカセグレンがありましたが、見るからにSkyWatcherからのOEMですね。まぁ、実績はあるので価格次第でしょうか……。

あと、アルミ三脚仕様の赤道儀が出ていました。SkyWatcherの三脚というと、ステンレス製物干しざおみたいな脚を持った無骨なのが思い浮かびますが、アレは頑丈なのはともかく、重いし不格好でした。強度は多少落ちるかもしれませんが、アルミ製三脚なら軽量でスマートですし、ウケは多少良くなりそうな気はします。
また、載せられている赤道儀の方は「SE-5赤道儀」と名付けられていて、ケンコー・トキナーの「スカイエクスプローラー」ブランドとしては新製品……なのですが、一見して分かる通り、モノは昔からあるSkyWatcherのEQ5赤道儀と同一です。
OMデジタルソリューションズ

2月に入って突如、天体撮影専用モデル「OM SYSTEM OM-3 ASTRO」を発表したOMデジタルソリューションズ。2024年7月に「E-M1 Mark lll ASTRO」を発表してから2年と経っていないのに、もう新製品!?と思ったのですが、聞けば改造元のE-M1 Mark IIIが払底してしまったからとのこと。そりゃまぁ、そうですよね~(^^;
基本的には他社の同種製品と同様、センサー前面のIRカットフィルターの特性を星雲の放つHα線に合わせて変更したもので、そのHα線透過率は100%。赤い星雲は文句なくよく写ります。
詳しくはこちら(リンク先PDF)のメーカー資料を見てほしいのですが、「手持ちハイレゾショット」を応用したスタッキング処理をボディ内だけで行えるのは便利そう。さらに細かいところでは、撮影モードを天体撮影用のC1~C3、あるいはバルブにすると、自動的に液晶画面の輝度が大きく落ちて暗い所でも眩しくなくなります……などなど、かなり気が利いていて本気度が伝わってきます。
ただし、注文生産の上に価格は32万7800円前後とまぁまぁ高め。星景写真ならともかく、星雲などの写真を狙うならより割安の冷却CMOSカメラを買った方が幸せになれると思います。そして星景写真についても、センサーが小さいマイクロフォーサーズという規格の関係上、広角レンズのラインナップが比較的弱いのは悩ましいところかもしれません。
ワイエスデザイン

今回初出展のワイエスデザイン。元々は宇宙航空用機器の設計・製造を得意とする会社で、その技術を生かして製作した小型天体写真儀「スターグラファーSG1」を展示していました。

削り出しの本体は惚れ惚れする美しさで、いかにも高性能そうです。赤経のみの1軸駆動ですが、オートガイドにも対応しています。

背面にはステータス画面と、そのすぐ脇にボタンが(画面右側に上下に並んだ黒いの)。下のボタンは南北逆転のトグルスイッチ、上のボタンは運転モードの切り替えで、押すたびに恒星時追尾 → 恒星時1/2× → 恒星時2× → 恒星時600× → 太陽追尾 → 月追尾 → ……と切り替わります。機能的には十分です。
まだ製作途中ということで細部はまだまだ変わりそうですが、楽しみなプレイヤーが出てきました。

ちなみに凝った意匠のこの三脚ですが、これも同社で製作されたもの。美しさと遊び心にあふれていて、見ているだけでワクワクしてきます。
日本望遠鏡工業会

2016年以来10年ぶりの出展となる日本望遠鏡工業会。今までほとんど意識していなかったのですが、以前も出していたのですね……。日本望遠鏡工業会というと、どうしても昔の「J. T. B. ショー」*21(2001年に終了)の方を思い出してしまいます(苦笑) 中学~高校の頃は毎回のように通っていたな……。
ともあれ、実はここに……

なんとタカハシが!!
今回一番のサプライズかもしれません(笑)
出展されているのは、すでに「FS-60C誕生25周年」の記念モデルとして発売されているFS-60CBXなので目新しさはないのですが「高橋製作所がCP+に出てきた」ということ自体が驚きでした。また「J. T. B. ショー」の頃みたいに出てきませんかね……?
というわけで、天文ファン的にメインどころはこんなところでしょうか。見落としに気づいたら、あとで補足するかもしれません。今回は新製品は少な目で、業界全体が次の製品に向けて「溜め」の時期に入ったような印象があります。さて、次の波がいつ来るのか……?楽しみです。
しかし、SeestarといいDWARFといい、スマート望遠鏡のボリュームがぐっと増えて、ここ2年ほどで完全に定着した感じがありますね。SNSでも毎日のようにスマート望遠鏡による作品が上がってきますし……。天体写真、そしてそもそもの天体に触れる機会を大きく増やしたのは間違いないところでしょう。
そして、この手のソリューションが国内メーカーから全く出てこなかった……どころか気配すらなかったのは、勝ち目のありなし別にして、寂しい所でもあります。まぁ、今さらもうどうしようもないんですけど
で……え?文字数約1万7000字?*22 去年より増えてるやんけ!
あれぇ……?( ̄▽ ̄;ゞ
*1:さすがに、今日も3月3日もというのは気が引けます。日数的には大丈夫なんですが。
*2:バッテリーを繋いだままケーブルを挿そうとして、端子が他の金属部分に触れてしまい……といったケース。正直、「そもそもそんな状態で挿すな」と言いたいところですが、まぁ、色々な人がいるので……。
*3:しかも多分安い。
*4:というか、当時は色々事情があったにせよ、APマウントに組み合わせるべきはSTARBOOK ONEではなくて、こういうコントローラーだったと思う……。
*5:要は現在「STARBOOK TEN」でやっているのと同じこと。
*6:正しいかどうかは異論があるにせよ。
*7:ちなみに、直接関係ない話ですが、以前のSTARBOOK TENも使っていた液晶パネルがディスコンになって、過去2~3度マイナーチェンジしているとのこと。やはり望遠鏡・赤道儀のような長持ちする製品と、電子部品の製品サイクルとはどうにも相性が悪そうです。
*8:逆に、1から10まですべて垂直統合で賄おうとするのが日本メーカーの弱点でもあるのですが。
*9:センターポールに、重しをぶら下げるためのフックまでついているのには驚きました。
*10:雲台は地味にアルカスイス対応です。
*11:一応、ノブの形状は「見える接眼部」を指す方が紡錘形に細くなっていて、分かることは分かります。
*12:定価で税込15400円なら、子供に買い与えるのにも抵抗は少ないでしょう。
*13:てっきり、なにかの切り替えスイッチみたいなものかと思ってしまいました。
*14:隠せてないとか言わないw
*15:そして買える人&運用できる人も限定されそう(^^;
*16:ただし、EQ6R-WはコントローラーをなくしてWiFiアダプターを装備したモデルなので、逆転分はコントローラー代金と思えば……いや、それでも高いか?(^^;
*17:なお、形には特に深い意味はなさそう。
*18:代表者は中国人っぽいですし、作例も中国人の手によるものばかりであるあたりを見るに、製品自体も中国製なのかな?という気はします。とはいえ、今や中華鏡筒がトップクラスの実力を持つのは周知の事実です。
*19: ZWOといえばその昔、ADCのファーストロットで、プリズムの接着剤が光路中に豪快にはみ出してるなんていうのがありました。当時はまだまだ小さい会社で、これも笑い話で済みましたが、いまやそうも言ってられない立場ですからねぇ……。 pic.twitter.com/qGjXoqLhX6
……チ〇毛とか言うなw
*20:奇しくもどちらもフランスの企業です。
*21:日本望遠鏡・双眼鏡(Japan Telescope & Binoculars)ショーのこと。日本望遠鏡工業会が主催だった。
*22:追記したら初稿よりさらに2000字近くも増えたのは内緒だ(笑)